着物__2_

連載『オスカルな女たち』

《 女子会 》・・・7


「なんでもいいのよ、集まる理由が欲しかったんでしょ…」
戸惑う玲(あきら)に、弥生子(やえこ)が満足そうにタブレットを眺めながら話した。

「観念なさいな。一番近くにいる明日香が、一番羨ましがってたのよ。あなたたち4人のことが…」
そう遥に諭される形で玲は大きくため息をついた。
(羨ましいって…)

「そういう問題?」
「そういう問題よ」
玲の右手に桜子と弥生子、左手には明日香と遥が連なる。お誕生席に座る玲に、両側から4人の視線が鋭く集中する。

(女子会って…。ただ集まればいいって話じゃないと思うけど…)
「ま、まぁ、いいわ…」
そこまで言われちゃ観念せざるをえない。

(やだ、私押されてる? 友達でもないこの人たちに。…さっさと、切り上げて帰ろう…)
ひとまずビールを飲み干す玲。これは飲まずに相手はできない。

「…で、浮気してるって? 根拠はあるの?」
「そうそう、なにか見つけてしまったんですの?」
上品にお造りを口に運ぶ桜子。

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たゆ・たうひと
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