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連載『オスカルな女たち』

《 騒がしいやつら 》・・・4

「はい。真実(まこと)先生もこういうものに興味あるのかと…」
「ない。ないないない! あたしのじゃねーし…」
 声を荒げて精一杯拒絶する。
「それは解りました…」
 こっちの気も知らずに拗ねてやがる。
「持って行けよ! ほしかったらやるから、それ」
 真実は半分やけくそのつもりだった。

「持ってます」
「はぁ?」
「自分のはあります」
「おまえもか…」
(え、それって普通のことなのか…?)
 混乱しながらも、冷静になろうとする真実。
「金太郎持ってんだ」
 へぇ…と、一瞬表情をこわばらせるがすぐに思い直し。これは一般的に、普通の女子の持ち物なのか…と自分を疑わざるを得ない目の前の現実に戸惑う。持ち運び用にも難儀しそうなそれが、日用品か必需品なのかと。
(まさか…)
「おまえもって。いえ、あたしのは〈マックスデビル〉って言って、ここんところが…」
 楓はデスクの上の物を取り上げるなりヘッドカバーをめくりあげ、電源部分との接続部位から「なにか違う」要素を説明しようとする。が、即座に真実は遮った。
「いい、聞きたくない」
 手を翻し、さっさとどこかへやってくれ…と頭をかく。
(なんだよ、マックスデビルって…。そんな名前ばっかりか?)

いつもお読みいただきありがとうございます とにかく今は、やり遂げることを目標にしています ご意見、ご感想などいただけましたら幸いです