蜜月の刻(とき)
なにか行動を起こそうと思う時、そこには必ず「初めて」はつきもので、それは人間関係だったり、恋愛だったり、男と女のなにがし・・・・
「解らない」ことを「恥ずかしい」と思う傾向があるようで・・・・
編集社企画部:望月ますみ
「つき合い始めて、1ヶ月位した頃かな。ホテルに行ったの」
年下の、多感な男の子にしては随分頑張ったと思う…そう言って彼女は、懐かしそうに微笑んだ。
「それまで、言葉の上でいくら『経験あり』な風を装っていても、現場慣れしてないから、相当焦ったよね」
「現場慣れって…」
「ラブホテルなんて、なにを目的としてるかなんてあからさまでしょ? ただ彼の部屋に連れていかれるより、さ」
「まぁ、そうですね」
この場合、どういう流れでそこに辿り着いたかという部分ははしょっていいことだが、おそらく彼女には「心の準備」というものが備わっていなかったのだろう。
「結局どうしたんですか?」
「まぁなんとかやり過ごしたわよ」
「やり過ごせたんですか?」
「そのつもりだったけど、多分バレてたと思う」
バレてた?
「初めてだってことが?」
「多分ね。出血こそしなかったんだけど、ね」
「痛がった…とか?」
「そこはなんとかやりすごした」
「じゃぁ」
「…だって、事に到るまでに『脱いだ服はどうしたらいい』のかとか『お湯はためたままでいい』のかとか、いろいろ聞いちゃったから」
やだ、かわいい・・・・
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いつもお読みいただきありがとうございます
とにかく今は、やり遂げることを目標にしています
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