転校生になりたかった
子どもの頃に書いていた4コマ漫画や小説は、いつも転校生の自己紹介から始まった。特別目立ちたいとか、注目されたいというわけではなかったが、黒板の前でするあれが、なんだか羨ましかったのだ
先日、こんな記事を書いた
あまりにばかばかしい記事なので、読む人もいないだろうなぁと思いながら、でもまぁいいかって遅い時間にアップした。そしたらちょっとコメントがあって「おっ」てなって、思い出した!
かわいらしいロマンスや、ドラマチックな出会いもそりゃぁ欲しかったけれど・・・・
わたしは転校生になりたかった!
本当にくだらなくて申し訳ないけれど、子どもの頃のわたしは大変に無邪気で、呆れるほど夢を見すぎる少女だったのだ
(他にもなにか突飛なやつが出てきそうだけれど、思い出さずに済ませたい)
転校生はなんだか特別感があっていい。黒板の前に立ってるだけなのに、しかも寂しげだったり、清々しいほどカラッとしていたり! なにか素敵なことが起こりそうでわくわくする
え、黒板の前に立ちたいだけなの? いいや、違う
前に出て意見するのではなく、教室前方の入口を通って黒板の前に立つのだ。いや、決して先生になりたい訳でもない
子どものわたしは注目されたかったんだろうか?
ただ知らない土地に行きたかったのか、単に自分を知らないひとごみの中に入りたかったのか・・・・いいや、自分じゃないだれかになりたかったんだと思う。そして、そんな自分を第三者的に、外から見てみたかった…のかなぁ?
もうひとり自分が欲しかったのかもしれない。なんだ? 心の病か?
そういえば「双子」にも憧れたなぁ。生き別れの兄弟だとか「腹違い」とか「RH-」とか、そんなドラマの中にしかないようなワードに焦がれた。ただ単にヒロイン願望が強かっただけかしら?
転校した時、どんな紹介をするか練習していた時期もあった。しかし、わたしの父は自営業で、しかもひとりでやっているから転勤の可能性はない。わたしの家は祖父の代からの持ち家で、両親の結婚と同時に新築した家だったから引っ越しの予定もない。転校生になる要素など、米粒一粒ほどの可能性もなかったのだ
ただ、転校生の真似事はできた。ままごとやごっこ遊びはもっぱら転校生の役。無理矢理転校生枠を作った。学園もののドラマやアニメで転校生が出てくると、必ずその役になりきった
なんだ? ただ単に自己紹介がしたいだけだったのか? いやいやいや…
でも、保護者会の自己紹介は得意ではなかった。子ども自分、あんなに練習していたのに、すっかり忘れていたよ。だからといって行かせるものでもなかっただろうけれど
一体なにになりたかったのか、たとえ転校生になれたとしても満足したわけでもなかったろうけど・・・・ホント、子どもって変なこと考えるなぁ…わたしだけかしら?
でもね、実際に転校してきた子に聞いてみると、あまりいいものではないという。そうよね、まったく知らないところに放り投げられるようなものだもの、でもそれすらも羨ましかったんだよなぁ
好奇心だけで生きていた頃の思い出だわ