ゲヌとクラウドファンディングの挑戦
こんにちは、代表の宮村です!
この度、アフリカ布ブランド"ゲヌ"はクラウドファンディングを実施することになりました。ブランドのことを全く知らない人もいると思うので、少し長くなりますが、ブランド開始までの経緯とともに、クラウドファンディングへの思いを書きたいと思います。
ゲヌの名前に込めた思いとは?
”ゲヌ”は西アフリカのセネガルの言葉で”出口”を意味します。「出口の見えない人々に出口を作る」を目標に、アフリカ布を使った商品や、セネガルからインスピレーションを受けてデザインした商品を制作し、売上の一部をセネガルでの職業支援に充てたり、暴力により傷ついた女性たちのための避難所建設を支援する活動を行っています。
私とセネガルのつながり
私とセネガルのつながりを作ったのは1冊の本でした。本のタイトルは『切除されて 』。セネガル人女性のキャディコイタさんが書いた自叙伝でした。
キャディさんは7歳のときに地元の慣習で女性器の切除(FGM)を受け、13歳で見知らぬ従兄弟と強制的に結婚が決まり、強姦のような日々に耐えながら5人の子どもを出産しました。収入をすべて夫に奪われ、38歳でようやく離婚が成立するまで、自由がありませんでした。
彼女は自身と同じように傷つく女性たちを救いたいと世界中で活動をはじめました。 『切除されて』は幼少期からそこに至るまでの長い道のりを綴った物語です。
あまりに辛い内容に、ときにはページを開いていることもできず、何度も泣きながら読みました。でも、本には彼女のセネガルへの愛情が詰まっていて、きっとセネガルは素敵な国に違いないと感じました。そして、2011年、私は大学を休学し、ずっと行ってみたかったセネガルに滞在をしました。
セネガルは、エネルギーに溢れた明るい国でした。道を歩けばすぐに友だちができ、人と人との深い繋がりを感じることができます。美味しい料理、優しくてユーモア溢れたおしゃべり好きな人々、お洒落でカラフルなアフリカ布のファッション、子どもたちの笑顔。私はセネガルが大好きになりました。
一方で、大好きだからこそ、やるせない気持ちになることも多くありました。お腹いっぱいに食べられていないストリートの子どもたち、道や海にまであふれたゴミ、やる気があるのに仕事が見つけられない人、そして一部では暴力を受けて行き場をなくした女性たち。
セネガルでは、本の著者であるキャディコイタさんに会うことができました。下の写真は、2011年に初めてキャディさんに会ったときの写真です。
彼女は、暴力を受けた女性たちのために避難所の建設を進めていました。彼女の作る避難所は、女性器切除や強制結婚、男性からの暴力に苦しむ女性たちを避難させ、そこで心のケアや職業支援を行い、自立を促すというものでした。
帰国後...
日本に帰国した私は悶々としていました。お世話になったセネガルに、私ができることはないのか。
しかしながら、何もできぬまま、私はそのまま大学を卒業し、社会人になりました。
そして、2020年1月、再びセネガルを訪れました。キャディさんの避難所は建設費用が足りず、建設途中のままでした。60歳を超えたキャディさんは体調が安定せず、資金も底を尽きていました。
ブランドの立ち上げ
私は2020年4月にゲヌを立ち上げました。自分にできることを1つずつやっていきたい、と思ったのです。
アフリカ布の商品は可愛らしいだけでなく、売上を避難所の建設やセネガルの発展に使うことができます。また、いずれは避難所で行う職業訓練のために商品の裁縫を役立てることができるかもしれません。現在は日本で制作を行っていますが、ゆくゆくは現地で制作したいと考えています。
また、セネガルの失業者の自立支援として、2020年10月から養鶏の起業支援を始めました。
担当しているのはサンルイという北部の街に住むブバカという男性で、10年前に私がボランティアをしていた子どものためのセンターのスタッフでした。現在、ブバカには妻と2人の子どもがいますが、スタッフとしての仕事を失った後、長年新しい仕事が見つけられず、親戚に頼って暮らしています。彼は自立願望がとても強く、自分で家族を養いたいことを私に何度も何度も熱弁しました。
そこで、私たちは小さな養鶏場をスタートしました。ヒヨコを飼い、鶏に育て、食用として売るというものです。私も養鶏について色々と調べ勉強しました。彼はやる気に満ち溢れており、事業を拡大し家族を養えるようになったら、セネガルで他の人たちのために活動したいと意気込んでいます。彼はいずれゲヌの欠かせないパートナーになり、沢山の人に出口を作る手助けをしてくれると信じています。
今回のクラウドファンディングで実現したいこと
これまでは、商品の企画、材料の仕入れ、制作、販売をほとんど1人で行ってきました。ブランドを始めて1年間の間に、私は子どもを妊娠し、出産しました。1人では回らないことが多く、せっかくブランドを知ってくださる方がいても、商品はいつも品薄状態。これではブランドも大きくならず、セネガルへの支援も限られます。
勇気を出してインターンシップの募集を始めてから、メンバーは私を入れて6人になりました。このパワーを活かして新しい商品を制作していきたい。
ブランドとしての再スタートを切るべく、クラウドファンディングの実施を決めました。1人では勇気が出なかったこと。それでもチームの皆がいるとできる気がして、今年1月から一生懸命準備してきました。
今回のリターン品はすべてゲヌでデザインしたものを工場さんや作り手さんに制作していただきました。これもゲヌとしては新しいチャレンジになります。
これから、支援してくださった皆様へのお礼品を沢山ご紹介していきたいと思います。クラウドファンディングだからといって、クオリティの低いものはお届けしたくありませんでした。長い時間かかって出来上がったお品物。やっと紹介することができます。
楽しみにしていただきたいです!!!