『クイズ王』という物語構造の展開例
(ねこ、かわいい。わさび。和さびネコ)
(舞台と人物を具体化したら、だんだんと動くようになってきた。リアリティ大事。わからんけど。)
(クイズと問題解決とを繋ぐフェーズ、まだ長くかかりそうだ。。ぽわぽわぽわみーふわりんこ♪)
◯第一幕 史上最強のクイズ王
◼️パート1 感情移入先の人物設定とコンセプト滲み出し
↓あとで、ファウストみたいに、前説に置き換える。
(コンセプト:もし、森羅万象の知識を身に付けることができたら?そして史上最強クイズ王になれたとしたら?また、史上最強のクイズ王でも敵わないクイズ王がいたとしたら何か?その敵に勝つにはどうすればよいか?)
(テーマ:クイズ王の人生を通しクイズ界隈の話をメモる。クイズ王になりたいと思う人がぶちあたる数々の壁をぶち破る無双キャラが活躍。クイズ王とは何者か?への一回答例の提示。クイズ王がぶちあたる壁を通して、クイズというものの見えにくい性質を描く。広義のクイズの多種多様な楽しさや力強さを描く。)
1 他称クイズ王
あるところに、クイズ王がいた。
クイズ王には、自称クイズ王と他称クイズ王が存在する。
人は、他人から、「あの人はクイズ王だ!」と言われて初めて、クイズ王になれる節がある。
その点、そのクイズ王は、自称クイズ王ではなく、皆が認める、れっきとした、他称クイズ王であった。
2 クイズ王
森羅万象、わからぬものは、クイズ王にはなかった。
彼はメフィストフェレスの悪魔に魅せられ、魂を引き換えに、森羅万象の知識を得た。
誰でも当然そうであるのだが、しかしながら、クイズ王は、最初からクイズ王ではなかった。
クイズ王を目指してミラティブで勉強配信をしていたときに、たまたま、知識の根源たる悪魔がこんちゃスタンプギフトを贈ってきたのが事の始まりであった。
(クイズ王に憧れ、クイズ王を目指し勉強をするというとこの、共感できるエモいエピソード。パート3への伏線)
3 知識の根源たる悪魔
知識の根源たる悪魔は、彼の者に万物の知識を得る術を与えた。
知識の根源たる悪魔は、Yahoo!検索やGoogleの検索エンジンを与えた。Wikipediaを与えた。知りたいものは即座に調べることができるようになった。
知識の根源たる悪魔は、クイズの杜やクイズ宅配便を与えた。QuizKockやカプリティオチャンネルを与えた。『あなたがクイズを始めるための本』から『「愛、知、県」杯の男』まで、古今東西のあらゆるクイズ問題集を手にすることができるようになった。
知識の根源たる悪魔は、知識を試す術を与えた。Skypeクイズ、Discordクイズ、長屋クイズアリーナやQpotを与えた。Quiket機や早稲田式早押し機を与えた。TakatoshiKobayashiを生み出し、みんなで早押しクイズをあたえた。あらゆる時と場所において、知識を試すことができるようになった。
知識の根源たる悪魔は、知識を身に付ける術を与えた。認知心理学や神経生理学の知見や図書館情報学や情報工学の知見を与えた。Ankiアプリを与えられ、何もできなかった無益な時間を、知識を身に付けた有益な時間へと変えることができるようになった。
※このパートは、悪魔の力で理想を思い切り語る方向に舵をとっても面白い。古今東西のクイズ本やクイズ番組を手に入れることができる魔法の図書館、次々と出版されるクイズ本を購入するための無尽蔵の軍資金や、その問題集を読み込むための無限の時間が流れる精神と時の部屋、無尽蔵な気力・集中力。何でも一瞥しただけで覚えてしまう悪魔的な記憶力。各地のクイズ大会・例会にお邪魔することが可能な余暇と交通費、道中は快適なジョイフルトレインで観光も十二分に楽しむことができる。などなど。字面を眺めるだけで、なんだか興奮してくるパワーワードは、人々に夢や、続きを読む気力を与えうる。
4 愉悦を与ふる悪魔
知識の根源たる悪魔は、クイズ王に快楽を与えた。
ひとつひとつ知識が蓄積し、森羅万象の境地へと、また一歩近づく喜び。
(大学授業さぼり。意味がわからない。クイズ形式で一問一答で教えてくれたらいいのに。内職。【←体験はしたものの、学びを拒否した、学ばなかったこと。】)
圧倒的な知識量は、コンプレックスを気持ちよく消し去った。もはや、わからないことなどない。もはや、かつてのように、他人をみてうらやむ自分ではない。
クイズ王の魂は、知識の根源たる悪魔に、完全に奪われた。
5 強きクイズ王
クイズ王は、少し癖のあるクイズ王であった。
クイズ王とて、最強ではない。世の中には様々なクイズ王がいる。
クイズ王は、最強のクイズ王を目指し、猪突猛進。人を見るや、なりふり構わず挑戦状を叩きつけまくった。
当然、負ける。負けるたび、悔しいと思うたび、魂をクイズに捧げた。まだ見ぬ強者を求め、日本各地を、世界を駆け回った。
「こんなのもわからないの?ベタだよ、これくらい覚えてなきゃね。」
「新参者が。先輩は絶対だ。俺に勝てるようになってから口をききな。」
「簡単なクズ問しかとれないなんて、サル以下だね。サルにはサル問がお似合いだ。猿山の大将はサル問で遊んでな。」
負ける度に言われた数々のことば。
競技には狂気で向き合う。勝ったほうが強い、負けたほうが弱い。シンプルな世界。
クイズに強い者は、すなわち絶対。弱い者の言葉など、耳を貸すに値しない。勝つことにつながらないことは、すべて無駄である。
強き者にしかわからない至高の領域で、自分しかいない優越。王者の当然の権利。
クイズで相手を打ち負かしては俺TUEEE!!と雄叫びをあげ続けていた。
JAPAN最強にとどまらぬ、WORLDクラス地球最強。
いつしか、世界中の誰もが、彼の人をクイズ王と呼ぶようになった。
◼️パート2 喪失。クイズ王が行き着く先には。
1 みんな知ってるクイズ王
あらゆる人からクイズ王と呼ばれ、ちやほやされた。
道先であう誰も彼もがクイズ王をみれば「あ!クイズ王だ!」と声をかけ、クイズ王に問題を出した。
クイズ王は、「クイズ人から聞かれるものベタ」も当然おさえていたので、間髪入れずに即答することができた。
「さすがクイズ王!僕もクイズ王みたいになりたいです!尊敬します!サインをください!」
そう言われる度、クイズ王は誇らしく思い、その姿は自分がかつて憧れていた史上最強のクイズ王の姿そのものであった。
「ときよとまれ。そなたはうつくしい!」
2 みんな知らないクイズ王
皆、始めは面白がってクイズを出していたが、あまりにも何でも答えてしまうので、肩透かしをくらったと思った。クイズ王を打ち負かそうとクイズを出しても知識マウントできず、期待外れだな、つまらないなと思うようになった。ヘイ!シリ!とスマートスピーカーに命令するのと同じ感覚で、クイズ王をおもちゃにしていたので、おもちゃに飽き始め、しまいには鼻フックで豚鼻にして遊び始めたが、やがてそれも飽きた。
これは答えられないと思っているところに正解が来るし、そのうえ、自分が知らないトリビアをおまけで2、3個ぶつけられる。それだけなら、へぇ~面白い!となるのだが、「何でそんなことも知らないの?」「こんなこと知ってて当然でしょ?」といわんばかりの態度を醸し出していたり、実際に口に出してしまったこともあり、人々はみな、嫌な顔をクイズ王に向けた。
これは悪かった直そうと態度や言動を改めたのだが、それでもどういうことか、クイズ王の圧倒的な知識量を前に、人々は自分で勝手に劣等感を感じ、クイズ王を避けるようになった。
それは、クイズ王になる前の彼の者がそうだったように、人々も例外なくそうだっただけである。
そんなわけで、おしまいには、クイズ王にクイズを出題する者は、終にいなくなった。
3 史上最強のクイズ王
「森羅万象データベース?なんて便利!凄い!」
「これがあれば、お金持ちも夢じゃない!」
「知識の根源たる者が眷族が問う。第760回オータムジャンボ宝くじの当選番号はいくつか!?」
・・・。
「反応がない。」
「ふむ。さもありなん。」
「何でもは知らないのろ、知ってることだけのろ。」(伏線)
「それに、番号だけ知っても、どこで売っているか知らないと買えないぜよ。をこぜよ。。」
◇ ◇ ◇
勝負にならない。必ず圧勝し、絵にならない。
初めのうちは超難問に答えられるかのテレビ番組に呼ばれたが。
知識の根源たる悪魔はアカシックレコードは与えてくれたが、森羅万象の理を教えてくれたわけではなかった。
人々は、クイズ王は暗記してるだけの知識バカ、頭が良いわけではない、クイズ王乙wwwと、思い思いにルサンチマンを解消した。
ネットの海は、立ち向かう身がすくむような知の巨人を、圧倒的な六次もの隔たりにより、近くにある、小さく遠い存在にさせた。
なので、クイズ王はクイズ番組に出なくなった。そして、人々は史上最強のクイズ王を忘れていった。
4 草クイズ王は草
当然に簡単すぎてつまらなくなった。
たまに、なりふり構わない押しをされて負けることはある。
負けると悔しいし勝つと嬉しいので、同じように、いやそれ以上に早押しの技術、戦術と極めた。
別に解答者だけがクイズプレイヤーだけではない。
クイズ王は作問もし、企画や大会も実施した。
しかし、クイズ王にとって作問は自分が覚えた知識の確認のためでしかなく、他人様を楽しませよう。他人様と楽しみを共有しようという類のものではなかった。そもそも、既にクイズ王にとっては、すべての物事の出題価値が等しく存在し、そして、等しく存在しない。
虚しくなり、クイズ王はクイズ大会に出なくなった。人々は史上最強のクイズ王を忘れていった。
5 孤独なクイズ王
圧倒的な強さの前に向かい合うと、だれも対等にたつことができない。
圧倒的な知識を身に付けたら皆からクイズ王として尊敬される、そう思っていたが、実は真実は違ったようだ。
孤独で、ひとり、ぼっちである。
ともにクイズで楽しむ仲間はいない。
クイズ王政は、絶対王政ではなく、立憲君主政や立憲民主政だ。民がいて、王がいる。
史上最強のクイズ王は、誰ともクイズをできない、史上最強のクイズ王。
人は、他人から、「あの人はクイズ王だ!」と言われて初めて、クイズ王になれる節がある。
クイズ王は、クイズ王ではなくなった。
(冒頭の伏線回収。強大な力の代償の支払い。)
◼️パート3 喪失との格闘
1 喪失への格闘、上手くいかない試み
(表面:勝利至上主義、背景:世界一を誇る、内面:疑問、始めはどうだったか。奥へおいやり。)
人さびしくなったクイズ王は、ところかまわずクイズをするようになった。
クイズを出してもらえないなら、クイズにすればよい。
人の
透明になっていく自分に、愛しく憎々しい他人の色が混じるような気がした。→混じりたくない。そんな他人などと、拒否。無味無臭な平等に無価値な色が加わっても、自らが薄まる。多種多様な色は、情熱の赤を、知的な青を、穏やかな緑を、奥の見えない黒で塗りつぶす。(後半パートで、捉え方が「色」ではなく「光」へと変わり、全てを含んだ「黒色」と全てを含んだ「白光」とで置き換わる。変わるきっかけがないものは、「黒」のまま他者をのみこみ堕ちていく。それは、かつての自分。)
透明だった自分の瞳に、世界の色が映る。不確定な要素が次々と起こる。明るい白は、光彩の束だ。ぶつかり、わかれ、また集まる。(→世界から色を借りてきて、自分の外側を描かない。)
2 脱出へのヒント
小説、映画、自己啓発本。どんな名作も心に響かない。
究極的クイズ王には、等しく価値があり、等しく価値がない。
森羅万象の知識に触れてからというもの、常に自分以外の見えないどこかから、借り物をしてきているような疎外感を感じていた。正解できるのだ、過程など邪魔なだけだ、そんな言葉をぶつけて弾き返していた。
皆が問いと答えの周りの自分事を楽しそうに語り合うとき、その輪にわたしも加わり、自分の話をしたいと思っていた。
メフィストフェレスが魂を奪ったからか。
授かったのは森羅万象の知識。知恵をもたらす知能まで授けたら悪魔稼業はお手上げ。
許してはくれまいと思っていたが、本質は自分を許さなかったのだ。すでに、遅いのだろうか。もはや、時は行きどまってしまった。
気付くと、そんな過去の回想を、たのしかった、あの頃に、走馬灯のように何度も思い出し、遠くから眺めている。
テレビ画面の向こうで活躍するクイズ王を、楽しく眺める自分。それを遠くでみている。そんな毎日。
楽しかった、あの頃。画面越しの幸せそうなテレビショーが、日常で近くに感じられた日々。
かつてのVHSビデオテープを発見。
ツメが折れて上書きできないようにしてある。永久保存版。
流す。
かつて憧れていたクイズ王だ。自分の原点。
表情・感情豊かなクイズ王。カッコいい憧れ。
クイズ冬の時代とともに音沙汰がなくなった。
ご存命なら、齢50前後だろうか。
今はどうしているだろうか?
日本各地を、世界各地のクイズの場に顔を出したが、どこでも見かけることはなかったので、クイズの場からは退いているのだろう。
もしかしたら、あのクイズ王なら。
自分と対等にクイズをできるかもしれない。
なぜ、気がつかなかったのか。
いや、かつての憧れを、どこかで壊したくないのだろうか。
Googleる。
死亡説も流れているようだ。無理もない。
◯◯大学?
懐かしい。久しく忘れていた母校だ。
かつて憧れた、かのクイズ王は大学で教鞭をとっていた。
3 衝撃的な出会い、変わり果てた師
研究室をおとずれる。
しばらくの逡巡の後、意を決しドアを叩く。
異様な雰囲気の院生が対応。
研究室を見渡すが、かのクイズ王はいない。
この異様な院生ひとりだけか。
院生によると、かのクイズ王こと先生は、普段は山にいるのだそうだ。
この大学もわりと山の深いところに立地しているのだが、なおさらに山の中に居るそうだ。
庵の場所を教えてもらう。
お礼をいって研究室を出る。
そのときに初めて気が付く。研究室にいたのは院生一人ではなかった。座禅を組んで微動だにしない人が、それも二、三人いた。集中しすぎてて気配すら感じなかったのだ。
いったい、ここの研究室では何が行われているのか??
◇ ◇ ◇
失って、失って、得るものがある。
本当に失う前に、みつけることができるか。
かのクイズ王の庵をおとずれる。
一問、クイズを出される。わからないはずがない。
悪魔の力で、森羅万象の事象を知りえたのだから。
しかし、わからない!?
なんだ、こんなこと見たことも聞いたこともない!!
マイナージャンルの同人作家のデビュー作のようなカルトな事柄も知りうる自分が、なぜ!?
ドヤ顔のクイズ王。
ん?わからんのか?わからんのか?(煽り)
わか、、りま、、、
ん?どうした?小さくて聞こえないぞ~?(煽り)
わか、、りません!!(くそぅ!!)
なんでも知っている?か。
こたえは「そんなもんない」じや。
わしがでっち上げたんだから、当然じゃ(ドヤッ)
は?このクソジジイ!!
ゼッッッタイにぶっ倒してやる!!
4 不条理な修行
つらい。
正解を答えてはいけない。
「つまらん!」の一言で、無下にされる。
不条理だ。
ああ、
ねこ、かわいい。
ねこ、かわいいなあ。
おかし、あまい。
おかし、おいしいなあ。
こころのおもむくままに、世界に思いを馳せる。
問いを、疑問を、自分と世界にといかける。
君が気になる。あなたをもっと知りたいんだ。
訪れる、気付き。
そうか。
そうじゃ。
あの時、もし本当に知っていれば、ちょっと考えれば「そんなものないこと」がわかるはずなのじゃ。
しかし、お前は「そんなものはないこと」を、わからなかった。何でも知ってるはずのお前がな。
ついてくるがよい。面倒をみせてやろう。
え?面倒をみてやろうじゃないの?みせてやろう??
◇ ◇ ◇
「もっと、心をこめんか!」
「心をこめろといったのじゃ!誰も力を込めろとはいっておらんわ!」
こんな調子である。
なんで、この爺さん肩なんて揉まなきゃならんのだろう。
こっちは、過酷な修行で
「次は脚じゃ!」
「心を込めんか!」
また、とんできた。
こめんか、こめんか、のじゃ、のじゃ、のじゃ。
聞きすぎて、耳を閉じても聞こえるようになったわ。このじいさんが耳の中に居座っていやがる。いっそ、このまま首を締め上げて楽にしてやろうか。はぁ。
「首を絞めようなど考えても無駄じゃぞ。」
ギクッ!なんで、心を読まれてるの!?
「図星じゃな。ホッホッホッ。心が自分のものではないから、そんなつまらないことを考えるのじゃ。心が伴わないものは、肩もみだろうが、高尚な一子相伝の奥義の修行だろうが、ものにはならん。よいか、心は自分のものに、あぁ~、そこじゃそこじゃ、さっきのとこ、も一回じゃ。」
はぁ、どういうことだよ、、
だけど、このじいさん、結構、凝ってんな、ただ寝っ転がってせんべい食べているだけだろ。なんで、こんなに凝ってんだよ、はぁ。
「としぢゃ!」
だから、心を読むなって!!
◇ ◇ ◇
職人の朝ははやい。
・とある気持ちから危険をおかし怪我をする。
・床に伏せながら(弱い状態)、師匠の動きをみる。
→なんだ、できるんじゃん。けど、当然か今までやってきたんだし。
→自ら気付き、心を変える。
・修行の成果が出てきた!
・物事を体系的に把握することで、「そんなものはない」ことが、消去法でわかるようになってきた。
・違った見方を手に入れて、見えなかった知識の更なる側面が見えるようになってきた。以前より明らかに強い。「そんなものはない」ことも、わかるようになった!こんなにも見識を深めた自分が「ない」と「わかる」のだ。そんなものは、ないのだ。ああ!清々しい気分だ。
・最近の様子をうけてだろうか。ある日、師匠が卒業試験を受けてもよいと言ってくれた。
・この試験に合格すれば、正解できれば、免許皆伝だ。
「心してかかれ。生涯にこの一問、一度きりじゃ。」
「心の準備はよいか?」
(問題を出題。)
「そんなのはありません!」
「本当にそうかのぅ?」
「はい。こたえは『そんなものはない』です!」
「詳しく調べ、問いを出し、知り尽くしました!」
・「なんでも知っている?」
・ふむ。。。
(目のなかを除かれる。自信に満ちた目で返す。)
・こたえはな。「そんなものはない」じゃ。
・やった!正解だ!師匠ありがとうございます。
・教えることはもう教えた。必要なものは、既にそこにある。
・ありがとうございます!師匠!!
・お前さんは、破門じゃ。二度と顔をみせるでないぞ!!
・!? ~~ウォオンン!!?? どゆこと?どゆこと??
(師匠が離れ、背中が遠のいていくシーン)
5 修行の成果
あれからというもの、しばらく呆けていた。
身体と云うものは正直で、自然とやすらぎを求めるもののようで、なんとなく、いつも修行をしていた自分の居場所に向かって足が動いた。
だけど、師匠はもういない。
師匠の顔が浮かぶ。
なにかと、楽しかったなぁ。
懐かしい日々。
師匠の声が頭に浮かぶ。
「なんでも知っている。」
「そんなものは、ない。」
!! あぁ、そうか、、そうか、、、。
すべて、わかった気になっていた。
はじめから、ずっと、師匠は同じことを言っていたんだ。それなのに自分は、わかりきったと思って、そこで思考を止めてしまっていたのだ。
今のいままで、先生の真意に辿り着けなかった。
必要なものは、いつでもそこにあった。
おのれを見つめ直し、修行に没頭する。
◇ ◇ ◇
未知と戯れる
そして、わかった。
知ってるものだけ知っている。
知らないものは、知らない。
世界のすべてを知りたいと思った。
知るたびに、世界は照らされ、知らない先がみえてくる。そして、その先もおんなじように照らしていくんだ。
世界の広さにうちひしがれ、立ち止まると、後ろには既知の世界。長く歩めば歩むほど、既知の世界は後ろにたまりつづけ、消化すべき未知の世界は広がる。
背中ごしにある既知の事実の山々。既に覚えた覚えるに値しない死んだ知識。死屍累々。息狂しくなる。
前を見れば広大な可能性。まだ知らぬ山並みが遠景にそびえる、その下にはまだ見ぬ湖があるかもしれない。その深さをおもうと、息が詰まる。山並みの向こうには何があるのか。上を見上げれば、太陽と月が等しく並び、どこか遠くで知らない星ぼしの知らない世界が軽々しく宙に浮かんでいる。
そのすべてを手に入れたい。
その甘くあまいおもいに、つかれきってしまった。
息つく先で、胸がやけつく。
でもね、わかったよ。
知っていることだけ知っている。知らないものは知らない。
ーーーだからこそ、知りたくなる。
世界のすべてを手にしようと思っていたけど、すべてを手に入れようとしなくていいんだ。
死んだ知識などない。背中越しの既知の山々は、未知を導く、ぼくの足跡。みちを進むフットライト。
ずいぶんと遠回りをしたかもしれない。
けどね、それもぼくの足跡だ。
心臓が脈打ち、想いが高まる。感謝の念が、こころからわきあがる。死んでいたと思っていた知識の水脈に、豊かなおもいが、脈々とめぐりめく。
さぁ、せかいで、せかいと、あそぼう。
―-消えるメフィストフェレス
「免許皆伝だ。」
背中ごしに、師の声が聞こえた気がした。
6 現代の老子と現代の孔子
(第三部。完!)
もうちっと、続くのぢゃ
7 師の死
民法第30条 失踪の宣告
不在者の生死が7年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができる。
師は行方を眩ました。
何かを求めて。
人間五十年 下天のうちを 比ぶれば
夢幻の ごとくなり
にゃーん。
足下で、わさびがなく。
猫は死期を悟ると飼い主の前から姿を消すという。
庵へと戻る。
ありがとうと、言えなかった。
ありがとうを、心に秘めて、いつか、あなたに届くように。
直接に届かなくても。巡りめぐって、あなたにもらった、この想いを、ちゃんと返していきます。
8 そして師となる
みえなかったものが、みえてきた。
あたまは清んでいた。
師からの教え。もう教えることはない。
信じて、向き合う。
師の代わり(尻拭い)に、大学で教鞭を継ぐ。
師となり弟子にまみえ、見えてくるもの。
それぞれ得意な分野がある。素晴らしい。
弟子から教わることもある。喜ばしきことかな。
君たちが最高の景色を見るそのときに、僕もその傍らにいたい。まだ見ぬ景色を君たちとの明かりで照らされ広がっていく、一緒ならどこまでも行こう。
あれから、七年の年月がたとうとしていた。
◯第二幕 クイズ!早押し学園☆ミ
私、星降そそぐ
私がアイドルって事は、クラスの皆には内緒なの
色々あって退学の危機?
助けて大地君!
星空クイズドロップ、第2星『ヘルプ!そそぐはアイドル』
来週も、恋にドロップドロップ☆ミ
※主人公を大学の生徒にシフト。
多種多様なクイズ講師(先のクイズ王も含む)、生徒たちを描く。
(メフィストの悪魔を経ない各種具体のクイズ理論に基づく成長)
※舞台はクイズ学園。総合大学。無論、クイズ学部はなく、クイズに浸かった教授たちが複数人在籍し、教養科目や専門科目の中でクイズ寄りの話をする。また、クイズ「学部」はないが、「クイズ学」部に所属しているため、実質はクイズ学部の生徒たち。様々な学際分野・背景を持った生徒たちが集まるカオスの花園。
※主人公は、いまやブームが去り存続危機にあるクイズ研究会(クイズ学部)にひょんなことから入ることに。周囲の大学でクイズ盛んなところはないが、地元にはクイズが強い高校もあり、後々登場する。
※至るところによだれねこグッズ。ぬいぐるみ、キーホルダーなど。(伏線)
ちなみに、はてなの部分が壊れやすいとおもう。
ぽわぽわぽわみー ふわりんこ♪
◇ ◇ ◇
ことばにしなきゃ、つたわらないよ✨
つらいことも、それゃすきなことだってさ、口から外に出してあげなきゃ、わからない。ハッピー♪ハッピー♪ハッピーフィート🐧
だから、いっていいんだよ。つらいって✨
ことばにしても伝わらないよ、ほとんどだよ。
だけど、ことばにしないと、ま~ったく伝わらない。
やっても必ず成功するわけじゃないから、どうせだめだ、それなら最初からやらないほうが賢いなんてさ。
もあべたー。持たざる者は、持たざるが故に、持つものに執着し、持ちうるものを、持ちえない、だっけ?
どんなにちんちんでも、出して、だめなら、なおせばいいんだ。
ことばにしないものを気づけたら嬉しいけどね
たまにね そういう生き物なの✨ニコッ
ふふっ✨
◇ ◇ ◇
大規模クイズ大会。優勝を果たす。
むかでじゃんけん。コドク。
◯第三幕 クイズ魔王エニグマデウス
再び、主人公は第一幕のクイズ王に戻る。
1 新たな危機
師の代わり(尻拭い)に、大学で教鞭を継ぐ。
師となり弟子にまみえ、見えてくるもの。
それぞれ得意な分野がある。素晴らしい。
弟子から教わることもある。喜ばしきことかな。
あれから、七年の年月がたとうとしている。
師匠。私は元気にやってます。
帰ってこないんですか。本当に死んじゃいますよ。
◇ ◇ ◇
新な喪失の危機
いなくなる教え子たち
降りかかる大量の挑戦状!(謎の敵出現)
敵対勢力は、かつての教え子たち。
いったい、なぜ!?
2 危機との対峙、新なシステムの導入
数多のクイズ王が挑み来る。
第2幕の主人公とともに立ち向かう。
始まる悪魔のクイズ。
判定者は公正を司る悪魔。
◯森羅万象データベースの真実
圧倒的知識を誇る両者にクイズを出すのは、森羅万象データベース。悪魔が持ってきた地獄の魔王具のひとつ。
メフィストフェレスが、知識地獄に落ち従えた幾千万の人々の怨念意識と知識の集合体。
現世をさまよい、既知の知識を届ける。
そのため、新しい知識は、まだ決まらない未来はわかりえない。
何でもは知らない。知っていることだけ。(伏線回収)
◯クイズ魔王、新なルール
闇のクイズでは、負けた方は、勝った方の下僕となる。
繰り返される、己の人権をかけたマウントのとりあい。
従える者が多いほど権力を増す。
その、頂点に立つのがクイズ魔王である。
森羅万象データベースの保有知識量と合致する知識の数量、それが「クイズ魔力」として数値化される。
(古典的正解率算出モデルの接触・記憶の部分)
クイズ魔王のクイズ魔力は53000MQ
◯魔の者、悪魔、魔人、魔神
メフィストフェレスしかり悪魔は文字通り悪魔的な能力をさずけることで人間を魅了する。くっくっく、チカラが欲しいか!
悪魔に魅了された者は悪魔沁みた力を持って猛威をふるう。魔の力をもって世界の法則を先取りする。つまり魔の法こと「魔法」を使うことができる。類いまれなる力をもって、己の腹を満たす者となり、悪魔の手先となる。それは悪魔の腹を満たすこととなる。
何者でもなかった自分は死んだ。いや、もともといなかった空気みたいなもんで、空気なんかいてもいなくても変わらない、他にごまんとありふれる存在だ。何者かになんてなれやしない。それならば障気となり、ひとを害する邪悪な存在であるほうがいないよりも自分でいられる。
◇ ◇ ◇
◯エージェント機関 ブレイン
・「探偵(ホームズとワトソン)※この時点でホームズは電子の大海でネットサーフィン中」、「教師(邪悪を憎む塾講師→塾長」、「ハッカーやってるサンタクロースの電波少年」、「ルーンで占うコンサル」、「宗教家(神仏霊媒)」など様々な集団から成る、問題解決のエキスパート。各々、独自の知識体系(流儀)を面々と受け継ぐ。
・悪魔のごとき力「半能力」をもって問題解決をはかるプロフェッショナル。命をかけて鬼と戦い人を守る。悲しい出来事が絶え間なく続いてるこの青い地球(ほし)を舞台に、悪魔の存在を見抜き、未知の災厄に形を与え、独自の武器で魔を祓う。
・進んだ科学というのは魔法と見分けがつかない。悪魔と同じような力を能えるが、悪魔の手先となり能力を得たのではない。
・お前も魔人にならないか。絶対に魔人にはならない。そんな能力に魅力を感じない、我々には既にみえている。いずれ辿り着く遠き未来が。
◯おち◯ちんおじさん
・悩んでいる総てのおちん◯んの前にあらわれる。
・何気ない一言が、解決の糸口となる。
・本当はわかっている、つかみかけているが、それを理解していないだけの状態のものが具現化したもの。
~人類超幸福教編~
悪魔の手先となり、能力をさずける。
声なき声の代弁者。
ぼくは、うちは、俺は、私は、わしは、あたしは、バカだからうまくきもちを伝えられないし、バカだからうまくできっこない。バカだからよくわからない。バカだから。。
だけど、あの人はそんな私をわかってくれた。認めてくれた。
あの人の言う言葉のひとつひとつが私が前からずっと思っていた言葉だ。あの方の言葉はわたしのことばそのもの。うまく言えないこの気持ちを代弁してくれる。あの方とわたしは同じ。何者でもない私たちは、あのお方と同じになることで何者かになるのだ。それは人類。それこそが人類の形、人類超幸福教。
教祖。まじもん。
承認欲求のようなちゃっちい動機でうごいていない。
世界から争いを無くす。そのような運命に生まれたのだと悟り、人々に色を与える。
あなたは神ノ使い。わたしたちのもとへ舞い降りた天使。わたしたちを、世界中の皆を救ってくれる、神ノ御神子。
神童として成長。両親は、神童を御神体に触れ回る。神からの贈り物、ギフテッド。不思議と納得してしまう、そう思ってもよいと思う気を持ってしまう子であった。それは、たしかに人々を救った。人々の喜びは膨らみ拡がり、やがてひとつの集まりとなった。
この日々が続くと思った。大好きな両親、じいや、語りかけてくる仲間たちに囲まれて、みながしあわせになる。穏やかな日々。
「お逃げくだされ!」
「神子をお守りするのだ!世界を変えれるのはその子しかいない!命にかえても!さぁ!」
無力。
国を変えようと、志した。
こんなにも、無力。
道端に、ふと、一冊の本。
それはわたしの人生であった。数千年前に生きた人々であった。同じように繰り返すのか。
同じであったのに、その者たちに、わたしたちのしあわせは踏みにじられた、豊かな者たちの、暴力によって。
天啓であった。
まさに転生し霊魂がのりうったような。からだが軽い。さぁ、人々のもとへ参ろう。
みながひとつになれば、争いなどおきないのだから。
数千年の間に歪んでしまった教義を正そう。
そして、もう二度と悲しい過ちを、繰り返さないように。
◇ ◇ ◇
・時代が変わり、現在。
・各地で事件。悪魔的事案。
・(モデル:天草四郎)の復活。
・人の魂は、死んだら戻って来れるが、殺されたのならば、魂は破壊されてしまうので現世へ呼び戻されることはない。いくらメフィストフェレスの悪魔といえども、曲げることのできぬ理。それなのに、復活した。残留思念や共同幻想による神霊化でもない。ありえない。
・だから、奇跡なんだよ。
・(モデル:天草四郎)は、再び奇跡を起こしたのか?
◇ ◇ ◇
わたしのやっていることは、君たちがやっていることと何が違うのだね?
なぜ世界に抗う?世界は友達だ、ひとつになろう。
幾千年、人類、この地球にすまう者たちの本質と、やってきたことと、何が違うというのか?
違うよ。
一隅を照らす。
あなたがやっていることは、違う。
力を望む弱きものに、力を与えているのではない。
弱っているものに、重りを背負わせる。
それは、与えているのではない、「支配」だ。
一人じゃいられないんだ。自分と同じ境遇で、だけど自分を決して越えることのない、たくさんの自分の醜いところをうみだして、忌み嫌い、蔑み、無価値と嘲笑う。
否ッ!わたしは、汚い害虫に望んだものを手に入れる羽と牙を与えたのだ。今までどんなに手を伸ばしても、背伸びをしても届かなかったものを、自分の力で掴み取る。消え行く自分に存在価値が生まれたのだ。感謝すべきだ、当然の理だ!!
掴み取るではない、掴み盗るだよ、それは。
なぜ、奪う。なぜ、忘れる。
弱いから。欲しいものがあれば、自らを磨くのではなく、魅力的なものから取り立て手に入れる。
乏し、貶め、辱しめ、自分の手の届く位置まで落としめ、貸しを与え、支配する。
それを見て、あぁ、人間はやはり糞だなと確かめる。いつか自分の期待を裏切るものが出ないかと期待し、だけれども裏切りは許さない。認めない。
わたしがやはり必要なのだと、慰める。
負の信念の正のバイアス強化、自己擁護のための犠牲と悲劇。
本当は、自分と同じ境遇に引き込むのではなく、境遇から解き放つこともできた。君程に生まれもったちからがあるのなら。
黙れッ!人間の本質は獣だ!そうでしかない!
そうでないならば、なぜ、なぜに私の居場所は焼かれた!なぜ、わたしが愛する罪のない優しい人々が!なぜ、乏し、貶め、辱しめ、奪われたんだ?なぜ、繰り返す!同じであったのに、その者たちに、わたしたちのしあわせは踏みにじられた、豊かな者たちの、暴力によって!
背負うよ。君の業も。
わからないけど、わかるよ。
今度は、繰り返させない。
だから、力を貸して。みんな。
(輪郭の像がゆらめく。)
一緒に頑張るから。
◇ ◇ ◇
・激戦、なかなか正体が掴めない。苦戦。
・その裏で、別動隊。
(謎解明フェイズ)
・燃える街、焼かれ崩れた城、討ち果てた人々。
・槍玉に挙がる生首を見てしまう。
・あぁ!あああッ!(定まらない焦点に、揺れる画面)
・わたしの、わたしの愛する、天使様!!認めない、認めない、こんなのッ!!こんな世界!!
◇ ◇ ◇
(解決フェイズ)
・彼は、(モデル:天草四郎)本人じゃない。(モデル:天草)は◯◯何年の◯◯で、討ち取られた。
・となると、神霊か?
・半分正解で、半分外れだ。
・だからな、本当に奇跡を起こすんだよ!
・だけと、坊主の憑依は使えない。魂がないのだ、どうする?
・身体が無くなろうと、想いは不滅だ。その魂は、受け継がれる。人間、捨てたもんじゃないって所を見せてやろうぜ!
(最後、奇跡。壊れたはずの、魂が。そこに。)
~クイズ魔王城編~
クイズ四天王
洗脳まがいの仙力で立ち向かう。
かつて教え子から学んだ教えを思い出ボムに。
やさしかりしあの頃へ
正気を取り戻す、教え子たち。
先生!!目には溢れんばかりの涙。
教え子たちを取り戻す。
しかし!!
クイズ魔王は強い、強すぎる。撤退。
かつての愛弟子よどうして?自分と一番近い弟よ。
11 立て直し、新たな修行、新たな力
絶望。あんな反則的なのに勝てやしない、、
絶望。あきらめ。
ある者に至っては白髪化し半廃人化。
そこに!なんと!失踪したはずの老師が!
敵の正体の判明
→力を蓄えたメフィストフェレス
老師もかつて、メフィストフェレスに魂を奪われていた。
かのクイズ王、クイズ王と強大な魂を吸い上げ、力をつけた知識の根源たる悪魔は、最強の影響力を奮う。
消えた七年の間に、次なるクイズ王を産み出し続けていた。
(強大なクイズ王が生まれる仕組みが明らかに!)
老師は抗う術を、秘術を会得。老師が語るクイズの本質とは。
※体重0.1トンを超えてた巨躯は、SUBWAYとヘパリーゼのおかげでスマートボディーに変身。すごいね☆老師✨
秘術。不知而知覚、知覚而不知。
知らない、けど、知っているもの。
現在進行形の知を探り生み出すダイナミックな業。
総てが既知であるクイズ魔王に対抗できる、未知の領域展開。
12 再び、強敵との対峙
最強のクイズ王どうしでは、知識量では延々と決着がつかない。
優劣が決まるはずの早押しクイズであっても、クイズ「あ」状態。早押しクイズ勝負ではなく、早押し勝負。優劣が決まるはずの多答クイズであっても、集中力や体力勝負状態。知らないことなどないため、知識量の勝負とはならず、勝ち負けは誤差の範囲である。そんな勝敗に意味などあろうか?
勝負の決着というのは、負けたと思った方が負けである。自分が、そして互いに、早押し勝負で争っても、知識の量勝負で争っても納得しない。負けだとも思わないし、勝ちだとも思わない。
そして、勝負は互いへの問答へとうつる。
繰り返す問答。コミュニケーション。
思い出ボムのぶつけあい。
相手をおもう。誰もわかってくれなかった。
クイズを出したかった。
答えを、正解を言ってくれる誰かを求めていた。
正解だと、応えた誰かに叫びたかった。
きみはここにいて、僕もここにいるよと、
叫びたかった。今まで長い間、これからも?
「・・・っ正解!」
──邪な感情抗う。認めたくない。
( 正解だ。)
──心の声が聞こえる。認めてほしい。
「正解だっ!!」
──自分は、どうしたい?
──どうしたい?
─
「正解です、先生。」
(『ことばにしなきゃ、つたわらないよ✨』)【思い出ボム】
下にそむけていた顔を向きなおす。
「ッッッウ!!正解です!先生ッ!!」
熱い涙が灼けた頬を伝う。留めていた感情は堰をきって溢れ出す。
全身全霊をこめて、鎖をふりはらうように、顔の筋肉を表情筋が収縮し、上半身がゆれ、首も頭も形振りかまわず揺れる。あつくなり、熱いものがこみあげる。
「先生!僕は、僕はッ!!」
孤独なクイズ王は、遊び相手をやっとみつけた。
それは、最愛の恩師であり、かつて憧れた自分であった。
◇ ◇ ◇
孤独なクイズ王は、遊び相手をやっとみつけた。
それは、最愛の弟子であり、かつての自分であった。
弟子もまた、孤独であった。史上最強のクイズ王は、幾ばくの時を経て、ここに合いまみえ、つながった。
既知の世界から未知の世界へと
高め合う
お互いの拳で殴りあう
ともに
まだ見ぬ、遠い未来まで
◼️パート4 喪失からの復活・回帰、教訓、フィナーレ、原点への回帰
1 フィナーレ
この世の約束を知り、世界の懐の深さを知った。
かつて人々と対峙していた、大きすぎて向き合うことが出来なかったクイズ王は、人々と同じ方向を見つめる、人々と並び歩みをすすめる知の巨人となった。
クイズ王は、他人からクイズ王だと言われて初めて、そう言える節がある。
クイズ王は、世界が認めるクイズ王となった。
◇ ◇ ◇
2 原点、日常
むにゃ。
(ブラウン管テレビに流れるクイズ番組)
みたことがある。
(冒頭の憧れのクイズ王の描写、自分がクイズ王になる前の描写をリフレイン。読手は主人公の回想シーンで出てきたルサンチマンにあふれた(負)、また、クイズ王に憧れた(正)主人公の原点に場面が移ったことに気がつく。)
(かつて憧れ、師事したクイズ王が映る。)
(まだ、混乱し頭が働かず、ぼーっとながめる。)
(学生暮らしの狭い少し暗い部屋で、ブラウン管の光線が主人公の顔を照らす。色々な色が切り替わる。)
(テレビには、かつて師に出され怒り、戸惑った、あの不条理クイズ問題が流れている。)
あの不条理だと感じた問答は、実は現実だったのか?
まだ、現実か夢か、わからない。
画面では若かりし師匠が答え、間違え、怒っている。
不意に、
痛み。
鋭いものが刺さった。
(*´ー`*)ボロッ
よだれねこグッズ。
はてなの部分が折れて刺さったみたい。
(=割れたメフィストフェレスの象徴)
STマークついてないんかい。消費者庁案件だなとぼやく。
(そっと元に戻す。)
よし!治った!(*´ー`*)?キュピーン
◇ ◇ ◇
そうか。夢か。
戻ってきたのか。
(まとめの独白)
見方を変えれば、この世はクイズであふれている。
さぁ。世界で、世界と、遊ぼう。
(終)
澤木恭介・著『クイズ研究のすすめ』収録「世界のクイズ王」より
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