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薬と健康の週間 vol.4

ごきげんよう、薬剤師のぐみちゃんです。
薬を使用するうえで避けて通れないのが副作用。
副作用が出るかでないかは別として、気になりますよね。
薬と健康の週間4日目は、副作用についてお伝えします。

そもそも副作用とは?

薬の作用は、投与の目的である有益な作用であるかどうかによって、主作用と副作用に分類できる。
(広義の副作用)
・主作用以外の薬理作用
・本来の目的とは異なる副次的な有益な作用(福作用)を含むこともある
(狭義の副作用)
・薬物有害反応
・広義の副作用のうち、患者にとって望ましくない作用で、薬との関連を否定できないもの
・臨床的に”副作用”と言われるのはこの副作用である

薬がみえるvol.4
発行:メディックメディア

恐らく副作用と聞いてイメージされるのは患者にとって望ましくない、有害反応と認識されると思います。
広義には薬の服用によっておこる、疾病治療のための主たる薬理作用以外の作用も含むので、例外的に患者さんにとって有益であることがあります。

副作用の種類と具体例

例)糖尿病治療薬の副作用①
血糖値改善目的で服用した結果、血糖値が下がったが、血糖値が下がりすぎて低血糖を1度経験した。
正しく薬を使っていても、何らかの理由で薬の効果が強く出すぎてしまうことがある。血糖値改善という目的も果たされたが、さがりすぎは有害な反応となる。

例)糖尿病治療薬の副作用②
血糖値改善目的で服用した結果、肝機能が悪化した。
薬理作用とは関係のない機序で起こる副作用もある。
アレルギーも薬理作用とは関係なく起きる有害反応の一つである。

例)糖尿病治療薬の副作用③
血糖値改善目的で服用した結果、血糖値が下がり体重も減少した。
糖尿病は生活習慣病であり、多くの糖尿病患者は体重を落とす必要があるので、”体重減少”という副作用は患者にとって有益となる。

副作用の対策

副作用と言ってもさまざまあり、副作用の種類によっても注意の仕方が異なります。
事前に推測されるものであって薬理作用と関係するものであれば、服用上の注意事項や起きた時の対処方法をお伝えすることで服用していただくことが可能となります。
アレルギーなどは推測ができないケースが多いのですが、体質やアレルギーを確認することで過去に体験したものについては回避することができます。
また疾患によっては必発する有害な副作用があったとしても、治療上の有益性を考慮して医薬品が使用される場合もあります。そのケースではあらかじめ可能な限り副作用を最小限に抑える副作用対策を講じて備えることができます。

副作用は確かに怖いものであるかもしれませんが、正しい知識を身につけ、正しく使用し、気になることがあった場合には自己判断せずに医師や薬剤師に相談することで対処することができたり、重篤化を防ぐことができます。

そしてもし万が一、医薬品によって副作用が発現した場合には次の制度を活用できるかもしれません。

医薬品副作用被害救済制度

医薬品副作用被害救済制度とは何ですか?
医薬品は正しく使っていても、副作用の発生を防げない場合があります。そこで、医薬品を適正に使用したにもかかわらず、その副作用により入院治療が必要になるほど重篤な健康被害が生じた場合に、医療費や年金などの給付を行う公的な制度です。

独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
https://www.pmda.go.jp/kenkouhigai_camp/index.html

残念ながら医薬品には副作用がつきものです。不幸にも正しく使っていても副作用が出てしまうことがあります。薬の副作用によって一定以上の重篤な健康被害が起きた場合には、この制度による救済措置を受けることができます。

で、この制度を受けるのに重要なことが、「正しく使う」ことなのです。
「正しく」です。
「正しく」に該当しない行為として、

  • 他人からもらった薬を使った

  • 家族に処方された薬を使った

  • もらってから時間が経った、家に余っていた薬を自己判断で使った

  • 用法・用量を守らずに使った

があげられます。

vol.1で紹介したあるご婦人方の会話、覚えてらっしゃいますか?
医薬品を他人に譲る行為によって服用した人が思わぬ健康被害を発生することがありますので、これは絶対にやめていただきたいことです。
そして万が一にもその方に健康被害が発生した場合、医薬品副作用被害救済制度は受けることができないのです。
良かれと思った親切心が、誰かの健康を脅かすかもしれない。
日常にあふれていて人によっては医薬品にそれほどの危険性を感じていないかもしれませんが、医薬品が医薬品である以上、何が起こるかはわかりません。たとえビタミン剤、でもそれが医薬品と指定されているのには理由があるのです。

副作用の観点からも、医薬品は正しく使いましょう。

質問にお答えします。

質問
余った薬の処分はどうしたらいいですか?

答え
一概に「こうしてください」という答えがないのが実情です。
一番いいのはもらった時に確認しておくのがいいと考えます。

と言うと、答えになっていないので(^-^;

薬剤師・ぐみちゃんがこういう質問をもらった時にどう考えて答えているかをお伝えします。

医薬品自体の期限からの回答
医薬品にも使用期限が定められています。
医薬品の使用期限は①医薬品成分の含有量の低下②医薬品成分・添加剤の変質という観点から定められていますので、医薬品によって使用期限が異なります。
さらに、医薬品の流通過程においては医薬品毎に定められた保管状況に従って厳重に管理されているので、基本的には定められた使用期限まで使用可能と判断できます。しかし患者さんの手元に渡った後は保管状況が異なるため、使用期限まで使用可能ですと言いきれない場合があります。
このことから、患者さんにお渡しする時点で使用期限が1年以上ある場合には、ぐみちゃんの個人的な見解としては患者さんの手元に渡ってから使用できるのは1年までと判断しています。患者さんには、1年を経過した物は使用せずに廃棄してください、とお伝えしています。
もちろんお渡し時に使用期限が1年未満の場合には、医薬品自体の使用期限をお伝えしています。使用期限の長いのに交換してほしいというお声も時々あるのですが、残念ながら医薬品の種類によってはそもそもの使用期限が短く、薬局の裁量で長いものをご用意するのができないことがあります。
保管状況からの補足
医薬品毎に定められた保管状況を守らずに保管された場合には即刻廃棄してください。
特別の指定がない医薬品は、高温多湿と直射日光を避けて保管してください。
冷所保管と定められている医薬品については冷蔵庫に保管となりますが、万が一凍結した場合には使用せずに廃棄してください。

疾患からの回答
①慢性疾患の場合
例えば狭心症の発作時に使う”ニトロ”と言われる医薬品。
狭心症という一過性の病気でない場合、頓服と言って胸が痛くなる発作時にのみ使用する医薬品が処方される場合があります。
こういうケースでは医薬品の医薬品の有効性・安全性が保障されている使用期限内であれば使用していただいて構いません。
但しニトロ自体は揮発性が高いために使用期限自体が短いので、使用期限が違づいてたら早めに新しいニトロを処方してもらい、古いニトロを処分することをお勧めしています。
②急性疾患の場合
例えば風邪などでもらった薬。
風邪などは一過性の病気で、次に同じような症状が出たとしても原因が違っている可能性があります。そんな時に残った薬を自己判断で服用した場合に一旦は症状がよくなったように見えて、実は原因が違っていたために病気が進行し悪化してしまうケースが中にはあります。
ですので、風邪など一過性の病気でもらった薬は症状がよくなったと思っても処方された日数は飲み切り、余りを出さないようにましょう。
但し、医師からよくなったら中止していいと指示をもらっている場合を除きます。もしそれで残った薬がでた場合には、月をまたいでの保管はお勧めしません。
特に注意していただきたいのは抗生物質。抗生物質は自己判断での服用により耐性菌という抗生物質が利かなくなる細菌が出現するリスクがあるので、指示された期間は、たとえ途中で良くなったように思えても、飲み切りましょう。そして抗生物質は、余っていたとしても絶対に自己判断で服用してはいけません。

副作用からの回答
先にご紹介した医薬品副作用救済制度ですが、余った薬を自己判断で服用して健康被害が起きた場合には、対象とはなりません。
その観点からも余った薬を長期保管して自己判断で服用するということは避けていただきたいと思います。

以上、お答えになっていましたでしょうか?
わかりにくいよ、もっと詳しく教えて~という場合にはぐみちゃんまでご連絡ください。

こころがほぐれるカフェの副作用は、福作用?!

過去のここほぐセット解説で副作用に触れたことがありますが、こころがほぐれるカフェの副作用は、作用であるとぐだミーは考えています。

一過性にはその変化が受け入れがたかったり、苦しかったりして福作用とは思えないかもしれませんが、長い人生の中ではきっと福作用になると思います。

例えば、転職・休職・退職。
ま~人によると思いますが、ネガティブに取られること、多いですよね。
かく言う私も薬剤師という職種はほぼ一貫していますが、転職を繰り返しています。正社員として勤めてきたのはこれまで6社。
大学院の時の指導医からは何社目かの転職の時に「また転職したの。1か所で極めなよ。」的な事を言われことがあります。
親からは「今の会社は勤め上げてよね。」と言われています。
「転職したの!素晴らしいね!」とほめられたことは、当然ありません。

でも思うのです。
何かから逃げるように転職を繰り返しているとか、
(それも自分を守るために必要ならいいと思うんだけれどな~)
何の目的もなく転職を繰り返しているとか、
そういうステージから、本当にやりたいことが見つかり、それを実現するための転職だったとしたら、それは副作用じゃなくて福作用だと思いませんか?

本当の自分の望みなら、
転職も
休職も
退職も
あなたにとってとっても有益な事!

こころがほぐれるカフェに参加するとなぜそんなことが起こるのか?
他にはどんな福作用があるのか?
気になる方はぜひ一度、こころがほぐれるカフェに足をお運びくださいませ♡

2022年のこころがほぐれるカフェ開催予定

【第8回】
11月5日(土)13:30~16:30
志学書店様セミナールーム(千葉市)

【第9回】
12月3日(土)13:00~16:00
リキハウス(東京・世田谷)

こころがほぐれるカフェやぐだミーについて詳しく知りたい方へ

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