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トレーニングを考える時

ウエイトトレーニングは取り入れた方がいい、ペース走はこのくらいの強度がいい、インターバル走はどのくらいの頻度がいい。

どんな運動刺激が体力や筋力の向上を促すのか、スポーツの科学が進むことで色んな情報が手に入るようになりました。これらのデータを参考にしてトレーニングを組むことは有効なことだと思います。

しかし似たような走力でも、個人の抱える問題、状況は異なるため、同じ練習をしても効果は同じようには現れません。

同じ練習をして伸びる選手、伸び悩む選手がいる場合、一般的に前者が才能がある、努力をしていると思われることは多いかもしれんが、実際にそのような場合もあります、しかし内情はもっと複雑です。

トレーニングを組む時、基本的に以下のの3つの面を考慮する必要があります。

そして3つの要素の調和が大事だと思います。

身体面
生理的面
精神面

例えば身体面も精神面もタフで多くの練習量に耐えれる選手がいます。しかしハードな練習に耐えれるがゆえに発生する、目に見えない部分、生理的な面(体内の状態)に問題があります。

目に見えた形で問題がすぐに発生するわけではなく、気づいた時には大きな問題になっている時もあります。貧血や慢性疲労などが一般的な例です。

故障や疲労によるバランスの崩れにより故障を繰り返すケースもあります。ジョグしかしていないのになぜかすぐに故障をしてしまうなどの、もどかしい経験をする選手もいると思います。精神的な部分で練習への意欲がある場合、なおさらこういった問題には苦しい思いをするのではないでしょうか。


また身体面ではもっと練習に耐えれるはずだけど、気持ちがまだ追いついておらず手を抜いたり、サボったりする場合です。この場合は上手に導かないと辞めてしまう、または短期では良い結果が出ても長期で続かない、どこかで燃え尽きに繋がったりすると思います。

逆に意欲が高すぎて身体が練習に追いつかずに体調を崩したり、故障がちになったりするケースもあります。これら二つはジュニア選手に特に目がつくように感じます。

伸ばすために厳しい練習を課すことが故障や燃え尽きにつながるケースがあります。しかしだからと言って単純に伸び代を残すために「厳しい練習はしなくていい、気ままに走っていればいい」というわけにはいきません。というのもチャレンジすること、自身の進歩を実感することで楽しさを実感でき、また精神的に成長し、意欲も増していくと思います。そしてスポーツとして、正しく競走することを学ぶことも教えなくてはいけません。

意欲はあるけど、生活のスケジュールの組み方が悪く練習に出れないことが発生することも考えられます。


個人を取り巻く状況はそれぞれで、何を第一に考えてトレーニングを組まないといけないかは常に変動します。一つのトレーニングパターンや過去にうまくいった例の練習に信念を持ちすぎると上手く働かないことが起きるのは考慮する面はトレーニングの理論以外にも多くの要素が絡んでくるからではないでしょうか。

どのように相手を理解していくのか、これが指導をする上で一番学ばなければいけない部分ではないかと思います。

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原口孝徳
日常からの学び、ランニング情報を伝えていきたいと思います。次の活動を広げるためにいいなと思った方サポートいただけるとありがたいです。。