見出し画像

16タイプそれぞれに合った勉強法まとめ

人にはさまざまなタイプがあります(16タイプ分類まとめ)。得意分野も苦手分野もそれぞれ違います。なのに、十把一絡げにみんな同じ勉強法でいいのか?
そう思い、検証してみました。

●外向的感覚(Se)の2タイプ――ESFPとESTP
どういう生徒かというと、明るくて、目立って、よく喋る人たちです。
座学の時間より、体育の授業や学校行事、イベントのときのほうが生き生きとしています。
主機能が外向的感覚(Se)なので、ジッとしているのがとにかく嫌いです。リアクションが取れないのも、リアクションが返ってこないのも嫌い。とにかく身体を動かして、受け取るさまざまな刺激をみんなと共有したいのです。内向的感覚(Si)タイプとは違い、一日中机にかじりついている、なんてことはできません。
劣等機能は内向的直観(Ni)。つまり、抽象的で、根拠のないものが苦手です。彼らに向かって「将来の自分をイメージしなさい」「想像力を働かせなさい」などとネチネチ言い続けてはいけません。どうしても「悪い予感」ばかりを連想してしまいます。むしろ、普段から努めて考えないようにしているくらいなのです。
座学、という授業スタイルは、彼らに合っていないかもしれません。なぜなら、彼らが能動的に学ぼうとしても、「喋るな。席を立つな」と言われてしまう。つまり、彼らが最も得意とする能力を、勉強に活かすな、と禁止されてしまうわけですから、もしそんなことをされたらほかのどんなタイプだって勉強がイヤになってしまいます。
このタイプに共通する大きな特徴はなんといっても「アクティブさ」です。能動性が彼らの最大の武器です。なので、一方的に情報が与えられるだけの授業スタイルは、彼らにとって苦痛でしかないはずです。
以上のことからえてして誤解されがちですが、彼らが勉強ができないのかといえば決してそんなことはなく、社会に出て「能動性」という評価軸が出現したとたん、それまで不当に低く評価されていた彼らの能力が真価を発揮して、急成長を遂げることになると思います。飲食店の店長も営業職もコンサルタントも起業して社長になるのも、彼らのバイタリティーにかなうタイプはほかに存在しません。だからこそ、学生時代に不遇な時期を過ごさせてしまうのはもったいない気がしますね……。
このタイプに有効な勉強法は、やはり身体を動かしたり、自由な発言を取り入れるスタイルです。席を立ち、積極的に授業に関与できること、「わかった!」「わからない!」といった、具体的なリアクションをみんなと共有できること、そういう環境でなら、メキメキ成績が伸びるはずです。あるいは「年下の子に教える」役割を与えるのも、ひとつの手かもしれません。近年注目されている「アクティブラーニング」という勉強法も、彼らにとって救済措置になり得るかもしれませんね。
外向的感覚(Se)という、当たり前すぎて逆にわかりづらい特徴ですが、その元気の良さ、活発さ、寛容さ、人間観察力などを褒めてあげるといいかと思います。

●外向的直観(Ne)の2タイプ――ENFPとENTP
どういう生徒かと言うと、明るくて、よく喋る……という点は外向的感覚(Se)タイプとよく似ているのですが、必ずしも体育の授業が好きではなく、どちらかと言えばゲームやディスカッションや映像作品鑑賞など、頭を使うイベントのほうが好きかもしれません。
このタイプに共通する大きな特徴は、「飽きっぽい」ところです。
主機能が外向的直観(Ne)なので、なんでもかんでも興味を持って、すぐさま要点を捉え、誰よりも早く得意になったり上達したりするのですが、劣等機能が内向的感覚(Si)なので、長続きしません。地道にコツコツ継続して自分のものにする、という作業は苦手です。よって、ようやくほかのみんなが追いついてきた頃にはすでに飽きていて、それ以上はどうにも手がつけられず、そのうち追い抜かされてしまう、といった事態がままあると思います。
しかし、それは決して彼らの短所ではなく、特徴なのです。瞬間的に熱中・集中しては興味を失う、を何度も繰り返しながら、前に進んでいくタイプなのです。
彼らがすでに興味を失ったものを、ムリに押し付けてはいけません。ますます嫌いになるだけです。
「きちんと最後までやり遂げる」ことを強要してはいけません。努力が必要なことは彼らも充分理解しています。しかしそれは、一生をかけて成すべきことなのです。
このタイプに有効な勉強法は、興味が転々と移ろうことのできるバリエーションの幅を、ある程度確保しておくことだと思います。彼らには選択肢が必要なのです。「今興味があること」についての勉強なら、他の追随を許さない上達を見せると思います。
また宿題に関しても、○○についていついつまでに、と細かく指定するよりも、自分が今興味があることを自由にレポート形式にまとめてもらうほうが、彼らにとっても利益になるのではないかと思います。
基本的に暴走機関車なので、システムで制御しようと思うと大変な目に遭います。
垣根を無視して縦横無尽に知の世界を渡り歩けることが彼らの長所なので、その自由な発想や、行動の柔軟さを褒めてあげるといいかと思います。

●外向的思考(Te)の2タイプ――ESTJとENTJ
どういう生徒かというと、存在感や周囲への影響力が強く、いつも取り巻きの中心にいるように見えるタイプです。
このタイプに共通する大きな特徴は、「ずば抜けた成長スピード」です。
主機能が外向的思考(Te)のため、えてして早熟であり、同年代のクラスメイトの話題や、いかにも初心者向けといった授業内容に「幼稚っぽい」と感じ、退屈してしまっているかもしれません。その退屈に気づかず、周囲と歩調を合わせることを強要し続けると、どんどん鬱屈が溜まってしまいます。彼らには、むしろ周囲を引っ張っていく役割を担ってもらうべきなのです。
その反面、劣等機能が内向的感情(Fi)なので、「自分の本当の気持ち」には無頓着です。彼らに向かって、「自分が本当にやりたいことはなんなのか」「本当にその道に進みたいのか」などといった抽象的で感情的な問いをしつこく繰り返してはいけません。せっかくの実行力が削がれ、動けなくなってしまいます。
このタイプに有効な勉強法は、まさに、競争です。果敢にチャレンジをし、目に見える結果が返ってくるやり方が最適です。
「受験戦争」とは、彼らのためにあるような言葉です。
計画を立て、実行し、その結果、順位という明快な報酬が与えられる。それにより、また新たなチャレンジへの動機が生まれたり、どういう戦略が有効か試したりする。そういうのが得意な彼らに、やれ競争させるのは良くない、順位を付けるのは良くない、学歴社会はダメだ、などとグチグチ言うのはナンセンスです。彼らに社会で活躍してもらうためにも、受験というのはなくてはならないシステムなのです。
穿った見方をせず、目に見える結果や成果を出せたこと、あるいはそれを実現させた戦略性や計画性などを褒めてあげるといいと思います。

●外向的感情(Fe)の2タイプ――ESFJとENFJ
どういう生徒かというと、自ら進んで人と関わり、そのせいで周囲から頼られるので、部長や役員、班や係などで、なんらかのまとめ役を任されていることが多いかと思います。
外向的感覚(Se)タイプや外向的直観(Ne)タイプがなかなか言うことを聞かない問題児だとすると、彼らはちゃんと言うことを聞いてくれる優等生です。先生にしても、雑用や伝言など、ついつい頼ってしまうことがあるかもしれません。まさに学校システムの寵児です。
このタイプに共通する大きな特徴は、「面倒見の良さ」でしょうか。
主機能が外向的感情(Fe)なので共感能力が高く、クラス全体が良い雰囲気のときはそれに共鳴して無類の集中力を発揮できます。一体感を好むので、ある程度の人数で一緒に受ける授業形態は、彼らには合っているわけですね。
反面、劣等機能が内向的思考(Ti)なので、細かく分析したり判断の正否を追及したりするのは苦手です。彼らに、明確な答えや態度をはっきりと示さないまま、「自分の頭で考えろ」とか、「ソースを出せ」などと言い続けてはいけません。深く落ち込んで、負のスパイラルに突入してしまいます。
このタイプに有効な勉強法は、とくにありません。というか、現状のシステム通りで問題ないと思います。ある意味、学校という一つの大きなイベントに、みんなで参加して、みんなで一緒に成長していく、というやり方が、彼らの機能にちょうどマッチしていると思います。どこかに一人きりで閉じこもって勉強するより、よっぽど彼らにとってはふさわしい勉強法なのです。
彼らを無闇に批判してはいけません。その思いやりや周囲への気遣い、優しさなどを褒めてあげるといいかと思います。

●内向的感覚(Si)の2タイプ――ISTJとISFJ
どういう生徒かというと、クールで落ち着いた印象を与えます。堅実で誠実な感じも与えます。外向的感情(Fe)タイプ、外向的思考(Te)タイプと並んで、ちゃんと真面目に授業を聞いてくれる人たちです。
このタイプに共通する大きな特徴は、「バツグンの安定感」でしょうか。成績を見ても、上下動の少ない、常に一定の水準と一定の成長率をキープし続けていく感じかと思います。安定していて、危なげがありません。先生からすれば安心できる存在です。
主機能が内向的感覚(Si)なので、細かい作業や丁寧な作業、そしてそれを継続させることが得意です。また、たとえ途中で壁にぶつかっても、じっと耐え、克服して乗り越える地力が備わっています。
反面、劣等機能が外向的直観(Ne)なので、物事の背後関係や見えない関連性を瞬間的に察知するのは苦手です。
彼らに向かって、ことあるごとに「大きな夢を持つほうがいい」だの「大胆な発想や気づきこそ大事だ」だのと言ってはいけません。モチベーションの低下を招きます。学校システムにおいて、もし彼らがいなければ、クラスも授業も成立しないでしょう。彼らが真面目に取り組んでくれるから、ほかのタイプもそれに倣って「自分もやらなきゃ」と取り組んでくれるのです。
このタイプに有効な勉強法は、奇を衒わずに、毎日決められた分量を着実にこなしていくことだと思います。派手さはありませんが、継続は力なり、周囲が飽きたり気が変わったりやる気がなくなったりする中、淡々と継続することによって最終的に勝ちを得ることができるのです。
コツコツ取り組む努力家な面や、日々の積み重ねを大切にする姿勢などを褒めてあげるといいと思います。

●内向的直観(Ni)の2タイプ――INTJとINFJ
どういう生徒かというと、ぼんやりしていることが多くて目立たない印象です。入学早々いなくなってしまうことも多いようです。また、成績が上がったり下がったり上下動が激しい、といった特徴があるかもしれません。
このタイプに共通する大きな特徴は、「ぼんやりからの閃き」でしょうか。外向的直観(Ne)ほどわかりやすくはありませんが、彼らもまた、飽きっぽいところがあります。なんらかの集中と散漫のサイクルを繰り返しています。
主機能が内向的直観(Ni)なので、現実には表出していない全体像の把握や、独自の世界観の構築が得意です。内向的感覚(Si)タイプが細部から徐々に全体へ、という方向なのに対してこのタイプは全体から徐々に細部へ、の方向になります。反面、劣等機能が外向的感覚(Se)なので、グループディスカッションや学校行事、イベントなどは苦手です。
このタイプに有効な勉強法は、全体地図を示唆する方法です。パズルでいうと、まず「フチ」を作ってから、その中身を埋めていくイメージでしょうか。始めから順序通りに、一歩一歩細かく教えても、なかなか上達しません。それよりも、数学が実生活でどんな役に立っているのか、その歴史が現代にどう影響を及ぼしているのか、その物理法則はどのように発見されたのか、など、因果関係や背後関係を示唆してあげると、あとは自然と興味を持って、その細部へ進んでいけると思います。
彼らに向かって、間違っても「試験に関係ないところは勉強するな」などと言ってはいけません。世界観が破壊され、一気に冷めてしまいます。
物事の繋がりを、ちゃんと理解し把握できていることなどを褒めてあげるといいかと思います。

●内向的思考(Ti)の2タイプ――ISTPとINTP
どういう生徒かというと、周囲の雰囲気に流されない、一種独特な印象を与える人たちです。与えられたものを鵜呑みにせず、なんでも自分の頭で考え、間違っているものははっきりとそう指摘します。成績は、得意分野と苦手分野がはっきり分かれているかもしれません。
このタイプに共通する大きな特徴は、「熟慮・熟考」でしょう。
主機能が内向的思考(Ti)なので、物事の正確な把握や精緻な検証が得意です。もっぱら、「ソースが気になる」のは彼らです。反面、劣等機能が外向的感情(Fe)なので、むやみやたらと調和を唱えられたり足並みを揃えさせられる環境は苦手です。
彼らに、「みんながやってるんだから」という理由で、同じことをさせようとしてはいけません。また「細かい部分をいちいち指摘するな」などと言ってはいけません。もってのほかです。それは彼らにとって「考えるな、勉強するな」と言われるのと同義です。一気にやる気をなくしてしまいます。
このタイプに有効な勉強法は、間違い探しや、粗探し法でしょうか。単に知識を増やすより、その知識を使って検証できるスタイルのほうが彼らには合っていると思います。また、内向的感覚(Si)のように「毎日決まった分量を正確にこなす」方法よりはむしろ、自分が納得するまで吟味することの出来る時間的な自由度を設定する方法がいいかもしれません。
いっぷう変わった発想や、独自に編み出された解法や考え方、それらのオリジナリティを褒めてあげるといいと思います。

●内向的感情(Fi)の2タイプ――ISFPとINFP
どういう生徒かというと、ぼんやりしていることが多くて目立たない……のは内向的直観(Ni)と同じですが、かといって孤立しているわけではなく、うまく周囲に馴染んでいる、そんな印象です。
このタイプに共通する大きな特徴は、「親しみやすく、掴み所がない」といった所でしょうか。
主機能が内向的感情(Fi)なので、あらゆる主観的判断が得意です。理屈(T)でも言葉(S)でも全体像(N)でもなく、客体から受ける印象や、自分との適合性でまず判断します。彼らに合わないものをいくら押し付けても、まさにのれんに腕押しです。
とはいえ、今までまったく合わなかったものがある出来事を境に急に合うようになることもあるそうです。「勉強したら、こんなにいいことがあった」「こんな役に立った」「年下の子に教えてあげたらわかりやすかったと感謝された」。そういう体験を経ると、一気に火がつくタイプなのかもしれません。
反面、劣等機能が外向的思考(Te)なので、ズバリ、競争させられるのが苦手です。外向的思考(Te)タイプとは反対に、「受験戦争」という言葉が最も合わない人たちです。彼らに向かって「クラスメイトは全員敵だ!」なんて言ってはいけません。尻込みしてしまいます。また、競争に勝てないことを責め続けると、鬱屈が溜まって不健全なループに突入してしまいます。
このタイプに有効な勉強法は、マイペースを尊重することです。あくまで強制せず、彼らの自主性に任せ、勉強の必要性を説くよりは、よいイメージ作り、よい雰囲気作りに徹したほうが効果的です。外堀を埋めていくのです。スケジュールでコントロールしようなどとは、考えないほうがいいでしょう。
その自主性やセンスの良さ、やる気になったときの調子の良さなどを褒めてあげるといいかと思います。

●まとめ
ある褒め方が別のタイプにまったく通用しなかったり、やはり十把一絡げに扱うやり方では、あまりうまくいかないように感じます。タイプの違いがあることを把握して、たとえばある一つのやり方に対し、ぜんぜんピンと来てない生徒たちが必ず一定数いることを認識しておくことも、大事だと思います。

いいなと思ったら応援しよう!