シンデレラボーイに香る昭和フォークの世界観
Saucy dogのシンデレラボーイにハマっている。
昨年の春から夏にかけて、家族で車に乗るたびに娘がかけていた時ので、以前から知っている曲なのだが、年末にMVを観て、その良さにビックリして、ことあるごとに観ている。
このMV、普通にMVの中でセリフ付きの漫画が流れていくんですが、まずそれにビックリした。いや、こう言う作りのMVは他にもあるのかもしれないけど、このMVのストーリーと歌の歌詞で歌われるストーリーがいい具合に混ざり合って、歌の世界観をより深いものにしてるなあ、と。
このMV、モノクロで始まって、途中青のワンピースのみ色がつくシーンがあって、ここがまた切ない。そして、最後に主人公の気持ちが吹っ切れるあたりから、また色付きになるんだけど、彼氏と買ったサンダルは白だからか、ここだけモノクロになっていて、エンディングを迎える。とても、切ない。
いわゆる沼男子にハマって、沼から抜け出すストーリーなんだけど、女性目線で恋愛模様を描く作品と言う観点では、昭和の4畳半フォークを思わせる世界観でもある。
例えば、神田川は沼男子では無いけど、女性目線で描かれると言う意味では、世界観としては近いものを感じる。
女性目線で描かれる歌詞は、それこそ沢山あるのだが、シンデレラボーイと神田川が同じような世界観に感じるのは、歌詞の中に生活感があるからかもしれない。
シンデレラボーイは、タバコや浴室、バスタオルなど、彼と部屋にいることを強く感じさせるし、神田川は言わずもがな、2人で過ごした下宿や通った風呂屋が描写されている。
時代も違うし、ロックとフォークの違いもある。そして、描かれる生活感も違うけど、共感される恋愛の侘び寂びみたいなところは、時代が変わっても似たようなところがあるんだなぁと思う。