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ジーニアスと呼ばれた男
ジーニアスと呼ばれた男、柿谷曜一朗が現役引退を宣言した。プロ通算561試合106ゴールの成績は、ジーニアスと言う言葉からすると、やや物足りない気もするが、彼のプレイは記録よりも記憶に残るものが多い。
ゴールに背を向けた状態からのヒールシュート、2021年最優秀ゴール賞を受賞したオーバーヘッドなど、観る者の予想を超えるプレイが特徴だ。天才と言う異名を取る選手は多いが、柿谷曜一朗にはジーニアスと言う言葉が似合うのは、このあたりにあるのだろう。何と言うか、技術だけでなく、見えている世界が違うんじゃないかと思わせる。
そんな柿谷だが、自身のエピソードをまとめた書籍はない。そんな中でも、珍しく生い立ちなどをまとめた書籍が、[僕らがサッカーボーイズだった頃2]である。
柿谷のみならず、本田、遠藤も収録されているこの本はお得感がある。
むちゃくちゃ個人的な願望としては、個のスキルを引き出すのがうまい風間監督(現南葛SC)の下でプレイするところを見てみたかった。柿谷が尊敬する大久保嘉人が覚醒したように、柿谷ももうひと勝負できるんじゃないかと思っている。現役引退を決めたので、何とも言えないが、南葛SCに1年でもいいから加入してくれないかしら。