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Matterport($MTTR)調査レポート

いま話題のメタバース企業の筆頭、Matterportについて調査してみました。
米国株で英語の情報が多いこともあり、なかなか深く理解するのがむずかしい企業だと思います。

投資家歴3年、TOEIC920のわたしが気合を入れて10時間近くかけて調べました。

*本記事は投資判断を促すことを目的としていません。売買はご自身の判断でお願いいたします。


①マターポートとは

世界中の物理空間をデジタル化、データ化する先進企業。
同社の技術は建物や空間、場所をデジタル化、アクセス可能化、管理するためのスタンダードを提供しています。同社のプラットフォームは革新的なソフトウェアと空間データに関するデータサイエンス、3Dキャプチャー技術で構成されています。10~20mおきに専用カメラで撮影することで、専用のサーバーにアップすることで物理空間を3DMapに再現できます。

②市場規模推移予測

ソース1(Report Ocean Co. Ltd.)
デジタルツインの世界市場規模は、2022年から2030年までの予測期間において、複合年間成長率39.4%で成長し、2030年には1,292億米ドルに達すると予測されます。
ソース2(Grand View Research, Inc.)
デジタルツインの市場規模は、2022年からCAGR39.1%で成長し、2030年には1,558億3940万米ドルに達すると予測されています。

ちなみに、マターポートの見立ては2400億USDです。
日本円にするとザッと30兆円以上のマーケットですね。

③当該企業のポジション・競争優位性

・マーケットリーダー
・Fortune 1000の24%の企業が導入(無償、有償は問わない)
・高画質で没入感がある

④ビジネスモデル 

以下が参考になります。

引用元:PEACE - creative blog

なお、USやマターポート現地法人がある国は直販もあると考えられます。

⑤商品価格

<主要な商品>
・Matterport Pro2本体のみ・・・$3,395.00
・Matterport Pro2本体とアクセサリーキットのセット・・・$5,995.00
・Matterport Pro3本体のみ・・・$5,995.00
・Matterport Pro3本体とアクセサリーキットのセット・・・$8,595.00

引用元:PEACE - creative blog

⑥経営者の経歴

Chairman & CEO:RJ Pittman

学歴
・ミシガン大学でコンピュータエンジニアリングの学士
・スタンフォード大学で経済システム工学の修士
職歴
複数の会社立ち上げ、CEOを経験後、Google、Apple、eBayの事業グローバル展開系の重役を務めてきた経験の持ち主

⑦財務状況

<売上項目について>
-Subscription Revenue
 3D専用クラウド契約の売上  *無料~309ドル/月
-License Revenue(1回きり)
 顧客がマターポートから3D Mapのライセンスを買取るときに発生する売上
(顧客が3Dデータを商用に利用したい場合などに発生すると思われる。)
-Product Revenue
 Matterport Pro2, Pro3, Axisなどカメラ・備品の製品売上
-Service Revenue
撮影、データ化の外注売上、ソフトウェアのアドオン開発など 

Matterport社の過去のIR資料から作成(単位:thousand USD)

<注意事項>
・Subscriptionの売上はサービスが完了した分のみ(最大3ヶ月分)
→1年間の契約を受注している場合、残期間についてはBalance Sheet(貸借対照表)のDeferred Revenueに計上される。
・直近のProductのコストが異常に高いのは、Matterport Pro2の過剰在庫を損失計上しているため。(Matterport Pro 3が発売されたため。)

<押さえておきたいポイント>
・ライセンス売上にはコストがかからない。
・直近Serviceの売上が伸びている。(おそらく代理店の数が増えているのと、自社では難しい大規模な撮影ニーズが増えている。)
・Productを購入したユーザは、撮影・データ化完了後にSubscriptionする。
・撮影とデータ化が完了したら3D Mapという資産になるため、解約はされにくい。
・SubscriptionはUSが58%、それ以外の国が42%。(2022年9末時点)
・Product Costは製品開発に携わる人員の給料や福利厚生、ボーナスを含むコスト。間接費とストックオプション、固定資産の減価償却分も含まれる。

Matterport社の過去のIR資料から作成

・Deferred Revenue(前受収益*)は順調に増えている。 *受注残
・粗利に対するR&D(研究開発費)率とS&G(販管費)率が高い。(将来のための先行投資フェーズ。)
・販管費は主にグローバル展開に充てられている。
・当面は最終赤字が続く見込みだが、ただし、投資のピークアウトはしている。

⑧時価総額(成長ポテンシャル)

864MUSD(約1170億円) *2023年3月4日時点
→まだまだ成長余地は大きい。 

⑨カタリスト(成長触媒)

・メタバース市場が盛り上がる
・撮影の手間・工数が減る
・顧客網を持つ有望代理店との契約
・リーディング企業の革新的な事例公開

⑩総評

順調に業績は伸びているものの、先行投資がまだまだ重い印象。
ただ、歴史的建造物やミュージアム、製造業の工場などをはじめ3D MAP化の余地はまだまだありそうなので、長い目では期待が持てる企業だと思います!

☆参考動画☆

ここまできて、実際Matterportで実際3D MAP作るのってどんな感じなんだろう?と気になりませんでしたか?

マーターポート、3Dカメラ「Matterport Pro3」新製品レポート

【360°VRカメラ】オフィス移転!新しいオフィスをMatterport(マーターポート)で撮影してみた!

ちなみに、2つ目の動画はMatterport Pro2での撮影です。
1つ目の動画を見ると、Pro2からPro3でどんなアップデートがされたかがわかりますよ。

以上です。

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