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MMMのエコシステム整理

今回はMMM(マーケティングミックスモデル)のライブラリーの比較を取り上げたいと思います。

マーケティングミックスモデルとは?は以下をご覧ください。

今回ご紹介する比較表の中にあるRobynについての概要はこちら

では、さっそく本題に入っていきます。

マーケティングミックスモデルについて、現在、OpenSourceのライブラリーとして整備されているのは、
・Meta社のRobyn
・GoogleのLightweight MMM
・UberのOrbit-ml
また、自分が好きなように作成することもできるので、自作としてそれら4つを比較してみることにしました。

一覧にするとどのような違いがあるか?

各アルゴリズムのリファレンス

各ライブラリーについての参考のリンクを以下で張っておきます。

Robyn

Facebookのコミュニティで日々質問がやり取りされているので、ご興味ある方は確認をしてみてください。


Lightweight MMM

Orbit-ml


評価関数

評価関数の違いについて特徴的なものはRobynです。自作のMMMを除いて2目的でコスト関数をセットして、最小化する設計となっており、個人的にはこの点がとても評価ポイントとして高い部分です。

Robynが優れているのは、この2目的の最小化の対象について、通常のFittingの精度指標に加えてDecompRSSDという評価関数を取っていることです。

DecompRSSDとは現場のこれまでの投資割合と最適な投資割合の差となります。実は現場の投資割合は、ある種、これまでのビジネスの感や、政治的な背景が反映されているものであり、それを大事にするという設計思想が入っています。データサイエンスが無機質ではないことを表しているいい例だと個人的には思っています。

言葉で言ってもなかなかイメージしずらい部分もあるので、数式として表してみます。

数式としては以下です。effect shareとspend shareの差を算定しているのですが、これをベースにしてこの値を最小化することをアルゴリズムを使って算定しています。

sqrt(sum((effect_share-spend_share)^2))

※Nevergradという最適化ライブラリーで上記の最小化を実施していくのがRで実行されます

メリットは?

次にメリットでどういう特徴があるかという点に移ります。

ここではLightweight mmmとOrbit-mlが有利ではないかと考えています。というのもこの2つはベイズアプローチを採っており、その結果で、事前分布の設定にドメイン知識を入れることが可能となります。例えば、広告投資によってリターンがマイナスになることはないという知識があれば、それを事前分布に入れて非負という制約条件を課すことができます。

またベイズの特性である、各種推定したパラメータを解釈性をもって可視化することも可能となります。Robynの場合には、決定論的なアプローチになるので、そのようなことは難しく、解釈性の観点からもLightweight mmmとOrbit-mlが比較優位になると考えられます。

デメリットは?

では最後にデメリットです。ここではRobynについての言及をしたいと思います。

RobynはR言語が主軸です。Pythonも開発中との記載が上記のリファレンスにも記載があるのですが、2023年2月時点ではまだ実際には出ていません。R言語に慣れている人であれば、そもそもそこまで抵抗がないのですが、言語がRで開発されている点は他と比べてデメリットになりえます。あくまで一例ですが。エラーが出たときに、あまり慣れていない言語によるエラーメッセージであり、日本語の解決が難しい場合があります。

また、OnepageというアウトプットがPNGで出力されるため、編集があまり自由度高くできない点も挙げられます。


上記のように見た目は素晴らしいのですが、例えば上記を1つずつ、ハイライトしたいときには(例:ダッシュボードとして必要なものが1つずつ、大きくした図である場合)、PNGファイルではできません。そこで、RのPKGのソースコードに戻って分解してそれを解読していく、というプロセスが必要になります。

最後に

いかがでしょうか?簡単ではありましたが、各種法における特徴をまとめてご紹介しました。これらを含めて新たにMMMスクールというサービスの立ち上げを企画中です。ご興味ある方は以下をご確認ください。

https://note.com/gucchi123/membership/members

MMMスクールでは今回ご紹介したようなMMMのエコシステムを随時共有していく予定です。MMMのコーディングのみならず、No Codeを使ってプロダクトにしていく過程も今後ご紹介していく予定です。

また、MMMを中心にUdemyを展開中です。こちらもぜひご確認ください。

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