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有明アリーナにて別格の中谷潤人戦

現時点ボクシングパウンドフォーパウンド9位の中谷潤人戦を有明アリーナにて生観戦(2階33,000円の席)。

ちなみにこの週末は、世界のパウンドフォーパウンド(リングマガジン版)の10人のボクサーのうち、人が登場。

4位:アルトゥール・ベテルビエフ(ライトヘビー級:79.38kg以下)
5位:ドミトリー・ビボル(同上)
9位:中谷潤人(バンタム級:53.52kg以下)

上の二人のうち、ベテルビエフとビボルは直接対決のリマッチで、初戦で敗退したビボルが今回はベテルビエフにリベンジし団体統一チャンピオンに。

DAZNで3,100円支払ってテレビ生観戦しましたが、個人的お気に入りのビボルはいつもの芸術的なボクシングでベテルビエフの強打を交わしつつ、的確にジャブ・ストレート・フックを使い分けて打ち込む。

2戦目とあってKO率90%超のベテルビエフへの恐怖心もだいぶなくなったのか、冷静に試合を進めるところがビボルの勝因か。アップスタイルで脚を縦に深く配置し、体幹をブラさずにパンチを繰り出すその姿はまさに芸術そのもの。

つまりビボルのボクシングは、ボクシングの美しさが詰まっている感じなんですね。

一方の中谷潤人。

新しいニックネーム「ビッグバン」にふさわしい見事なラウンドTKO。

もっとはやく止めないと「危ない」と思ってしまったほどの強烈なパンチで仕留めたのですが、1ラウンドからノーモーションの左ストレートが決まっていたので、1ラウンドにして「いつ中谷はKOするんだろう」という展開に。

今回の有明アリーナでは、世界のバンタム級(53.52kg以下)トップ戦線のうち、6人のボクサーが登場するという、バンタム級オンパレードの興行でしたが、やっぱり中谷潤人は別格。

相手が誰であろうと、前回とまったく同じ印象。まさに彼が「Who's next(次は誰?)」、つまり誰でも俺は勝てるから誰でもいいよ(=俺が最強)ということです。

ではこの6人の中で、中谷だけなぜ別格なのか?

試合運びからパンチの狙い方からペースの取り方から、メンタルの強さ・冷静さから、何をとっても別格なんですが、最も大きな違いは、パンチ力

今回登場したWBAチャンピオンの堤だって十分に強くうまい。クリーンヒットもちゃんと比嘉大吾に当てている。対する比嘉だって強打をウリにする選手だ(那須川天心やジェイソン・モロニーはパンチがないので完全に比較対象外)。

でも中谷のパンチとは全然違う。威力がまったく違う。これは井上尚弥やジャーボンテイ・デイビスにもいえることですが、世界のトップオブトップは、一発のパンチ力が飛び抜けて強い。

かすっただけでもその強さに驚いて相手がひるんでしまう。そういうパンチなんです。

今この時代に二人の不世出の日本人ボクサーが登場したのは奇跡。

なんとしても井上尚弥VS中谷潤人の試合が観たい。

たぶん世界的にもこれはビックマッチで、またサウジアラビアあたりがビボルvsベテルビエフ戦のように、日本円換算10億円超ののファイトマネーで興行してくれるかもしれません。


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