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東京オリンピック銀メダリスト「キーション・デービス」が世界チャンピオンに!

個人的に東京オリンピックでは、ボクシング会場(両国国技館)および練習会場(墨田区総合体育館)でボランティア。

TOKYO2020 国技館(2021年8月撮影)

その際に、特に注目していた一人のボクサーが、アメリカ代表のライト級(56kg超 60kgまで)代表だったキーション・デイビス

WOWOWエキサイトマッチより白いグローブがキーション

東京オリンピックではライト級で参戦し、銀メダル獲得。

当時、ボランティアしたおかげで、この天才ボクサーを間近で見たのですが意外にも背が小さい(実際は175cm)。とはいえ、当時からスターならではのオーラを発していて「これはちょっと違うな」と思ったのです。

ちなみにこの時の金メダリストは、キューバのアンディ・クルス。クルスも最近プロ転向して全勝街道ましぐらだから、将来キーションの好敵手になるかもしれない。

クルスもキューバ人ならではの超絶テクニックの持ち主なので本当に楽しみ。

さてキーションは、トップランクと契約して順調にプロキャリアを積み、WBOチャンピオン、ウクライナの魔術師ベレンチクに挑戦。このベリンチク、強打者ではないものの、オーソドックススタイルもサウスポースタイルもできるボクサーで、今日の試合も、右も左もラウンド中にクルクル変えてキーションに的を絞らせない戦略。

同上。赤いグローブがベリンチク

それでもキーションは得意のスピードとパンチ力で、正面からガンガン打ち込んで、ベリンチクの鼻を破壊。

そして鮮烈のボディで、このベリンチクを戦闘不能に追い込んでしまったのです。

同上

キーションの愛称は「ビジネスマン」。

ビジネスマンのように着実に仕事をこなして、WBOライト級の頂点に。

それにしてもライト級は、スーパースター揃い。

なんといっても現時点、井上尚弥と並んで世界が注目するジャーボンテイ”タンク”デイビスがWBCに君臨。WBAには超絶テクニシャンのシャクール・スティーブンスン。日本の絶対王者だった吉野修一郎が手も足も出せなかった究極の技巧派選手(というかボクシングは手だけですが)。

吉野修一郎(金髪の方)vs中谷正義(2022年11月撮影)

そしてIBFは生きる伝説、ウクライナの精密機械ワシル・ロマチェンコですから。

もうこれ以上ないメンツが揃っているのがライト級なのです。

どうやらキーションとシャクールは仲が良くてお互い対戦したくないようですから、次のキーションのターゲットは、ロマチェンコか、ジャーボンテイか。

来月にはジャーボンテイ「タンク」もまた防衛戦をこなしますが、スーパーフェザーから上がってくる選手(WBA王者ラモント・ローチ)。多分余裕でKO勝利でしょう。

ライト級戦線の統一は、今後どのように展開するのか、実に楽しみです。

なお、スーパーバンタム(55.34kg以下)の井上尚弥の対戦相手としてライト級(61,23kg以下)ジャーボンテイ”タンク”デイビスが話題になっていますが、ボクシングは階級制のスポーツ。

したがってタンクがよっぽど体重を落とさないと対戦は非現実的でしょう。尚弥の普段の体重はこのライト級リミット辺りらしんですが、そのまますべての体重を筋肉に変えたとしても、増大した筋肉によってスピードが犠牲になる確率が高く、タンクのあのスピードに敵わないでしょう。

そしてタンクの周りには上述のように好敵手がワンサカおり、わざわざ階級を落としてまで井上尚弥と戦う動機がない。そして階級が下の選手と戦っても実績にはなりにくいんですね。

そしてなんといってもタンクの問題は、素行不良で今後突然引退するかもしれないような不確実性マックスの選手。だからこそ、魅力的なんですが。。。。

井上尚弥vsノニト・ドネア(2018年1月6日撮影)



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