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地理・歴史学

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人の価値観は、外的環境に大きく影響されます。地球全体に関して時間軸・空間軸双方から、どのような環境のもとで我々が今ここにいるのか?解明していきたいと思っています。
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2025年1月の記事一覧

「モロッコの風土」モロッコのイスラーム事情

モロッコの3つのタブー「アッラー」「マタン」「マリク」のうち今回は「アッラー」つまりイスラーム教について、旅行して感じたモロッコのイスラーム事情を紹介。 モロッコ人は、もともとベルベル人という先住民が半分、7世紀末から移民してきたアラブ人が半分という人口構成。ベルベル人・アラブ人に関わらず、大半がイスラーム教徒スンニ派で、国王のムハンマド六世はイスラームの守護者という意味で信徒たちの長「アミール・アル=ムーミニーン」という称号も持っています。 歴史的にはユダヤ教徒(ユダヤ

「モロッコの風土」モロッコの3つのタブーとは

モロッコには3つのタブーがあるといわれています。それは「アッラー(イスラーム教)」「ワタン(祖国→西サハラ領)」「マリク(国王)」。 最初のモロッコのタブー「アッラー(イスラーム教)」の事情については別途項目を立てる予定なので、今回は残りの二つのタブー「ワタン=西サハラ領問題」「マリク=国王独裁」について、以下紹介したいと思います。 ⒈ワタン:西サハラ領問題私が小学校の時(1970年代)の地図には、確かアフリカ大陸の西北部分に独立していないエリアがあって「スペイン領西サハ

「モロッコの風土」アフリカNo.1の経済

⒈アフリカ ナンバーワンの経済モロッコ経済は、実質アフリカナンバーワンとも思われ、優秀な王様による安定した先制政治体制と治安によって順調に経済発展してきたともいえます。 実際に今回旅行してみると、私のアフリカ経験上(コートジボワール、南アフリカ、ボツワナ、エジプトなど)からしても、南アフリカ(南ア)と同等か、それ以上の近代的国家という印象。 団体ツアーなのでスラム街周辺には行けませんでしたが、カサブランカのスラム街といわれるモウレイ・ラシッド地区のGoogleマップみる

「モロッコの風土」マグリブはアトラスの賜物

北西アフリカのモロッコに10日間のツアーで行ってきました。 モロッコはムハンマド六世による強力な独裁王国のゆえか、外国人女性も夜1人で歩けるほどの治安の安定したイスラーム国家。 多様な気候に多様な文化が育まれた非常に魅力的な国でした(食事はイマイチでしたが)。 モロッコを象徴する言葉として『モロッコを知るための65章』の第1章に との言葉があります。マグリブとは北西アフリカのチュニジア・アルジェリア・モロッコの三カ国のこと。 実際にツアーでモロッコ全体を周遊した結果