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【CLE】Hunter Gaddisの今後を考えてみる
お疲れ様です。いつも読んでいただきありがとうございます。Windiansです。最近のガーディアンズは、不安定な戦いを続けながら地区2位を堅守しています。開幕前に「今年も地区優勝だ!」「希望しかない!」と盛大にポジってからのこれですが、勝率5割ならまだ耐えている方だと思います。他地区は見なかったことにしましょう😤
今回は、Hunter Gaddisという投手の紹介をします。去年メジャーデビューを果たしましたが、恐らくほとんどのMLBファンの方には馴染みのない選手だと思います。ホワイトソックスファンは去年盛大にボコったし、覚えているよね?
今シーズンの彼は、スプリングトレーニングでリリーフの最後の枠を勝ち取り、開幕ロースターに名を連ねました。それがTriston Mckenzieの怪我で急遽先発に回ることになりますが、芳しい結果を残せず、ひと月持たず4/19にAAAへ降格してしまいました(その後ダブルヘッダー要員で1日だけ昇格し、再びAAAへ)。2年連続でメジャーの壁に阻まれる形となってしまいましたが、これを機に彼のメジャーで生き残る道を探ってみます。
1. 思ったより球が遅い
まずは彼のスペックです。身長と体重は6フィート6、260ポンド(198cm、118kg)と非常に恵まれた体格の持ち主ですが、4シームの平均球速は93.2mph(150.0km/h)、最速も95.6mph(153.8km/h)と、メジャーレベルではそこまで速くありません。
無走者時はリリース直前までのモーションが非常にゆったりとしているので、そのコントラストで球速を速く見せていると思われます。とはいえAAA降格時点では、ガーディアンズの先発投手のなかで最も4シームの平均球速が速かったです。他の面々はそれで大丈夫か?
Hunter lived up to his name and came through in a big way yesterday going 6.0 scoreless.#ForTheLand pic.twitter.com/zhYHCSia3p
— Cleveland Guardians (@CleGuardians) April 6, 2023
2. 生命線の変化球
彼の投球を支えるのが、今年大幅に投球割合を増やしたカットボール、マイナー時から高評価を受けていたチェンジアップです。
まずはカッター。去年は2登板ながら4シームを主体に投げ込んでいたものの、見たことがないくらい打ち込まれていました。その反省からか、今年は大幅に4シームを減らし、同じだけカッターを増やしました。この影響かバットの芯を外すことができており、長打率を減らすことができています。
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カッターは23.4%→36.8%に(+13.4%)
武器のチェンジアップですが、これまでは曲がりの大きく、球速を抑えた球種でした。それが今年は球速を上げ、代わりに変化量が減っています。変化量を抑えたことで制御しやすくなり、Edge%(平たく言うと厳しいコースに投げられた割合)が大幅に向上しました。最もうまくいった登板が、上に載せたアスレチックス戦ですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1682848438001-Oz0mQxNjFO.png?width=1200)
4シームは去年から特に変わっていないため、ゾーン内で勝負すると今年もボコボコにされています。ですので、カーブも交えた3種類の変化球で如何に手を出させられるかがカギとなっています。
3. 今シーズンの現況
先ほどまで「変化球良い感じだよ~」という記述をしてきましたが、今季は5試合に登板(うち4試合先発)し、結果は以下の通りです。
3/31 vs マリナーズ(アウェイ)
3.2回 5被安打 4失点 4奪三振 2四死球
4/5 vs アスレチックス(アウェイ)
6.0回 1被安打 0失点 4奪三振 2四球
4/11 vs ヤンキース(ホーム)
3.0回 8被安打 8失点 3奪三振 3四死球 1HR
4/18 vs タイガース(アウェイ)
5.0回 8被安打 3失点 1奪三振 1四球
4/22 vs マーリンズ(ホーム) ※リリーフ
2.0回 0被安打 0失点 1奪三振 0四球
計19.2回 22被安打 15失点 13奪三振 8四死球
ひたすらホームランを打たれて終わった昨年の惨状を考えるとよくやっています。7.1イニングで7本も打たれたホームランも、ここまでは1本しか打たれていません。とはいえそれでも打たれすぎですね。アスレチックス戦で好投したり、タイガース戦で我慢のピッチングができたところに成長の跡が見られますが、まだ改善が必要でしょう。
ここまで成績が悪いのは被打率4割越え、長打率6割近く(これでも昨年の半分近く)の4シームが主な原因でしょう。これといった特徴がなく、ストライクゾーンに投げ込める程度のコントロールしかないため、ひたすら打たれています。
4. 【本題】リリーフ転向のすゝめ
先発としてメジャーの壁にぶつかっていいるGaddisですが、これに近いルートを辿っている投手がいました。Eli Morganです。
現在はガーディアンズのリリーフとして活躍しているMorganですが、2021年のデビュー時は先発でした。最初は頼りないピッチングが続いたものの、ローテーションに怪我人が多発したため多くの登板機会をもらうことになります。その結果徐々に成長の証を見せ、後半戦はたまにQSを達成できるようになりました。ただ2022年のスプリングトレーニングでは先発ローテーションの枠がなく、リリーフに回ります。
MorganはGaddisと対照的に6フィートに満たない小柄な体格ながら、4シームの球速は平均で約94mph、高評価の緩いチェンジアップと持ち球に共通点が見られます。そして、スライダーやカーブといった大きく曲がる変化球をメインの球種にできていなかった点も同じでした。
4シームとチェンジアップの質は現時点でMorganの方が上ですが、彼を手本にすることでリリーバーとして化ける可能性は十分考えられます。もし4シームがMorganレベルにならなくても、カッターと組み合わせて使うオプションがあるのも魅力的です。
そしてもう1点、既にリリーフ適正の片鱗を見せているところも私が転向を薦める一因です。以下はSTを含めた今シーズンのリリーフ登板の投球内容です。
2/26 vs レンジャース(5回~)
2.0回 0被安打 0失点 4奪三振 1四球
3/3 vs ブルワーズ(5回~)
2.1回 1被安打 2失点 2奪三振 3四死球
3/16 vs ホワイトソックス(6回~)
2.0回 0被安打 0失点 2奪三振 0四球
4/22 vs マーリンズ(ホーム)
2.0回 0被安打 0失点 1奪三振 0四球
合計4試合に登板して崩れた試合は1登板のみ、イニング以上の奪三振を取れたりと、現状の球でも短いイニングを全力で投げれば抑えられることを結果で示してくれました。元々開幕ロースターにもリリーフとして入りましたし、一考の余地はあるのではないでしょうか。
5. 最後に
遂にトッププロスペクトのTanner Bibeeがメジャー昇格し、同日にGavin WilliamsもAAA昇格を果たすなど、Gaddisの先発挑戦はタイムリミットが迫ってきた感があります。今回のAAA降格を機に、何かメジャーで生き残るきっかけを掴むことはできるのでしょうか。
頑張れ、Gaddis!
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