俺は自分を必死に守ろうとしている。それは他人の悪意からではない。何もかもに左右される自分を、悪意のない何もかもから。
そうしないと、自分の本当に欲しいものが作れない。贅沢な話だが、それは本当にそうらしい。
他人の何気ない一言が俺を左右する。大切な人であればなおのことそうだ。
言葉で説明できないから、行動と形で証明するしかない。俺の本当に好きなもの、俺の本当に見たいもの。
どうせ一度きりの人生だから、自分が作るなら他人の意図が混ざった山ほどの作品よりも、俺しか意図しない俺のためのものが作りたい。それはきっと、世のモノを作る誰もが願うことだと思う。
彼らと俺は変わらない。誰にとって素晴らしかろうと、自分が見返したくないモノならそれはあえて作る必要は無い。
そのための時間とコストを、俺は絵では無いことで捻出する。仕事をして稼ぎを得る、そういう選択をした。
どちらも欠かすことはできないから、やることは変わらない。どういう道を辿っても、俺はこの選択をしただろう。