(回顧録)スマギャンで読まれた話
2014年8月3日
NANA MIZUKI LIVE FLIGHT 2014千秋楽は横浜スタジアム。
それを新宿の飲み屋店主&常連の数名で観てきた日のこと。打ち上げは新宿の店主の店でやろうと戻って来た時は11時になろうとしていた。
特に何かをしたわけではなく、いつも通りカウンターに座り、常連客とライブについてああだこうだと感想を述べていたら23:30
「オイラ、スマギャン聴きてぇだ…」と声を発する。
まあ今日は観てきたしねと、店主の計らいでBGMをラジオに。第644次集会。メインコーナーはスペシャル募集メールの日。
一夏に経験した甘酸っぱい恋バナを奈々さん、美里さんが読み「実話」「嘘」を当てるという企画。
何名かが読まれた後、奈々さんが読んだのは、「続いては東京都 ギャングネーム(*1)中野のカレー侍さんからのメール」
僕のメールだった。
僕はこの企画には実話と嘘、両方送っていた。
読まれたのは実話の方だった。
全員に「ちょっと!オレの読まれてる!」と告げ、全員で静かに聴いた。
内容はかなり端折られていたが、キチンと内容の伝わる体裁になっていた。放送作家は凄いと思った瞬間でもあった。
以下、スマギャンに送って読まれた方の全文
奈々さん 美里さん シャッス!
いつも楽しく聴いてます。
奈々さんをムッフンとさせる一夏の恋という事で送ります。
数年前の今頃、東南アジアの某国へ転勤していたんですが、その時現地の取り引き先オーナー宅で雇っていた家政婦さんちの長女と付き合ってました。
慣れない熱帯の土地で日本人が他におらず寂しい思いをしていた僕に、彼女は警戒することなくその地域の文化や風習などを教えてくれました。明るく優しい勤勉な子で、僕が教えた日本語を何度も反復して使おうと努力したり、僕が病気で倒れた時には朝まで看病してくれたりしてくれました。
なにぶん、市街地から遠い田舎だったのでデートと言えば夜、電気店の軒先でついてるテレビを近所の人総出で椅子を運んできてアイスを食べながらドラマを一緒に見たり、自転車2人乗りで満点の星の下 トレイラーが走る道をサトウキビを齧りながらドライブしたりと一風変わったデートをしていました。
しかし幾ら僕が対等だと思っていても、周りから見れば主人程の存在と家政婦の娘という身分違いの関係。
身分に厳しい地域だったので、会う事すら難色を示したり非難してくる人も少なからず居ました。それでもお互い好きなら関係ないと思ってましたし、彼女も気にしてないと笑顔で言ってくれました。
彼女の友人や同僚を含め、周りは僕達の関係を隠してくれていたのですが、やはりバレるのは時間の問題で、身分に人一倍厳しい現地オーナーが噂を聞き激怒。家政婦は即解雇、僕の彼女を含めた娘達も遠くの工場へ送られてしまいました。
当然日本の本社にも話は届き、僕は呼び戻しの辞令で帰国する事に。
帰国の日、空港に向かう車の中で「もう会えないんだろうな」としょんぼり思っていたら、突然運転手が何も言わずに空港と別の方向へ車を向けたんです。
着いたのは見知らぬ場所の小さな町工場。運転手が呼ぶと、作業着姿の彼女が工場から飛び出して来ました。僕も彼女も暫く抱き合って涙を流すばかりで結局気の利いた事も別れの言葉もうまく言えず、その場で僕らは別れました。
後で聞けばどうやらいたたまれない気持ちになった運転手が内緒でとった粋な計らいだったようです。
あれから転職を余儀無くされ、連絡する術を失い向こうの様子が全く分からなくなりましたが、笑顔が似合う彼女の事は今も夏が来るたび思い出します。
彼女はどうしているでしょう。
幸せに暮らしている事を願うばかりです。
という訳でムッフンしたかは分かりませんが、「実話」でした。
長くなってすみません。
LIVE FLIGHT、FLIGHT+の成功を心から祈っています。それでは。
ギャングネーム:中野のカレー侍
団員歴:8年余(*2)
確かに長い。実話だが、この展開は美里さんから放送中、「嘘くさい」といわれても仕方がない。けれどこれを水樹奈々ボイスで読んでもらえたのが、嬉しくて仕方がなかったので、嘘と言われても瑣末な事だ。
その日の放送で「エンブレム(*3)」は3枚もらえた。1枚は自分用、もう1枚は奈々さんファンである義妹、そして最後の1枚は、あの日メールを読まれた放送を聴いていた店に今でも貼ってある。
註釈
(*1)ラジオネーム、ペンネームと同義
(*2)ラジオのリスナー歴 ギャング団 だから団員
(*3)番組のロゴがあしらわれたオリジナルステッカー。ラジオ番組ではよく配られる景品