さくらのまち-感想
さくらのまち-三秋縋 実業之日本社 2024/09/26発売
みやはら的感想です。メモ程度です。しばらくしたら消します。
〈発売前~購入の経緯>
1週間前くらいからそわそわし始める
前日のフラゲ報告にキレる
発売日当日の午後、仕事が手につかず、手に力が入らない状態で時計とにらめっこを続ける
定時退社した瞬間に緊張、不安、6年という時間の振り返り、新刊発売という事実に混乱、泣きそうになる
田舎どでかイオンにて本の購入に成功
未読のまま帰りたくなく、イオン内のファミレスに入り、特典のSSだけ読み、呆然とし、車で帰る
〈予想・こうだったらうれしい〉
CDやお酒、地名などの固有名詞がある
ヒロインの名前が当たる
敬語ヒロイン
はなさかじいさん的なストーリー?灰で花を咲かせる
腕時計?5G防止のアルミホイルか?
〈感想〉
・総括
う~~~~~ん。
今までの作品と比べてどのくらい好きで面白かったかなどの比較をしたかったが、全く別方向に話が進みそのまま終わってしまったので、どうにも比べようがなかった。
三秋縋作品のどこが好きなんだっけ?と思ってしまった。三秋縋ってこんな感じだったっけ?みたいな。もちろん三秋縋の文だなとは思ったが。
主人公の他責感・受身感がどうしても気になった。結果が「澄香は本物の親友でした」なのに、その判明すら運任せ(澄香も然り)。
澄香がヒロインだとしたらおもしろくない。みんなが一番可能性として考えていたこと。
主人公が前を向く話だとしたら、もっと積極性がほしかった。このままでは、嘘も愛そう、より、もっと関わりを断とうのほうが思考としてあり得そうだし、結局受身なところは変わったの?と思う。
登場人物に感情移入できない
私は良い本(創作物)の定義を、どれだけ没入できるかにおいており、そういう意味ではさくらのまちの風景描写はとてもよかった。だが、人物描写が圧倒的に足りていない。どれをとっても薄い。どうして尾上は澄香が好きなのか。どうしてカスミは尾上をすぐに気に入ったのか。カスミがお姉ちゃんを慕って、そこまでこだわっている理由。両親がカスミを見放した理由。ぜんぜん伝わってこない。むしろ主要な4人以外の人物の深掘りのほうが多かったまである。<座長>とか<先生>とかどうして劇団をひらいたか、どうして先生なのか。そっちのほうが人間味があり、興味をそそられた。
・不満点
固有名詞がない
キャラクター性の欠如、没入感のなさ、勢いのなさ
プロンプター制度設定の甘さ
地の文が三人称、ただ冷淡な雰囲気が出ているだけで、読みにくい。意味があるのか?
澄香と霞が分かりにくい(これは読むうえでというよりは話すうえで)
根拠の薄さ。主人公がなぜプロンプターになったのか、なぜ死のうと思ったのか、澄香が人気であるように見えない。
・よかった点
圧倒的カスミ。そういえばげんふうけい時代はあおくも、家庭教師おにいさん、右足、など年下の後輩ヒロインばかり書いていたな、そっちもうまかったな、と思った。特に飲酒のシーン。
雪の描写。これはフォロワーさんにも以前話したことがあるが、私は雪を知らない人間なので、ここまで雪を徹底的に描き切っているのは素晴らしいと思った。
・考察
君の話で第一目標は達成しており、今回は挑戦的な意味がありそう 三人称もそうだし。
キャラクターや感情よりも設定勝負?人物の掘り下げをわざとしていないのか
感情の高ぶりや爆発が見たい自身としてはこの本に価値があるとは言い切れないし、そもそも創作物のあり方のとして三秋縋はこれでいいの?これが良かったの?みたいな。
私はむしろげんふうけい的な要素を三秋縋に期待していて、だからこそ短編を出して欲しいと願っているのだけど、三秋縋がこれからなにを表現していきたいのか。SF?
澄香視点が欲しい。鯨井はいらない。
君のためならなんだってする。魂が燃える話が読みたい。
・SSについて
未来屋書店がよかった。
祈りにフォーカスをあてた作品が大好きなので、もう、とてもよかったです。大好物。