「アニバーサリー」は楽しい記念日だけじゃない
小学生のころ、自分が二十歳まで生きることはないだろうと結構真剣に思っていた。あまりに遠く、想像できなかったからだ。だからといって死んでしまうかもしれないと想像していたわけでもなかった。
いま、何のことはない、50代も後半になり、ごたごた言いながら生きている。一時期、気分が沈んだの、鬱っぽいだの、どこそこが痛いだの、いろいろ言い訳を見つけては自らせっせと医者に通っていた時期もあった。だが医者に行ったからといって、その時の不快な状況が治ったことはなかった。
中学時のクラス仲間で医師になったやつがいる。彼は「日常生活に支障をきたすことになったら医者に行け」と言う。
当時は著しい困難があったと感じたからこそ、受診したのだが今思えば日本の医療費を押し上げるだけの無駄な行為だったと気づく。そう、その時は冷静な判断ができないのだ。だからやはり、病なのだ。
はじめて心療内科へ通って25年になる。
「アニバーサリー」は楽しげな記念日と思いきや、英語では良いことも悪いことも「周年」をそう呼ぶらしい。
あるクリニックの待合室に「気は病から」と書いてあった。本家である「病は気から」というのは精神論、根性論という語感があるが、「気は病から」、には極めて説得力があると感じる。
自分にとって本当の巨大な波は2000年頃だったが、地味に少しずつ良くなっている。時間はかかるのだがゆっくり回復している。
気にかかること、嫌なこと、したくないこと、これからも訪れる(であろう)不安。そうした全てから逃れたいが、それは不可能であることもよく分かっている。大人になった。
(ジジィがいまさら何をいっているんだ)
「黒い犬」を飼い慣らし始めている。そんな風に思える。
https://www.youtube.com/watch?v=XiCrniLQGYc
I had a black dog, his name was depression.
World Health Organization (WHO)
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