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【詩】かの日
いつも独り佇み見て居た
変わり映えのしない私は
何かに気付くだろうけど自覚は無い
空気を思い切り吸い込んで
何者かで侵蝕された心の中を
今だけは空っぽにする
疎らにすれ違う人々は
先程迄の会話の意図が見えずとも
街並みに順応して何処かに消えて行く
繰り返す感情の変化に戸惑う事も忘れ
溢れる日々へと自ら飛び込んでから
何時迄も合わない目を見て言って欲しい
きっともう失う事は無いのだろうと
あなたの影が伸び行く時の間を
混じり気のない潔白な意志が飛び越えて
弾かれて揺らぐ波紋の響きに
まるで聞こえない素振りをする
気は乗らないけど事象の動きの中に居る
息を吸う度新しくなる心体は
私そのものを奥底から目覚めさせる
灰色に染め上げられた空を斬る様にして