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『誘惑銀杏』 404字


(臭っ!?)

いつものように通勤電車に乗った僕は、自分が発する悪臭に思わず顔をしかめた。

そうだ、これは銀杏の実の臭いだ。
どうやら知らぬ間に踏んづけてしまったようだ。

案の定、周囲の乗客が露骨に反応する。
だがなぜか皆、女性も男性もトロ〜ンとした目で僕を見つめてくる。

なんともヘンテコな気分で出社すると、いつもはガン無視の受付嬢までが頬を赤らめてモジモジ。
「お、おはようございますぅ」と黄色い声で挨拶までしてくるではないか。

なんなら全社員が僕にメロメロなオカシナ雰囲気に・・・
僕はもう嬉しいどころか、恐怖で気を失った。


「如何いたしましょう、アフロディーテ様」と従者が問う。
「貴女様が落とされたアレを、あの者が踏んづけてしまったようです。このままではあの者は・・・」

「まあ、良いいんじゃなぁい?あの者、彼女居ない歴=年齢のようだしぃ。それにぃ、なんか面白いじゃん」

「・・・(ダメだ、この神・・・もう、転職しようかな)」


< 了 >
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拙作、お読みくださり有難うございます!!

そう言えば、、、香水って、なんか物凄〜く臭っさいものを微量に混ぜるから、人を魅了する官能の香りになるようですね。
加齢臭も華麗になれば良いのに、、、ナンテネ(^◇^;)

それにしても女神様の「アレ」って一体、、、!?
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何卒、宜しくお願いいたします。

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