交際〜婚約③まで

いよいよ、二人で住む家の物件探し
前途多難ではあったが、ようやく
ここまでたどり着き、安堵の私で
あったが、内覧日に彼は来なかった。

約束の場所にいたのは
義母とお義姉さんの二人だった。
彼が来なかった理由は
結婚したら、趣味に時間が
割けないのでツーリングへ
行ったとのこと。

やはり、ここでも優先順位は
趣味のようだ。二人が暮らす
家なのに本人がいない現実に
頭が追いつかなかった。

そして家の契約日
この日も、彼が来ることはなく
義父と義母と義理の弟の三人だった。
理由はまたしてもツーリングとのこと。
私は悲しくて堪らなかった。

契約の帰りは義実家で過ごし
ツーリング帰りの彼を待った。
彼は私には一切、口を切らず
自分の家族に対してだけ
内覧と契約に行ってくれて
ありがとうと言葉をかけていた。

そして、この家族は誰一人として
彼の異常な行動に対して注意する人は
居なかった。

この人に期待するから
私の心が悲しむんだ、
もう、彼に何も期待しない。
結婚を諦める勇気のなかった私は
傷つかない方法を探す他なかった。

誰にも言えない悲しみを抱え
私はこの家に嫁いだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?