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【祝!世界遺産登録】北海道・北東北の縄文遺跡群から出土した土偶や土器や面白い遺物を堪能するには?

2021年7月27日、「北海道・北東北の縄文遺跡群」がめでたく世界遺産に登録されました。ほぼ決まっていたので、一安心というところですが、これからいよいよ人気が沸騰するのではないでしょうか。

今回の登録は「遺跡群」ということで17(+2)の遺跡が登録されたわけですが、私のような縄文の遺物好きとしては、その遺跡で出土した遺物たちはどこで見れるんだ?と思うわけです。

そこで、エリアごとにどこに行ったら遺物を見ることができるのか北からみてみることにします。

北海道石狩地方

この地域の遺跡はキウス周堤墓群、遺物は千歳市埋蔵文化財センターにあるようです。ちなみに公共交通機関はなく、車以外で行く方法は最寄り駅から1時間歩くしかないという厳しい場所です。

千歳市からは国重要文化財の海獣形土製品(ビビちゃん)も出土していますが、こちらにあるのは複製品です。本物は江別市の北海道埋蔵文化財センターにあり、こちらではキウス周堤墓群の展示もあるので、あわせていくといいかもしれません。それほど遠くはないですし。

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北海道胆振地方

この地域の遺跡は北黄金貝塚、入江貝塚、高砂貝塚です。伊達市の北黄金貝塚の遺物は、主に遺跡に隣接する北黄金貝塚情報センターにあり、鯨の骨で作った骨刀などが展示されているようです。関連施設のだて歴史文化ミュージアムにも展示がありそうです。

入江貝塚と高砂貝塚は、洞爺湖町の隣接した遺跡で、その間に入江・高砂貝塚館があり、こちらに両貝塚の遺物が展示してあります。7月21日に世界遺産登録に合わせて新装オープンしたそうなので、ぜひ見に行きたいですね。北海道では珍しい土偶があったり、小児マヒにかかった人骨などがあるそうです。

北海道渡島地方

こちらには函館市の垣ノ島遺跡と大船遺跡、関連資産として森町の鷲ノ木遺跡があります。函館市の2つの遺跡は比較的近くにあり、垣ノ島遺跡に隣接する函館市縄文文化交流センターに主な遺物があります。

目玉はなんと言っても国宝のかっくうですが、こちらは著保内野遺跡という近隣の別の遺跡の出土品です。垣ノ島遺跡からは足形付土版や赤漆塗り注口土器(複製)、大船遺跡からは土偶などが展示されています。

ちなみに、大船遺跡にいくとものすごい量の石皿が山積みにされているのでこちらもぜひ見に行ってください。

この2つの遺跡の関連施設として市立函館博物館が挙げられていますが、こちらは企画展のみの博物館なので、常時遺物が展示されているわけではありません。ただ、収蔵はたくさんしているようなので、タイミングを合わせていってください。

森町の鷲ノ木遺跡は高速道路の上にあって年に何回かしか見学できませんが、遺物は森町遺跡発掘調査事務所にあって年中見れます。なんと言ってもイカ形土製品が秀逸、他にも色々あります。

青森県青森市エリア

青森市には三内丸山遺跡と小牧野遺跡が、青森市から比較的アクセスしやすい外が浜町に大平山元遺跡があります。

三内丸山遺跡と小牧野遺跡はそれぞれ遺跡と展示施設がセットになっているので、遺跡を見て遺物も見ることができます。

2つ合わせるとかなりの量の展示になるので、時間はたっぷり取る必要があると思います。

大平山元遺跡も近くに大山ふるさと資料館があり、そこで遺物を見ることができます。青森市内からは在来線で1時間半ほどでいけます。

大平山元遺跡といえば、世界最古級の1万5000年前の土器が有名ですが、こちらでも見ることができるようです。

ただ、この3つの遺跡の遺物が多く展示されているのは、青森市内の青森県立郷土館です。こちらは、青森県の縄文遺物を見るなら真っ先に行かなければいけない場所なのですが、2022年1月現在改装中となっています。早く再オープンしてほしいです。

青森県津軽地方

このエリアの遺跡は、つがる市の田小屋野貝塚と亀ヶ岡石器時代遺跡、弘前市の大森勝山遺跡です。

津軽市の2つの遺跡の遺物は、つがる市縄文住居展示資料館(カルコ)とつがる市木造亀ヶ岡考古資料室に主に展示されています。このエリアの有名遺物といえば遮光器土偶のしゃこちゃんですが、本物は東京国立博物館にあるので、こちらには複製しかありません。でもほかにも見応えのある遺物がたくさんあるので、問題はありません。

ちなみに、森田歴史民俗資料館にもつがる市の縄文遺物が展示されています。

大森勝山遺跡は市街地から離れたところにあり、ガイダンス施設として裾野地区体育文化交流センターがありますが、もあまり展示はなく、主な遺物は弘前市立博物館にあります。

大森勝山遺跡の遺物はかなり地味ですが、博物館に行けば猪形土製品の「いのっち」も見れるので、まずはこちらに行きましょう。

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青森県南部地方

このエリアの遺跡は、二ツ森貝塚、是川石器時代遺跡プラス関連資産の長七谷地貝塚です。

八戸市の是川石器時代遺跡には立派な展示施設「是川縄文館」があります。さらに市内には八戸市博物館もあり、この2つに長七谷地貝塚の遺物も展示してあるので、八戸市内で2つの遺跡はカバーできます。

是川縄文館には、国宝の合掌土偶があります。出土地は、是川遺跡の対岸の風張1遺跡ですが、同じ地域のものなのでまあいいでしょう。

七戸町の二ツ森貝塚にも展示施設があります。二ツ森貝塚といえばの鹿角製櫛も見られます。

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岩手県

岩手の遺跡は御所野遺跡のみ。遺跡に展示施設があるので、こちらで網羅できると思います。

こちらは岩手県ですが青森県南部地方にちかく、訪れるなら八戸とセットがいいかもしれません。

盛岡市の岩手県立博物館は土偶がたくさんあって楽しいですが、御所野の出土品はなかった気がします。

秋田県

秋田県の遺跡は、伊勢堂岱遺跡と大湯環状列石です。どちらも遺跡に展示施設があるので、出土品はそこで見ることができます。

この2つはかなり離れていますが、電車で2時間半ほど出いけるので、1日で回れないことはないかなという感じ。ともに冬季は閉鎖されるので注意が必要です。

個人的には、津軽地方、岩手、秋田が手薄なので、この機会にぜひ行きたいですね。

世界遺産に限らない、縄文の遺物が見られる博物館・資料館の情報はこちらにまとめてあります。


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