レインコード感想【ネタバレあり】
はじめに
やっとまとまった時間が取れたので、遅ればせながらレインコードをクリアしました。なので、全体をまとめた感想を書いていきたいと思います。
私は、ダンガンロンパ無印、2、3(アニメ版)、V3を履修済みです。(絶対絶望少女と0は未履修)
今回、レインコードを購入する際も、ダンガンロンパのスタッフの新作ということで予約購入していました。
良かった点
キャラクターの個性が光る
ダンガンロンパ時代からそうですが、キャラクターデザインが非常に優れた作品です。小松崎類先生の美麗なイラストで各キャラクターの設定が大きく外面にも浮き出ているようなデザインがされていて、発売前からとても楽しみにしていました。実際にプレイしてみても、キャラクターの性格や考え方を楽しめて非常に満足度が高い点の一つです。
しかも、今作では、全キャラクターが忠実に再現された3Dモデルで動いているため、小松崎類先生のデザインが元気に動く姿は見ていてとても目に嬉しいです。
そんな私のお気に入りキャラクターは、死に神ちゃんとプッチーラヴミンとクルミウェンディーです。みんなめちゃくちゃ可愛い。
前作の先入観をうまく取り入れている
ここはダンガンロンパプレイヤーの皆さんがニヤニヤできたポイントだと思っています。5章の「ホムンクルスの特徴」という解鍵ですね。そもそもダンガンロンパやっているときから気になっていたり、謎迷宮でユーマの血が赤かったりと気付けるように作ってあったのがとても良かったです。ここのスタッフはメタ視点をうまく作品トリック(叙述トリック)に仕上げるのがとても上手いですね。
悪かった点
個人的な意見ですし、誤った認識により悪かった点としているところも多いかもしれません。チラ裏の落書きだと思いご放念いただき、是非皆さまは一度自分でプレイしてみてください。
基本的に「ダンガンロンパと比べて~」という批判の仕方をしています。
テンポが悪い
発売日からいろんなゲームニュースサイトで「ロード時間が長い」という感想がありましたが、そこはゲームハードの特性や最適化の問題から致し方が無いと思っており、私はそこは問題視していません。
私が感じたテンポの悪さは「ロード時間が長い」ことではなく、「調査パートや推理パートでの無駄な要素がある」ことです。
調査パートでは、敵である保安部員から逃げるような箇所の多くでQTEが強制されています。本作はQTEが多く使われていますが、個人的にQTEって2000年代に流行ったアクション要素で、今時では全然ないよね・・・って思いました。
推理パートでは、一本道を移動させるシーンが多くありました。実際ここは主人公たちの会話を聞くだけなので、まったく移動を行う必要はないのですが、それでも、景色があまり変わらない一本道を無駄に歩かされるのはあまり面白いとは思えませんでした。ダンジョンというシステムだから仕方がなかったんですかね・・・。
アクション要素が酷い
推理パートで行うアクション要素、特に推理デスマッチが酷かったです。推理デスマッチとは、謎迷宮内の謎怪人が飛ばしてくる発言を回避・はじき・反論するものですが、あまり楽しいものではありませんでした。いくつか理由を述べます。
動作後の入力受付開始までが長いため、動きがのっぺりしているように感じる。
「早送り」中でも、正しく敵の発言を回避する必要があるので、ただただ難易度が上がっただけになり鬱陶しい。(ダンガンロンパでは「早送り」してもダメージを食らうことは無かった。)
「雑音破壊」が1回で破壊しきれず複数回切る必要があり、爽快感が無い。破壊時の音もあまり耳当たりの良いものでないため、無視したい要素になっている。
ロードの長さは気にならないと言いましたが、推理デスマッチへ移行するときのロード時間はとても長かったですね・・・。
犯行内容を予想しやすい。
今作の推理は、すべて主人公が自分で集めた情報を深く推理する進め方になっています。そのため、推理パートの開始時(謎迷宮に入る前)には全ての証拠(解鍵)が揃っており、この時点で、犯人や犯行方法が予想できてしまいます。そうなると、推理内容やアクションパートは時間がかかるだけの読み物でしかなくひどく退屈な時間になってしまっていました。
ダンガンロンパでは、キャラクターが様々な箇所をそれぞれ調べていくので、推理を進めていく中で別の発見があり推理を変えることや、そもそも何も分からないまま推理を始めるなんてこともあり、ハラハラドキドキできていたのですが、そういった感覚がないまま本作は終わってしまいました。
選択肢を間違えた理由が分からない
本作の推理パートの中には、3箇所の足場から正しいものを選び進んでいくというものがあります。正しい足場を選べばユーマが正解の理由を言いながら進んでいく一方で、間違った足場を選んだ時にはダメージで体力が減るだけでやり直しになります。
ダンガンロンパでは、間違った選択をした場合、他のキャラクターから間違っている理由を指摘された記憶があるのですが、本作では理由もなく間違いだと扱われるだけで、スッキリしないなと感じました。
そもそも、このアクション自体が個人的にあまり好きではないです。謎迷宮内でこのアクションを体験しているユーマからすると、3箇所の足場を適当に選び、根拠がなかったとしても正しい足場なら次に進める、間違った足場なら崩れてしまうが少し体力が削られるだけ、というローリスクハイリターンなアクションでしかないです。推理し根拠を組み合わせて正解に辿り着くのではなく、たまたま正解になったので辻褄の合う根拠を後出しで考えるという行為に見えて、探偵の進み方ではないなと感じていました。
ベテラン声優の出番が少ない
正直、私がダンガンロンパを買う理由になったのはベテラン声優がめちゃくちゃ出ていてメインパートががっつりフルボイスなところでした。好きな声をいっぱい聞けることがとても楽しかったです。
本作も、ほっちゃん(プッチーラヴミン)、ゆかりん(メラミゴールドマイン)、関さん(ジルチアレクサンダー)、森久保さん(エイフェックスローガン)、子安(ヤコウフーリオ)などの名前を見て、このキャラクター達との交流がめちゃくちゃ楽しみだ!って思いながら発売日を楽しみにしていました。実際にプレイされた方なら分かると思いますが、私の予想は大きく裏切られてしまいました。(このゲームにおける私のピークは0章です。)
ダンガンロンパでは、主人公の声優が非常に豪華で、緒方恵美、高山みなみ、林原めぐみ、という大御所で推理パートをゾクゾクしながら楽しんでいたのでした。しかし、今回の主人公の声優は、失礼ながら、自分は存じ上げない方であまり有名な役もなさっていない方だったので、ただ単調に台詞を聞くだけ、というプレイになっていました。もし、主人公の声優が、種﨑敦美ならこの感想も大きく変わっていたかもしれません。鈴代紗弓さんというとても良い声の声優さんを発掘できたのでそれはそれで良かったですが・・・。
特殊能力が不公平
レインコードでは「探偵特殊能力」という異能を使って事件を解決するのですが、探偵側には異能がある一方で、犯人側はただの一般人であることに不公平感を感じました。
ダンガンロンパでは、登場人物全員が「超高校級の能力」を一つ持っており、それらの異能を巧みに使った犯人のトリックに対して、こちらも異能を使って調査したり推理するところに、異能ミステリという新たな新カテゴリという面白さを覚えていました。しかし、本作ではトリック自体は一般的なミステリ作品のようなものでしたが、そこに辿り着くために自分たちだけ異能を使う、いわば自分たちだけチートを行っているように感じました。探偵VS犯人の公平なステージではないため、真剣勝負を感じられなかったところが残念です。
私がこの作品に求めていたのは、ミステリではなく異能ミステリなのです。
推理パートへの導入が雑
調査パートから推理パートへ変化する、つまり謎迷宮へ出発する理由が好きじゃないです。本作では、主人公たちが迂闊な行動をしていたために、保安部に見つかり窮地に陥ってしまい謎迷宮に逃げ込む、というような導入でした。
プレイヤー側からすると、「十分な調査が出来ていないように見える状況で、強制的に推理させられる」理由が、「主人公が迂闊(無能)だから」ということになり、主人公に対してヘイトを向けてしまっていました。
ダンガンロンパでは、「十分な調査が出来ていないように見える状況で、強制的に推理させられる」理由が、「モノクマが調査時間を打ち切ったから」ということで、敵(モノクマ)に対してヘイトが向き、うまくヘイト管理ができていたと感じています。
その他
5章から数日後であるエピローグにて、ユーマココヘッド(真)がホムンクルスに必要な栄養素をラーメンに取り入れることができたという話がありました。意味が分からないです。ちょっと料理が上手いだけで探偵としても特殊能力さえない見習い小僧が、専門の研究者が束になっても解決できなかったホムンクルス人肉問題をたった数日で解決してしまっている、というのがあまりにも酷い締め方だと思いました。マジでマコトカグツチ何やってたの?その場しのぎの肉まん工場作ってる暇あるなら、人肉の要素分析して原因解明すれば世界規模の誘拐事件を起こさずに済んだんじゃないの?3年間も何やってたの?本当に世界一賢い人間のクローンなの?と思ってしまい、自分の中でマコトカグツチのエリート性が揺らいでいます。大団円にしたくてももう少しやり方があるだろ・・・。
また、ユーマココヘッド(真)が「ラーメン屋楽しい~」って言っていましたが、こいつは探偵になる夢を秒で諦めたんですか?サブキャラクターだから掘り下げないのかもしれませんが、あまりにも雑に夢を諦めすぎている・・・。最初からレストラン修行しとけや。
最後に
以上が私のレインコードの感想になります。点数をつけるとこうなります。
レインコード単体で評価するなら80点であるが、ダンガンロンパスタッフがノウハウを基に作ったという背景も含め発売前に私が期待していた内容からすると40点といった感じです。続編が出ても買わないかなって感じです。
でも、プッチーラヴミンやメラミゴールドマインのDLCが出たら買います。