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【アーセナル】EuropaLeague/ベスト16第2節/vsSporting(H)【ごとこの備忘録】

試合前展望

 久々の圧勝劇となったフラム戦から再度ELノックアウトステージへ舞台は戻ってきた。アーセナルはエディの数週間の離脱+ジェズス、トロサール復帰直後という心配がありつつ概ねメンバーが揃っている状態。

 また試合前、アルテタが従来の交代選手の名称"Substitute"を、試合途中から新たな風を吹き込みインパクトを与える者"impactor"へと変えた取り組みが話題に。スタメンやベンチ関係なくチーム全体が一丸となってシーズンを送る意気込みの表れとなっており、良い選手マネジメントの一環だと個人的に思う。

 あとは今節はあの有名なラ・リーガ審判マテウ・ラオスが担当。どうか荒れた展開にならないようきちんとコントロールしてくれることを願う。

試合結果

ARS 1-1(aggregate3-3) SPO
PK戦:ARS 3-5 SPO
ARS:ジャカ 19'
SPO:ゴンサルヴェス 62'(Aパウリーニョ)
https://www.sofascore.com/arsenal-sporting/Rsbkb

スターティングメンバー

左アーセナル、右スポルティング

試合展開

 アーセナルはジェズスのスタメン復帰にネルソンを右WGへ置いてサカの休息措置。対するスポルティングはコアテスと守田のサスペンションに伴いディオマンデとウガーテが出場を果たした。

 さてアーセナルはホームという事である程度余裕のある試合運びを期待していただろうが、特に試合序盤はスポルティングのアグレッシブな姿勢が刺さり苦労していた印象。プレスにおけるジェズスの猛追と味方の連携が少々ちぐはぐだった部分を突かれ、自陣から丁寧に繋ぎ前進することを許してしまっていた。

 またアーセナルは攻撃面も芳しくなかった。メンバーを何枚か変更した事もあって中央でのショートパス連続から突破を狙うより、いつもよりサイド攻略に攻撃の主軸を置いた印象を受けた。ただサポートの少なさや安易なバックパスの奪取によりカウンターを招いてしまうシーンも多々あった。

 総合してスポルティングペースという見方が前半10分程度経過して抱いた正直な感想。ただ得点はその劣勢なアーセナルにもたらされる。

19' ジョルジーニョの大きなスルーパスに大外抜け出したマルティネッリがアダンとの1vs1でシュートを放ち、一度は防がれるもジャカがこぼれに反応、アーセナル先制

 だが得点こそしたものの依然奮わないパフォーマンス。ジンチェンコの組み立てや前線のテクニカルさも鳴りを潜めアーセナルらしいビルドアップが出来ていない状況。

 加えて得点に前後してしまうが冨安の股割り自滅とサリバの負傷交代も大きな向かい風となってしまった。クレバーで対人戦に強い2人が不在となり、早々の退場というイレギュラーが精神的にもピッチに残った選手に多少なりとも響いただろう。ホワイトはともかく、代わって入った髪の毛ふさふさホールディングはコンディションこそ徐々に上がっていったものの保持時のボールの晒し方的にビルドアップの質が一歩劣っていた。

 また名物審判さんマテウラオスのレフェリングも個人的には微妙。サカをファールから守らない近年のPL審判団の流れを踏襲したかのようにマルティネッリが相手選手のサンドバッグ状態となっていたのが不服だった。

 ただ、初めの方こそボールを持ち狙い通りの守備プランを実行できていたスポルティングは得点時間を契機に少しペースを落とす。それでもゲームプランとしては手ごたえはある程度あったのではないだろうか。アーセナルはファーストレグの焼き直しのような微妙さ。自分たちのプレーが出来ていないという訳では無いが採点するのならば60点という評価がぴったりな前半戦となった。

 そしてそんなアーセナルをハイプレスとポゼッションで押し込み続け、陣地回復の糸口を作らせないスポルティング、という後半の立ち上がり。週末パレス戦に向けジェズスを下げトロサールを投入したアーセナルだったが、前線にボールを供給するシーンを全く作れず20分近く守備に奔走していた。

 繰り返しになるが前半よりも押し込まれる時間が増え、やっとポゼッションを確立しても不用意なロストにより被カウンターの回数も増えていったアーセナル。そしてそこから同点弾を与えてしまう。

62' 中盤で連携ミスからロストしたところをパウリーニョが回収し、ゴンサルヴェスがラムズデールの前傾なポジショニングを見逃さず頭上を越えるロングシュートで強襲、スポルティング同点

 流れをある程度引き戻したいアーセナルはすぐさま65分頃にトーマス、サカを投入。流石の2人といったプレーを披露しリーグ戦で見せる存在感をもってより通常運転に近いアーセナルへと変わっていくのが観ていて分かった。

 ただチャンスの総量ならばアーセナル側に分があるが質の高さではスポルティング側、共に決定打に欠ける展開が続き試合は延長戦へと突入する。

 延長戦では100分頃にウーデゴールを更に投入。最後のもう一押しをここで加え観客を煽り仕留め着る算段に出た。ウガーテのイエロー2枚目セントオフも挟みつつ両軍入り乱れる総力戦。それでも決着はつかず勝敗の行方はPK戦へ。

 結果として後攻アーセナルは4人目マルティネッリがアダンに阻まれ失敗。PK戦までもつれこんだ勝負はアーセナル側に勝利の女神がほほ笑むことなく敗戦、22/23シーズンのヨーロッパリーグはベスト16という結果で幕を閉じることになった。

ピックアップ選手

 個人的にホワイトやジェズス等輝くシーンがあった選手もいたと思うが敗戦という事で無し。

全体雑感・次戦に向けて

 アウェーゴール制度廃止に伴い勝利を掴めず延長、PKともつれ込んだ結果ベスト8を逃したアーセナル。ELの敗退はリーグ戦への集中につながるが、長期戦の末惜敗というのはメンタル的にも疲労度的にもダメージは大きいだろう。

 また冨安サリバの負傷交代がこの試合一番のネガティブ要素。2人同時離脱となるとホワイトが右CBと右SBどちらかにしか入れずホールディング等出番がここまでなかった控え組をリーグ戦に投入することとなりとても心配である。

 ただ泣き言を言っていても仕方ない。残り11試合のPLに専念し、文字通り総力戦でサブの選手も"impactor"として結果を出しみんなで優勝を掴みに行って欲しい。

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