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【アーセナル】PremierLeague/第24節/vsLeicester City(A)【ごとこの備忘録】

試合前展望

 ミッドウィークにCLが開催しプレミア勢が軒並み惨敗を喫する少々荒れた試合となり、また3月のELベスト16のドローも先日行われシーズン終盤への突入を感じる時期となってきた。

 さて打って変わってアーセナルは、チーム最高在籍年数を誇る功労者エルネニーとの契約延長を先日発表。また公式発表こそされていないものの、納得のチーム最高クラスの週給獲得が含まれるサカとの契約延長もまとまったと見られており、公式戦4戦勝ち無しの不調から明けた前節から良い雰囲気が継続して漂っている。

 そんな中24節で対戦するのはレスターシティ。現在勝ち点24ptで14位と少々奮わないシーズンを送っている。ただ移籍が噂されるティーレマンスやマディソン、また実力者バーンズやイヘアナチョなどが在籍し、アウェイという事もあり決して容易な試合にはならないことが予想される。

 しかし前節の勝利で首位に再び返り咲いたばかりの我らがアーセナル。今季ここまで歩んできた連勝街道にいち早く復帰し、優勝争いから脱落することなく追われる側としての立場を今節の勝利という結果をもって継続させて欲しいところ。

試合結果

LEI 0-1 ARS
ARS:マルティネッリ 46'(Aトロサール)
PL公式MOTM:マルティネッリ
個人的MOTM:ガブリエル
https://www.premierleague.com/match/75156

スターティングメンバー

左レスター、右アーセナル

試合展開

 今節は試合開始前からスタメン選出に動きあり。こちらはジェズス不在の穴を埋め続けてくれたエディが疲労を考慮してベンチから出場を伺い、レスターは好調マディソンがベンチ外という選出に。

 またウクライナ侵攻開始から丸1年という事で、ウーデゴールたっての希望でジンチェンコがキャプテンマークを巻いての出場となった。

 さて試合は本職不在というファン最注目のCFポジションにトロサールかマルティネッリどちらが入るのかというポイントから始まる。

 結論から言うとCFとして出場したのはトロサール。これはヒートマップを見れば明確で、後半エディがトロサールと交代しそのままトロサールが居たポジションに入ったことからも分かる。

 ただ試合を通してトロサールは左へ流れることもしばしば。その際マルティネッリと何度もポジションを入れ替えながらボールを受けようとしており、守備基準をずらされるレスター側からすればやりにくかっただろう。また本来大外に張っての仕事よりもゴールに近い中央寄りでの抜け出しがストロングポイントであるマルティネッリとも非常にシナジーが良かった。

 また更にこのトロサールを中心にチーム全体が流動的なフォーメーションを形成。ジェズスが居たシーズン序盤のような流れる攻撃が可能となっており、それに伴ってボールが循環するので自信をもってプレー選択する流れが生まれていた。失うことを恐れないので更に効果的な難しいパス選択へもトライ、結果的に良い攻撃を行うことに繋がっていた。

 加えてアウェイファンの声援も印象的。どちらがホーム開催かわからない程の手厚いサポートも相まって、文字通りピッチを支配していたアーセナル。

 この流れでアタッキングサードへ頻繁に侵入を繰り返しセットプレーも多数獲得。その中で26分のCKからトロサールが見事なコントロールシュートを沈め勝ち取った先制点があったものの、ホワイトとウォードの接触でファールを取られ取り消し。その後もエリア内でサカへの明らかなホールディングがお咎めなし、却ってマルティネッリへの厳しいイエロー提示など一貫性のない判定が多発し少々不可解ではあったが、得点の匂い自体はぷんぷんしていた。

 こういったアーセナルにとっての逆風が吹いたこともありレスター側も僅かにボールを持てる展開に。だが終わってみればアーセナルの支配率は70%越え、レスターはシュート企図数&CK獲得数共に0本と攻勢をかけ続けており、惜しむべくは未だに得点がないこと、そういった前半の締めくくりであった。

 ハーフタイムが明け後半。ここでいきなりスコアが動く。

46' ガブリエルのクリアボールを上手く収めたトロサールからナツメグパス、ハーフスペースを抜け出したマルティネッリが流し込みアーセナル先制

 前半に引き続いての押せ押せムードの中、後半立ち上がりに得点を奪えて一安心といったところ。また、得点直後のマルティネッリの膝の痛がり方が尋常ではなかったがその後もプレー続行出来ていたという点でも一安心である。

 だが仮にも前節トッテナムを4得点粉砕したレスター、ただではやられなかった。60分ごろに用意していたであろうヴァーディとティーレマンスの投入をもってチームに活気を取り戻す動きを見せた。

 この交代はある程度は刺さっていたように見えた。特にヴァーディはジョルジーニョ含めバックラインへ迫力あるプレスを敢行。基本いなしきれていたがロングボールに逃げるシーンもあり、レスターも縦に早い攻撃を仕掛ける為オープンな状況へと変わっていった事がアーセナルにとっては望ましくなかった。

 対するアーセナルも70分、80分ごろにそれぞれエディとトーマスを投入。両名疲労と怪我からの復帰によるコンディション面が心配されたが問題なくプレー出来ていた。なんならトーマスはジョルジーニョではなくウーデゴールと交代しそのまま右IH起用というサプライズ。3列目が本職の3人が4-3-3の中盤を担い、来夏確実にあるだろうCMF補強と合わせて中盤の組み合わせにおける更なる可能性を感じたシーンであった。

 加えて最終盤には恒例の締めの冨安も投入。こうして交代を織り交ぜながら試合を落ち着かせ上手く締め切ったアーセナルが、マルティネッリの決勝点を守り切りアウェイレスターで勝ち点3ptを積み上げることに。同じ試合消化数下で2位シティ相手に5ptクリアーである。

ピックアップ選手

ガブリエル・マガリャンイス

 レスター初めの決定機テテとの1vs1をクリーンに制したところから始まり、数少ない被カウンター時も人数と位置を把握し適切にディレイをかけ味方の帰陣を待つ冷静な対応を見せ続けた。とにかく守備面がソリッドで、レスターの攻撃を全てシャットアウトし続ける鉄人っぷりを発揮した。

全体雑感・次戦に向けて

 xGこそ伸びなかったものの、特に60分頃までの攻勢を鑑みれば複数得点が欲しかった、というのが試合を終わってみての正直な感想だろうか。

 ただ対するレスターもファーストシュートを記録したのが70分を過ぎてからと、相手にチャンスを作らせない良い守備を続けていたことも事実。得点を取るのも勿論だが、それよりもこういった塩試合でしぶとく勝ちきることが出来ることが大事なのである。

 また今に始まったことではないが、アンカーはチームの心臓トーマスが不在、CFはジェズスに加え今節はエディもダウトという前までならいきなり大ピンチとなっていた状況だった中で、新加入組の2人が驚く程早いフィットでチームのクオリティを落とさなかったこともかなり大きいだろう。

 ということで3月を首位を迎えることが確定したアーセナル。直後行われた試合で順当に勝利を収め消化数が多いながらも勝ち点2pt差に縮めてきた2位シティがいるが、メディアで何度も選手たちが語ってきたように目の前の一戦に勝つことだけを考え、更に勝ち点を積み上げ続けていって欲しい。

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