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「スケリーフル出場で高パフォーマンス」vs.Ipswich(H)[1-0]【24/25PremierLeague 第18節】
試合前展望・キーポイント
前節クリスタルパレス戦はジェズスの覚醒を筆頭に、内容以上の複数得点による大勝を挙げた。しかし負傷交代をしたサカがハムストリング系の怪我で割りと重傷らしく、3か月程の離脱が見込まれるというかなりの大ピンチである。
18節で対するのは今季昇格組イプスウィッチ。順位もほぼ最下位と早くも降格候補になっているが、デラップやカルヴィンフィリップス、そしてアーセナルファンとしては見逃せないハッチンソンも所属している。前節の勢いを継続し、サカ抜きでもホームでの一戦を気持ちの良い勝利で収めたい。
キーポイント:マルティネッリの右サイド
試合情報
スターティングイレブン
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ハイライト
試合内容・所感
想像以上の守備力とスケリーの偽SB適性
大方の予想通り、降格圏に沈むイプスウィッチを相手に押し込み続ける試合展開。しかし想定以上にイプスウィッチのブロックには組織性が見られ、15分時点でのアタッキングサードのタッチ数は既に50を超えているものの前半はあまりシュートに漕ぎ着けていない印象が強い。
イプスウィッチは前に出ていく時と下がって固めるの判断と連動性が高かった。CFデラップは闇雲に前プレスをかける訳では無く、こちらのバックパスをスイッチにCHからバックスまでが揃ってラインを上げる。また押し上げる際も間延びせず距離感を一定にすることで疑似カウンターで楔を差されひっくり返されるケアも怠らない。
ゴール前でのもう一押しのアイディア力が足りないながらも、アーセナルも即時奪回から何度も自分達のターンを継続させる。選手単位で目立っていたのはやはりスケリーだろうか。とにかく奪われないし刈り取れる。スイッチを入れ複数人で囲まれても相手の進行方向を上手く利用し逆を突いた持ち運び。少しでもトラップが乱れると見逃さず奪い取るポジトラ意識も高く、総じて反転力が高く偽SBからのボランチ化に非常に向いているなと感じる。個人的にはファールを受けても倒れずプレーを続行させようとする気合も好きなポイント。
20分頃にはトロサールの鋭いクロスにハヴァーツが飛び込んで先制に成功。両サイドを満遍なく使い左右に揺さぶったからこそトロサールにクロスの余裕が生まれ中央でハヴァーツが飛び込むスペースが生まれた。
今日は不調?のセットプレー
アーセナルファンだというUnext解説の喜山選手が、ラヤのキャッチング力やライスを獲得出来るようになった今のアーセナルの復権ぶりについて触れているところからガチグーナー感を感じつつも、依然キレキレのジェズスが惜しくもオフサイドながら的確な裏抜けでゴールネットを揺らす中盤戦。ベストコンディションの時のように、ゴール前で攻撃のテンポを加速させるフリックや足元で受けすぎずオフ・ザ・ボールも素晴らしい。
交代無しのハーフタイムが明け後半。後半のアーセナルはより右サイドからダイレクトでゴールへ向かうようなシーンが増える。言うなれば左で生み出した時間とスペースを素早く右に預けて開放するイメージ。今季長期離脱の影響もあり1Gに留まるウーデゴールにもシュートチャンスが訪れる。
少しペースを落とし気味になった60分頃にはイプスウィッチも僅かながらチャンスを作る。デラップやカルヴィンフィリップスに絡まれてもいつもの仏頂面のままぶつかっていくスケリーの胆力には笑った。流石ハーランドに「誰だお前」と言われながら向かっていった男だ。
少し気がかりなのが今節のセットプレーの決まらなさ。いつものガブリエルがどフリーになる形は上手く頭で叩きつけることが出来ず、サカ不在の右CKは意表を突くバイタルへの低弾道クロスにライスがドンピシャで合わせるもオシェイのブロックに阻まれる。GKムリッチも徐々にノッてきて、前半より決定機が増えるも中々追加点を奪えない。
終盤には元アーセナルのハリークラークも出場。全体的にコンディションの低下が見られ足が止まっており、要らないオープンな展開を生んでイプスウィッチにワンチャンス生まれたところにケチが付いてしまったが、1点のリードを守り切り連勝を飾る。
個人的MOTM:Wiliam Saliba
前線メンバーに特段目立った選手がおらずスケリーと非常に迷ったが、クリーンシートの立役者となったサリバが個人的にはMOTM。デラップを始めイプスウィッチ左サイドのアタッカー達をクリーンに刈り取りつつ、どうしても間に合わない時はカードが出ない範囲でのタクティカルファールでシャットアウト。サリバがガブリエルと共に構えていたからこそスケリーはのびのびとプレー出来ただろうし、ラヤのアーセナル出場50試合23CSとレジェンドシーマン超えの記録樹立にも大きく貢献した。
試合総括・今後の展望
シティ、がドロー、ユナイテッド、チェルシーが負けとライバルたちが軒並み勝ち点を落としている中での非常に大きい勝利。消化数が1試合少ないリヴァプールと6pt差の2位まで浮上という結果に。フラム、エヴァートン相手にドローを喫した時は優勝争い脱落かと思われたが、意外とまだ良い順位につけているというのが正直な感想。
個人的にはやっぱりスケリーのパフォーマンスが一番印象深い。今節で初めてフル出場となった18歳は攻守でハイレベル、ベンチにカラフィオーリやジンチェンコ、ティアニーが控えていながらも最後まで交代しなかったところに今のスケリーの評価の高さが見て取れる。
次節は新年空けての2日ブレントフォード戦。フォレスト、ボーンマス、フラムらと共に今の魔境プレミアリーグを作り上げている間違いなく強敵な相手。サカ、ホワイト、冨安は依然として帰ってこれないだろうが、今の適切な位置で無理のない範囲でのプレーに徹する堅実スタイルを徹底できるなら決して難しい相手ではない。2024年を勝利で締めくくった今、2025年の門出も勝利で飾って欲しい。