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「救世主トロサールが制した上位対決」vs.AstonVilla【24/25PremierLeague 第2節】
試合前展望・キーポイント
実力上位のチームが軒並み勝利スタートを切った今季の開幕節。アーセナルが2試合目に戦うのはアストンヴィラ。昨季優勝を逃す大きな要因となったシーズンダブルを食らわされた相手である。苦手意識の根強いエメリ率いる曲者集団に、新加入選手を加え熟成されたアルテタアーセナルの底力を見せ、難所で勝ち点3ptを拾いたい。
キーポイント:ティンバー左SB起用含め、ヴィラのファーストプレスを突破出来るか。
試合情報
スターティングイレブン
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ハイライト
試合内容・所感
・ヴィラは4-4-2のミドルゾーン封鎖。トーマスティンバーは2トップがマンマーク気味、2列目4人は等間隔の立ち位置で楔を警戒するゾーン守備。
・サリバ、ガブリエルが余裕をもってボールを持つが出し所が少なく運びづらそう。
・これに対しトーマスは列落ち、ティンバーは純正SB化の香車ロールと各々打開策を模索。
・マルティネッリとのマッチアップからキャッシュが右ハムストリングの負傷交代。
・ボックス内サカの得意角度のシュートはマルティネスの好セーブに阻まれる。
・今度はベイリーが切り返す動きの中で膝を負傷、交代は無いもののヴィラのコンディションマネジメントに疑問。
・十八番のハイプレスはわりかし成功、極力ショートパスを繋ぎたいヴィラに対し、じわじわと下げさせハヴァーツウーデゴールでマルティネスをシンプルに追い詰め、セカンドボールのデュエルで勝利する形。
・ガブリエルへのベイリーのチャージからショートカウンターを発動されるも、ワトキンスが簡単なボールを外し難を逃れる。EURO初招集、長期間の代表活動による影響か。
・ウーデゴールも列落ちでプレスに対応。サリバ、ガブリエルもより持ち運びCH役と2v1を作る事で中央のパスコースを作り出す。
・例に漏れずマッギンの荒々しく感情的なプレー。サリバが標的にされるもホワイトがクリーンにしっぺ返し。
・ロングカウンターやマルティネッリの深い位置からの折り返し等継続してチャンスは作るがなかなか決めきれない。
・ロジャースが好印象。パスにプレス耐性、キャリーが特に上手で単独でアーセナル陣内へ侵入されるシーンも。
・ヴィラのチャンスシーンも次第に増加。比較的早い段階でバックスが前進パスを送り、中央をダイレクトに切り進む形。
・アーセナルは列落ち頻度の高さ、ヴィラはプレスを引き付け切る前に前進のスイッチを入れるなど、両者前に十分に人数が揃ってない段階での攻撃が散見される。
・サカはダブルチェックの頻度が高くウーデゴールらとの連携から打開したいが、同サイド圧縮の意識が高くこじ開けるのが困難。
・鍔迫り合いの時間が長くチャンスを枠内シュートに繋げられない前半。個人的にはトーマスの以前程の理不尽ターンが無く、70点台のプレーに終始しているのが少々気がかり。
・全体を通してプレスバックが見事。素早い帰陣でカウンターのやり直しを強制、特にマルティネッリのコースの切り方と全力ダッシュが素晴らしい。
・マッギンの折り返し→バイタルのオナナシュート→ポストに跳ね返ったボールのワトキンス押し込みという1番のピンチはラヤが執念のセーブ。
・ネガトラ時のトーマスが心配。対面のホルダーに何度も振り切られるシーンが。せめて付いてってディレイをかけるだけでいい。
・65分トロサール投入、エリア外からの積極的なシュートと利き足インスイングクロスに期待。ワトキンスは前節に続きあまり結果を出せず交代。
トーマスの十八番列飛ばしパスでサカへ、1度中央でやり直し再度サカのサイド突破で折り返し、ハヴァーツが収めきれなかったボールをトロサールが叩き込み均衡が敗れる。投入後わずか2分、数字絶対残すマンことトロサールの見事なゴールへの嗅覚が発揮された場面。
・リードしてから若干保持を怖がっている印象。それでもキャプテンウーデゴールは流石のいなし力、安定をもたらしている。
トロサールが綺麗に最終ラインを割った裏抜けから折り返し、ファーサイドサカのやり直しにバイタルで構えていたトーマスが地を這う強烈なシュート、マルティネスの手を弾きゴールへ吸い込まれる。
・80分カラフィオーリ、またもトロサール→インナーラップライスからウーデゴールと繋がるも枠外へ。トロサールの投入から明らかに惜しいシーンが増える。
・ラムジー裏抜けの大ピンチはサリバが神対応、ギリギリの隙を狙ったスライディングで掻き出す。
・要注意人物ベイリーを上手く相手にしていたティンバーに、代わったカラフィオーリも仕事を全う。出足の良く長いストロークのある守備で攻撃をせき止める。
個人的MOTM:Leandro Trossard
前節に続き神セーブを連発しCSに貢献したラヤを推す声も多いだろうが私はトロサールを推したい。マルティネッリ先発に多少なりとも思うところはあるだろうが、そういった怒りをピッチ上で数字という結果に表し正々堂々と監督を悩ませる姿は称賛に値する。投入直後のゴールはじりじりとした展開が続く中での待望の先制点で、追加点も対面のネデリコヴィッチの裏を完全に突いた抜け出しから生まれた。マルティネッリかトロサールか、持つ特徴が全く異なる2人のプロフェッショナルをどうマネジメントしていくか、今後のアルテタの手腕に注目だ。
試合総括・今後の展望
キーポイントとした「ヴィラのファーストプレスをどう突破するか」に関しては、CBへ圧をかける事が少なく中央封鎖の色が強い構え方にアーセナルは苦戦してしまった。それでもトーマス、ティンバー、ウーデゴールらが縦関係や列落ちを織り交ぜビルドアップ局面での力関係を五分に戻せた事、ヴィラパークというシーズン屈指の難所で自陣からの攻撃機会をコンスタントに生み出せた事を考えると、悪くない出来だったのではないだろうか。
個人的にはトーマスのパフォーマンスが少々気がかり。特に非保持で容易に剥がされリトリートに転じる時間作りがあまり出来ていなかった事から、これからも難敵との戦いが続く中でよりゴールに直結するピッチ中央での防波堤として不安が残る。またマルティネッリに関しても一部不満の声が上がっているようだが、彼に関しては非保持での貢献が大きすぎるし、大外でボールを持てば強引にクロスまで辿り着く事が出来ていたのでそこまで不安視していない。
それでも、難所ヴィラパークでワトキンスの不調が感じられる時期に戦いきっちり勝ち点を奪えた事はかなり大きい。優勝を目指すチームとして、不安要素が残りながらもまずまずのコンディションでも勝つ事に意味がある。カラフィオーリやティンバーの適応も問題無さそうなので徐々に調子を上げビッグマッチに上手くピークを持っていきたい。