【アーセナル】EuropaLeague/ベスト16第1節/vsSporting(A)【ごとこの備忘録】
試合前展望
劇的な勝利を収めたPLボーンマス戦から一週間弱、先日抽選が行われ、日本が誇るボランチ守田擁するスポルティングと決勝トーナメントで相対することとなった。
アーセナルとしては、現在出番に飢え夏の放出の可能性も考えなければならなくなっているティアニーが満を持してELでの出場となるところだったが病欠と間の悪い欠場となり、またジェズスやトロサールもまだピッチに立てるコンディションではないというのが現状。優勝が懸かったPLとの両立という出力をどれだけ行うのか判断が難しい状況だが、ターンオーバーを行いつつセカンドレグにある程度余裕を持って臨めるような結果を期待したい。
試合結果
スターティングメンバー
試合展開
前節PLボーンマス戦から6枚の変更。ウーデゴールの位置にヴィエイラが入り、キヴィオルがファーストチームのデビューを飾った。
試合序盤のスポルティングは541でミドルサードにどっしりと構え、ボールを保持しようとする姿勢は見せるが長い球を使うことも厭わず。安定策を取ってアーセナル側の出方を伺っているように見えた。
結果ボールが行き交う展開となり少々浮ついた入りに。だが時間と共に両者攻撃では見せ場を作り始める。
アーセナル側としてはヴィエイラが存在感を発揮。前進した際にスポルティングはPLのチームに比べ2列目の戻りが遅くライン間が割と空く印象。ここを主戦場とし受け手になりつつもサカ、ホワイトとのユニットで右サイドの前進に大きく貢献した。また左サイドもネルソンがオン・ザ・ボールで違いを見せ、ジンチェンコもいつもの偽SBロールをこなした。
対するスポルティングは少ないパス交換からシンプルに抜け出しクロスを放り込んでチャンスを伺う形。ここはバックラインが中心となって容易にエリア内でのプレーを許さなかった。
フェアに言えば拮抗した展開。その為流れの中ではなくセットプレーから得点が生まれたのはある意味当然の結果だった。
ジンチェンコとコアテスの交錯から両者イエローのいざこざがありつつも、先制点+キャプテンのコアテスが次節サスペンションという思わぬ副産物をも獲得した。
だが先制点後はまた芳しくないアーセナルへ。ネルソンのランをシンプルに使えず自陣で繋ぎ続けようとした結果却ってロストからカウンターを招くシーンが散見されたりと、やりたいこととやるべきことのちぐはぐさが少々露呈していた。
また不調はメンバーを大きく変更したことも原因の一つだろう。今回1トップ起用されたマルティネッリは本来WGポジションとCFポジションの入れ替わりからチャンスを創出するタイプの選手。溜めを作りゲームメイクするタスクを任せるには役不足だった。またキヴィオルもチャレンジングなパスを行わず保守的なプレー選択に終始し中々リズムを作れなかった。まぁここはチームに溶け込むまでの時間の問題なのでそこまで心配はしていないが…。
そんなこんなで思わしくない状況に。その不穏な空気から今度はスポルティング側がセットプレーから得点を掴むことに。
その後はスポルティング側に風が吹く流れ。序盤こそ繋ぐのを早々に諦めていたがホームの加勢もあり厚みのある攻撃を展開、ゴールに迫る回数も右肩上がりで増えていった。
結局そのまま得点が動かず後半。依然ホームのスポルティングが少し優勢な状況から、遂に逆転を決めることに。
得点後は更にオープンな展開。59分マルティネッリの4人ぶち抜きロングカウンター未遂を筆頭にトランジションで迫力ある攻撃が出来ているが、遅攻では最後僅かに合わず得点に至れない。それどころか縦に速い攻撃は完結度合いから判断するにスポルティング側に分があった。
だが得点は思わぬ形から生まれる。
ラッキーな展開からなんとか同点弾を奪ったアーセナルは反撃のチャンスと見るや否や交代策を敢行、直後冨安を投入し左SBへ。またスミスロウ、ガブリエル、トーマスらも送り込み活性化を図った。特に右IHへ入ったスミスロウとサカとのユニット攻略はグーナー垂涎もの。流動的なパス交換で前進しスポルティングを脅かした。
ただそれでも決定機へは至れない。ある程度改善された連携面も連戦の疲れからか思うように結果に結びつかず、両者精彩を欠く攻撃を繰り返しながら試合は幕を閉じていった。
ピックアップ選手
ファビオ・ヴィエイラ
ウーデゴールに代わって久々に右IHとしてスタメン出場を飾った。代役と呼ぶべきかは分からないが彼の役割をヴィエイラなりに高い水準でこなし、間受けから良いパスコース選択で散らして攻撃を加速、プレスバックも怠ることなく全方面で活躍した。またヴィエイラはスタメン出場した試合のゴール関与数も高く、今節もしっかりアシストを記録した。
冨安健洋
投入直後の見事なドリブル突破から始まり、守備ではサイドでの1vs1を制し続け直近の批判を跳ねのける素晴らしい活躍を見せた。特にジンチェンコに代わって入った左SBでは彼の複雑な偽SBロールを遜色ないレベルでこなし、神出鬼没な動きでビルドアップ、カウンター阻止に一役も二役も買った。
ウィリアム・サリバ
結果的に2失点という結果が残ったものの、やはりELの舞台ではサリバの落ち着きがもたらす安定感は抜群。攻守ともにクレバーで淡々と与えられた仕事をこなしチームを後ろから支えた。
全体雑感・次戦に向けて
結果はひとまず置いておいて、良かったところ悪かったところ、両面が見えた試合となり複雑な試合内容となった。
またスポルティング側も決してやさしい相手ではなく、抗議の仕方含めてホームの地の利を生かした試合巧者ぶりが垣間見える試合ともなった。
次節は中2日でPLフラム戦。今回出ずっぱりだったサカやマルティネッリ等疲労が気になる選手もいるが、シーズン終盤の総力戦、全てを出し切ってなんとか戦い抜いて欲しい。
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