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「ヌワネリゴラッソで3位フィニッシュ」vs.Girona(A)[1-2]【24/25ChampionaLeague 第8節】
試合前展望・キーポイント
プレミアリーグ前節は不可解な退場処分で、主審のマイケルオリヴァーに誹謗中傷が集まりPGMOLが公式声明を発表する程の騒ぎに。結局異議申し立ての結果スケリーのレッドカードは取り消されることになったが、だったら初めからVARできちんと確認しておけば全部丸く収まったやん…という感じである。
チャンピオンズリーグはいよいよリーグフェーズの最終節。シティを筆頭にいくつかの強豪クラブのがプレーオフやストレートインぎりぎりの戦いとなっているが、アーセナルは今節引き分け以上で自力でのトップ8確定と比較的容易な状況。ウルブズ戦終了後一人で立ち上がれない程疲弊していたハヴァーツらを休ませつつ、怪我人を出さないローテーションが第一に求められる。
キーポイント:初出場ネトのパフォーマンスや如何に
試合情報
スターティングイレブン
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ハイライト
試合内容・所感
締まらない展開から失点も第二の神童で逆転
思いのほかターンオーバーを施してきた今日のラインナップ。一番はやはりカップ戦ですらラヤが出ずっぱりでいつ見れるのかというネトの初出場。加えてサリバ、ハヴァーツ、ライスら特に負荷のかかるメンバーを休ませるラインナップ。
前半のアーセナルは左サイドからの攻撃が多め。前線のやりくりの関係で左WG先発となったスターリングがドリブルで仕掛ける場面も多く、オフサイドとなったもののラインブレイクからカラフィオーリがネットを揺らす場面も。左で作る関係上、クロスを上げると仕留めるのがヌワネリになってしまうのが少々畑違いのような気もするが、よりゴールに直結する位置にG/Aを稼げていないキャプテンを置けるという意味では悪くないだろう。
両者ボールを持ちつつもターンオーバーしたアーセナルが若干優勢といった展開の中、トーマスの裏をダンジュマが取ってそのまま打ったシュートがゴールに吸い込まれあっけない失点を喫する。オフサイドのような気もするが、それよりもネトのポジショニングがあまりに高すぎるなあ…。試合開始直後もあわや処理ミスというシーンがあったが、結果を残したい気持ちが空回りしている感は否めない。押し込みながらも仕留めれず締まらない展開となったツケが回ってしまった。あとダンジュマって今ジローナに居たんだ。
失点からアーセナル側は少々バタつく時間が続く。ハイプレス→同サイド圧縮が上手くハマらず、前傾姿勢をひっくり返されカウンターを招いてしまう。ネガトラ時の細かなポジショニングや瞬間的な受け渡しの精度はやはりスタメンが揃った状態に比べてどこかしらにボロは出てきてしまうもの。そのボロを突かれゴール前に運ばれる頻度が失点後は増えてしまった。
それでも攻撃の迫力は衰えず、10分後にはトーマスがエリア内で引っ掛けられPKをゲット、これをホームサポーターの妨害をものともせずジョルジーニョが冷静に沈め追い付く。カップ戦でPK戦の末ユナイテッドに敗れた記憶もまだ新しい中、嫌な記憶を払拭したPK職人には感謝だ。
そしてその僅か数分後にヌワネリのゴラッソで見事逆転。このゴールは本当に凄い。もうサカ。サカでしかない。外からぐいぐいと段階的に何度も切り込んできて、難しい体勢から上手く体を折り畳みつつパワフルな左足でのスイング。あまりに見事過ぎるチャンピオンズ初ゴール。サカ→ヌワネリとRWGの将来は安泰すぎる。
悲しみのスターリング劇場
配置や戦術で上回ったという訳ではないものの、個々のクオリティで逆転に成功した前半。後半は失点に関与してしまったトーマスにティンバーをチェンジ。何度も言うが今季絶好調のトーマスが本職ではない右SBをやってくれているだけありがたいのだ。
リードを奪い返したアーセナル、後半は攻守にかなり安定していた。無理に突っ込んで引っ掛ける事も少なく、カウンターを発動されてもフィニッシュワークはこちらの処理がイージーなクロスに限定させ、総じてインテンシティを上げ過ぎずじわじわとリードを確固とするような時計の針の進め方が出来ていた。
強いて触れるならばスターリングかなあ…。前半は惜しいドリブルもありつつ、大外でスペースを貰ってもゴールに迫るような決定的な仕事は出来ていなかった。そしてとどめのシミュレーションによるイエロー。正直厳しいと言わざるを得ない。
終盤には先日の退場処分が取り下げられるかどうかという瀬戸際でジローナ行の飛行機ですやすや寝ていた強心臓スケリーとハヴァーツを投入。一度グラウンダーのクロスからファーで決められたがVARの結果取り消し。この辺りから露骨に荒くなってきたジローナを鑑み、ピッチを落ち着かせる為にライスも追加投入。高強度の選手を後出し出来るのがターンオーバーの良い所。オープンになりつつあった試合を再度安定させにかかる。
さらにダメ押しの3点目になるかというPKはキッカーを務めたスターリングがジョルジーニョと同じコースに撃つもキーパーに阻まれ失敗。特に後半はスターリング劇場だったなぁというなんとも言えない印象を残しながらも、最終節も無事勝利で終える事が出来た。
個人的MOTM:Ethan Nwaneri
流石にヌワネリでしょう。逆転弾はシーズン通しても屈指のゴラッソで繰り返しになるが完全にサカそのものだった。ここ1年くらいは将来有望なアカデミー産の選手達が数多く他クラブへと流出し正直複雑な気持ちを抱いていたが、ヌワネリやスケリーレベルまでじゃないとトップチームに出る事すら難しいのだと、彼らのレベルの高さを実感すると共にアカデミーのハードルがより上がっていっていることに喜びを覚える。サカの控えはヌワネリでいいんじゃないかと強く感じる試合に。
試合総括・今後の展望
一向に減らない怪我人の影響と過密日程の煽りを受けハヴァーツを筆頭に明らかに疲れが見えていたが、アルテタにしては思い切った方のターンオーバーを施しての勝ち点3ptゲット。ヌワネリの活躍も見れたし、失点しまったのを含めてもグーナーとしては概ね満足といった試合だった。
新フォーマットとなったチャンピオンリーグの予選、リーグフェーズはこれにてお終い。アーセナルはアウェイアタランタに引き分け、アウェイインテルに負け、他は全勝の6勝1分1敗という結果を残し、堂々たる3位でのストレーインという結果になった。そしてプレミアは暫定2位である事を考えると、去年一昨年の比べ不調感を強く感じているが実は結構良い成績をここまで残してきているんじゃないかなと思う。
ここから地獄のプレーオフ日程が始まる訳だが、しっかり逃れることの出来たアーセナルは是非そのアドバンテージを生かし暫くはプレミアリーグに集中していきたい。そして、残り数日となった冬の移籍市場。未だ確定的な噂は出ていないが、悲願の優勝に向けブーストをかける為に何かしら動いてくれる事も期待したい。