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【アーセナル】PremierLeague/第18節/vsTottenhamHotspur(A)【ごとこの備忘録】

試合前展望

 先日のFA杯では前半こそスタメン組に対しての控えの差が出てしまっていたが、後半には功労者エルネニーの先制ヘッド弾に新エースエディの2得点、ヴィエイラのA2に加え待望の10番スミスロウの復帰などポジティブな要素が盛り沢山といった内容であった。

 ただ現在開かれている移籍市場にてムドリクを巡る胸糞悪い移籍騒動が起きそんなポジティブな気持ちもどこかへ行ってしまったグーナーが私含めて多くいるだろう。

 さて気持ちを切り替えて今節相対するのは、今季既にホームで下しているスパーズとのアウェイ戦である。

 スパーズはここまでソンの不調に始まり手放しで良いとは言えないチーム状況の中戦ってきている。対してアーセナルはジェズスの離脱こそあれど首位をキープし続けており対照的に調子が良いチームに振り分けられるだろう。

 こちらはジェズス落ち、対して向こうはベンタンクール落ちという試合前情報もありつつ、アウェイとはいえ前回対戦時の快勝劇をもう一度再現させ今季のノースロンドンの覇者という結果を残してほしいところ。個人的にはコンディションが奮わないマルティネッリに得点が生まれ復調のきっかけを掴んで欲しい。

試合結果

TOT 0-2 ARS
ARS:ロリス(OG) 14',ウーデゴール(Aサカ) 36'
PL公式POTM:ウーデゴール
ARS公式MOTM:ラムズデール
個人的MOTM:ジンチェンコ

https://www.premierleague.com/clubs/1/Arsenal/overview

 スコア・試合展開予想が自分でも引くくらいドンピシャでした…。ホワイトのサードユニゲット!

スターティングメンバー

左トッテナム、右アーセナル

試合展開

 現状多少なりともチームの戦術完成度や選手個々人の調子などにおいて差があるノースロンドンの2チーム。その差を体現するかのようにアーセナルは敵地にも関わらず試合開始からピッチを支配していた。

 特に際立っていたのは整理されたビルドアップと即時奪回力、この2点であった。

 まずビルドアップは得意の形である低い位置からショートパスを繋いでピッチをジグザクに横断しつつ前進するといったもの。スパーズの前線はこれに上手く対応出来ておらず、プレスの嵌め所を探れないまま上手くいなされていた。

 そして今季のアーセナルの好調を支える重要なファクターである即時奪回。前線3枚をスパーズの3バックに当て内切りの同数プレスをかけ外で窒息させる通常時の守備と合わせて、奪われても即座に敵陣で奪取し波状攻撃を繰り返すことが出来ていた。

 あと細かいところで言うと、セセニョンに対しサカが大外で張るだけでなく中へ斜めのランニングを行いホワイトからパスを受ける動きがいつもより多かったように思う。このブロックに対して横方向からアプローチをかける方法を合わせることで守備対応を難しくさせ上手く切り崩しゴールに迫る動きを見せていたのが良かった。

14' トーマスのロブパスから大外抜け出したサカがエリア内へ侵入、折り返しの浮き球をロリスが処理をミスしアーセナル先制。

 きちんと自分たちの流れの中で得点を奪えたアーセナル。更に追加点も決めることに。

35' トーマスが起点となりロングカウンター発動、受け取ったサカが折り返し最後ウーデゴールがゴール右隅に狙いすましたグラウンダーシュートを放ちアーセナル2点目。

 主に攻撃に繋がる部分について触れたが守備面でも事前の準備が感じられたのがスパーズ右サイドにおけるマッチアップである。WBセセニョンが降り貰いに行く際にはホワイトが前進守備を行う&連動してソンにサリバが付き、高い位置で張られた際にはサカが下がって5バックを形成することでリトリートでの迎撃も上手く行えていた印象。

 こうして攻守両局面においてスパーズを完全に封じていたアーセナル。静まり返ったホームサポが印象的といった具合で、35分の決まっていればシーズンベストゴール級のトーマス神ミドル未遂など攻勢をかけ続けていた。

 ところが後半になると風向きが変わった。ハーフタイムを挟みホームスパーズが息を吹き返したのか、はたまたアウェイの空気に当てられたか少々慌ただしく守備に奔走する羽目に。

 具体的には前半のうちは完封していたケインが少し間延びしたアーセナルのライン間で受けられるチャンスが増加。ここから前向きの中盤やソンがボールを引き取ってボックスへ侵入する機会があった。

 特に後半立ち上がり15分は完全にスパーズペース、その後は両者共にチャンスが訪れるオープンな展開とフェアに言えばアーセナル側としてはゲームを殺しきれずずるずると付き合ってしまった形になってしまった。

 ただそれでも守護神ラムズデールを筆頭にチームが懸命に守備に奔走。マルティネッリと交代でティアニーが入るSB縦並べや締めの冨安等で逃げ切りを図るアルテタ。

 試合終了直後にはリシャルリソンの小突きやホームサポの乱入者によってラムズデールが蹴られるなど後味が悪い幕引きとなったが、無事逃げ切り成功。クリーンシートを添えつつ2014年以来となるアウェイでのノーロンに勝利しシーズンダブルを勝ち取ることに。

ピックアップ選手

 今節はMOTMがばらけているようにピックアップ選手選定が本当に悩ましかった。

アレクサンドル・ジンチェンコ

 相手のプレスの矢印を逆手に取るようなパス選択、トーマスやウーデゴール中心に味方にとって常に有効なパスコースを提示、中盤をドリブルで持ち上がってのプレッシング突破など挙げればキリがない程ジンチェンコの活躍ポイントがあった。

ガブリエル・マガリャンイス

 シーズン開幕当初はサリバがスポットライトを浴びていたがここ最近のガブリエルの安定感は本当に素晴らしい。試合を通してケインにほぼ何もさせず地上・空中戦両面にて圧勝。アーセナルの屋台骨となっていた。

マーティン・ウーデゴール

 今季得点力を身に付け更に高次元へと進化した我らがキャプテンは今節でもスーパーなミドルで追加点を獲得。それ以外でもリトリート時プレスのスイッチ役となりいつも通りのパスセンスで攻撃を牽引、チームにとって欠かせない働きを見せた。

 他にも後半のスパーズの猛攻を何本も神セーブで防ぎ続けたラムズデール、レイオフで散らし攻撃加速がとても効果的だったエンケティアなど何人もの選手がMOTM級の活躍を見せた。

全体雑感・次戦に向けて

 数年前の闇の時代を見続け、かつ筆者がグーナーになってから初めてのシーズンダブルというのもあり試合後には喜び爆発というよりはしばらく感慨に耽ってしまった。それ程に今のアーセナルはクラブとしての格とそれに恥じない確かな強さを持っていると思う。

 スパーズを倒して束の間の休息を挟み、次節戦うのは前回対戦時アウェイで今季唯一となる黒星を喫したユナイテッドである。

 今節のマンチェンスターダービーでは(疑惑のオンサイド判定もあったが)シティが逆転負けを喫したのもあり現在2位とは勝ち点8を離しての首位キープ。そこで今節に続きこのユナイテッドに勝利することが出来たならば優勝の可能性もかなり現実的な高さまで上がってくること間違いなしである。ぜひとも勝ち切ってその夢を見せて欲しい。

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