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【アーセナル】PremierLeague/第23節/vsAston Villa(A)【ごとこの備忘録】
試合前展望
自滅の失点含めもっとやれると思っていたシティ相手に僅か1得点という苦々しい敗戦を喫した前節から中2日。対戦するのはエメリ率いるアストンヴィラである。
アーセナルはネルソン、ESRのベンチ復帰に加え、ホワイトが戻りトロサールが初先発を飾る等最低限のターンオーバーを見せる選出に。
ここ数試合での足踏みがあったにせよ、優勝の望みを絶やさないためにも切り替え格下相手に着実にポイントを積み上げたいところ。
試合結果
AVL 2-4 ARS
AVL:ワトキンス 5'(Aキャッシュ) コウチーニョ 31'(Aモレノ)
ARS:サカ 16' ジンチェンコ 61'(Aウーデゴール) マルティネス 90+3'(OG) マルティネッリ 90+8'(Aヴィエイラ)
PL公式MOTM:ウーデゴール
Arsenal公式,個人的MOTM:ジョルジーニョ
👊 Victorious at Villa
— Arsenal (@Arsenal) February 18, 2023
Relive all the highlights from our 4-2 win in Birmingham earlier this afternoon 👇 pic.twitter.com/5FO6Pmh5de
スターティングメンバー
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試合展開
この試合は、相手にも持たれる時間の多いここ最近の試合とは少し異なり、ある程度ボールを持って落ち着く事の出来るアーセナルとそれを許したうえで迎え撃つ構えを頭からアストンヴィラが見せた。
アストンヴィラは上下にコンパクトな4-4-2を形成し自陣奥深くではなくハイラインでブロックを形成、アーセナルにボールの外回りを誘発させることを至上命題とした。また攻撃面ではCHの上下動でバックスからボールを引き出し、CFのレイオフを絡めつつ大外レーン担当者が抜け出す動きを多用した。
だがスコアはもっと単純なミスから生まれた。
6'ジンチェンコからボール奪取したキャッシュがロングボールをワトキンスに供給、サリバとの1vs1を制しラムズデールの脇を撃ち抜くシュートでアストンヴィラ先制
直近のパフォーマンス、特に引かれた相手への選択肢が少ないと批判が少なくなかったジンチェンコがロスとしたところからシンプルにチーム全体のプレスバックが間に合わず、早い時間に先制されてしまう。
だがこの嫌な流れを断ち切ったのは右サイドで一人奮闘していたサカであった。
16' ジョルジーニョから大外走りこんだホワイトへ、折り返しをミングスが頭でクリアするも甘く、それを逃さなかったサカがボレーを叩き込みアーセナル同点
ただ失点前から漂っていた嫌な流れは継続。自信なさげなプレーとでもいうのだろうか、直近の芳しくないプレー内容から悪い結果を招く悪循環を奇しくも踏襲してしまう形に。そしてその不安は的中してしまう。
31' 中央を細かいパスで前進し大外モレノへ、折り返しをブエンディアが冷静にスルーしコウチーニョが放ったシュートが決まりアストンヴィラ再リード
その後も一向にプレスがハマらずインテンシティが低め、保持ではともかく非保持のパフォーマンスは相手が格下という状況下で目も当てられない程翻弄されていた。
こうして、先制されるも即座にサカが同点弾を決め流れに乗りたかったがかつてのアーセナルのようなちぐはぐさを露呈している間に再度決められてしまうという、近年の不調っぷりを嫌でも思い出させるような前半が終了した。
また、珍しくサカが激昂しカードを貰うほどに荒いプレーを連発するアストンヴィラの姿勢にヘイトが高かったこともこの前半の不満点。当然のようにアフターで深いタックルを行いそれでいて悪びれる様子もなし、かつレフェリーもコントロールする意思を持たずラフプレーに拍車をかけていた。
打って変わって後半。後半も依然波に乗り切れず攻守共に今一つなアーセナル。が、スコアは予想外な角度から生まれた得点によって動く。
60' ショートコーナーから左足でダイレクトに合わせたジンチェンコの地を這うシュートがゴール右隅に吸い込まれアーセナル再度同点
シティ在籍時代から合わせてプレミアリーグ初得点となったジンチェンコのゴールが起死回生の一手となった。だが本人は全くセレブレーションせずキックオフに備えすぐに帰陣。ここにアーセナル逆襲の未来が垣間見えた。
そして徐々に見せ場を作り始めるアーセナル。ラムズデールは後半一のピンチを左手一本で弾くスーパーセーブでチームを救い、マルティネッリを左WG、ヴィエイラを左IH、冨安を右SBへ送る順当な交代で迫力を増していった。
それでも得点が決まらず刻一刻と時間が過ぎていく終盤。決定的だったエディの奪取からどフリーのウーデゴールがほぼGKとの1vs1というシーンを外したところで膝から崩れ落ちたグーナーも多かっただろう。そうして優勝から更に遠ざかる痛恨ドローが現実味を帯びてきた頃、アディショナルタイムへ差し掛かったところで新加入の男が値千金の勝ち越し弾を記録する。
90+3' エリア深く侵入したマルティネッリから中央へマイナス方向のパス、これにダイレクトで合わせたジョルジーニョのドライブシュートがクロスバー直撃も飛び込んだマルティネスの頭へ当たりそのままゴールへ、アーセナル勝ち越し
アウェイファンの歓喜の声で埋め尽くされるヴィラパーク。加入当初(筆者自身含め)懐疑的な声も沢山あったジョルジーニョの劇的ミドル勝ち越し弾が勝ち点3ptを手繰り寄せた。
時間稼ぎに尽力していたアストンヴィラはたまらず攻勢をかける。死に物狂いで勝ち取ったCKにマルティネスも上がりなんとか得点を奪おうとするアストンヴィラ。しかし試合終了間際に生まれた得点はまたしてもアーセナルサイドのものであった。
90+8' CKのセカンドボールをヴィエイラが拾い長距離ドリブルから合わせて並走したマルティネッリが最終ラインの裏へ抜けるランニングへパス、GKの居ないゴールへそのまま独走し得点、アーセナルダメ押し4点目
こうしてアーセナルがATに2得点を叩き込みそのまま試合終了の笛。ほんの10分前までは両者の立ち位置は真反対だったようなもので、一瞬のうちに流れるような逆転劇を演出したアーセナルが勝ち点3ptを持ち帰ることに。
ピックアップ選手
ジョルジーニョ
ジョルジーニョはチームが奮わなかった前半の内から数少ない気を吐いて活躍していた選手だった。アストンヴィラがハイラインだったこともあり裏抜けを狙う長短のパス精度は勿論のこと、トーマスと比較して高い位置へ出かけて縦パスを差しに行く意識が高く、事実1点目もそこからキーパスを通したところから生まれた。守備面ではアンカーの広いスペース管理タスクに苦労するシーンもあったが総じて高パフォーマンス、チームの大黒柱となった。
ブカヨ・サカ
サカも前半のうちからきらりと光るプレーを連発。ヴィラパークのブーイングを背に受けつつそれを意に介さない堂々たるプレーでアストンヴィラの左サイドを脅かし続けた。1点目のボレーも難易度は決して低くなく、流石サカといった落ち着きあるボレーを沈めてみせ、スコアを離されそうになるところをなんとかしがみつく機会を作ってくれた。
全体雑感・次戦に向けて
2点目が決まる60分頃まではある種悲壮感が漂うほどに、公式戦4戦勝利なしという最近の悪い空気が蔓延していたアーセナル。今節も格下相手にドローという望ましくない結果を持ち帰り、結局例年通りの失速を見せることになるのか、なんて良くない考えを自然と持ってしまうほど酷かった。
だが今季のアーセナルの躍進の大きな要因の一つとなっている実績抜群な新加入選手たちの活躍によって3、4点目を獲得。ただではへこたれないところに、今年のアーセナルは一味違うぞというカタルシスすら感じさせる逆転劇を演出して見せた。
また直後開催の試合でシティがノッティンガムフォレストにドローを喫し、消化数が1試合分多いながら2位転落という事で再び首位へ返り咲いた。上位対決で負けてもそれ以外の試合を取りこぼさず勝ち切る、リーグ戦の鉄則を守り切ったアーセナルの勝利である。