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【アーセナル】PremierLeague/第11節/vsSouthampton(A)【ごとこの備忘録】

SOU 1-1 ARS
SOU:S・アームストロング 65'
ARS:ジャカ 11'

試合前展望

 主力メンバー達の契約延長交渉が待ち望まれ話題となっている中、ガブリエルのサイレント契約延長でファン界隈が盛り上がっている現在のポジティブな雰囲気のアーセナル。

 第11節にて戦うのは、もう目の前まで見えていたCL出場権が手からこぼれ落ちていく絶望を味わった昨季終盤の3連敗のきっかけとなったアウェイでのセインツである。

 ロメウやレドモンド等、PLファンなら誰しも知っているチームを支えてきた功労者たちが今夏退団したものの、新加入選手の素早い適応により順位こそ奮わないが手ごわいチームになっているセインツ。

 PSV戦にて途中交代したものの右足の状態が気になるサカ等、中2、3日での試合が続く過密日程の影響をファン目線でももろに感じ始めているが、首位をひた走るチームとしてこの試合も順当に勝利を収めなければならない。

各選手の評価

GK アーロン・ラムズデール
 セインツの枠内シュートシーン自体頻度は少なかったためあまり出番はなかった。また同点に追いつかれたシーンは至近距離からのシュートでラムズデールにはどうすることもできなかった。

LSB 冨安健洋
 簡単に蹴り出さず相手を引き付け両足から繰り出されるパスは読みにくく止めにくいので、特に前半はセインツからしてプレスをかけにくい厄介な場所になっていた。ただ、大外での仕事も多めで後半のパフォーマンスがいまいちだったこともあり、大型WGと相対する試合以外では正直ティアニーでよかったのではないかと思う。

LCB ガブリエル・マガリャンイス
 サリバのパスミスから1vs1も上手くディレイをかけ難を逃れる活躍を見せた。その他も試合を通して安定感あるプレーを見せた。

RCB ウィリアム・サリバ
 前半はガブリエルと同様安定感&高水準なプレーを遂行していたのだが、後半は焦ってパスを出すシーンなどが散見され、一度ピンチになってしまったシーンもあった。

RSB ベン・ホワイト
 今節は特にサカのサポートに特化した立ち回りであった。そのおかげで右サイドからの前進がかなり容易になり、サカもドリブルでの持ち上がりがしやすそうであった。

DMF トーマス・パーティ
 試合頭からバシバシ中央に突き刺すパスを披露し続け、常に攻撃の起点となる異次元の活躍を見せた。終盤にはロストするシーンも散見されたが、もはや反則級のカウンターケアと楔を打ち込む技術には、それが出来る選手だと分かっていても圧巻である。個人的MOTM。

LIH グラニト・ジャカ
 キャリアハイとなるシーズン4ゴール目をリーグ11戦目にて早くも達成、かなり流れに乗っており得点ボーナス突入中のジャカである。その他もチャンスシーンには必ず駆け上がったりと、もはやリーグでも屈指のBtoB型CMへと変貌している。

RIH マーティン・ウーデゴール
 先日、ノルウェーのサッカー界に多大な貢献をもたらした人に送られるクニクセン賞(Kniksens Hederspris)を、ハーランドに次いで2番目の若さで受賞した我らがキャプテン。トーマスのインターセプトからのダイレクトパスと、ボックス侵入&ワンタッチ浮かせパスの両方でジェズスの決定機を創出した。

LWG ガブリエル・マルティネッリ
 右SBリャンコが簡単に足を出せない、細かなタッチでの前進で常にセインツ右サイドの脅威となっていた。後半にも3人引き付けながら反転して運ぶなど圧倒的なドリブルセンスを見せた。

RWG ブカヨ・サカ
 良いプレスバックでボール奪取を行う前半に始まり、張ったホワイトから受け中央に切り込みながらブロックを横断するドリブルが効果てきめんで、何度もブロック破壊に貢献していた。

CF ガブリエル・ジェズス
 トーマスとのワンツーから攻撃のリズムを生み出し、時に低い位置へ降りてパサーとなったりとビルドアップにアクセントを加えようと頑張っていたジェズス。ただ決定機を何度も外すのはいかがなものかと感じてしまうと同時に、かつてのラカゼットの姿を重ねてしまった。

試合展開

 今節も4CBで構成されたバックラインで試合に臨んだアーセナル。対するセインツは442のフォーメーションである程度リトリートして迎え撃つ試合の立ち上がりとなった。

 ただこの442ブロックはそこまで強固ではなく、またアーセナルのビルドアップの要となっているトーマスを消す意識が低かったためアーセナルは試合開始から継続して敵陣への侵入が容易であった。

 そのおかげで開始8分時点で得点になっていてもおかしくない決定機が少なくとも3つは確認できた。加えてボールホルダーに対するセインツ側の寄せが甘かったこともプラスに働き、トーマス中心にジャカ等相手ボックスへ侵入の繰り返しで押せ押せのアーセナルムードである。

 そんな中11分、相手を背負ったサカが上手くホワイトへフリックの落とし、ホワイトが持ち運び折り返したところにまたも逆足で見事にミートさせたジャカが先制点を記録する。PSV戦での得点の再現のような得点であった。

 ただ20分ごろからはセインツがボールを持つシーンも徐々に増えてきた。プレスで前がかりになった両WG、特にサカの背後にてSHが受けられるシーンが段々出てきて、それに呼応した前線の飛び出しに配給していく前進の形である。ただアーセナルの最終ラインを突破するクオリティは無く、セットプレーくらいでしか脅威を感じないといった前半のセインツの攻撃であった。

 だがこのあたりから主審が怪しくなってきたのである。明らかなホールディングにもかかわらずPKを貰えないジェズス、しっかり足をかけられ転んだサカに対しては何故かダイブ判定でイエロー提示、ジェズスの背中に複数回肘打ちをしたリャンコには一切のお咎めなし。他にも意味不明なところでボールにぶつかりリスタートを強制させられたりと挙げたらキリがない程無能なロバート・ジョーンズ。試合を見ていたファンの方は(私含め)さぞかし不満であっただろう。

 その後も不可解な判定繋がりのセインツ側の6本連続CK等、ウォード・プラウズの怖さを感じることはあったがしっかりと守り切っては攻撃の手を緩めることがなかったアーセナル。たまらず途中から541へと変更、自陣ゴール前を人で埋める方針にシフトせざるを得ないセインツといった前半の締めであった。

 後半は、ジェズスが決定機を決められないことに代表される、中々追加点を奪えない状況が立ち上がりから20分近く続いていた。最近の試合でも見られる攻め立てていてもゴールに迫れないシーンの再現といった感じで、前半から続く主審の露骨なアーセナル逆贔屓判定と合わせてアーセナル側にはなんとなく嫌な雰囲気が漂っていた。

 だが悪い予感ほど的中するのが世の常なのである。65分、上手くプレスをはがしつつ前進したセインツ、最終的にタイミングぴったしのダイアゴナルランでボックスに侵入したS・アームストロングに見事な同点弾をマークされることに。

 たまらず71分、エディとティアニーを投入しなんとか流れを取り戻そうとするアルテタであったが、ここで下げたマルティネッリとホワイトはどちらも良い活躍をしており勝ち越し弾を狙うにはピッチに残しておくべき選手だったように思う。

 なんにせよ交代出場組2人は大奮闘。エディの精力的な持ち運びと決定機創出は勿論のこと、大外で勝負を仕掛けたティアニーの折り返しからウーデゴールが得点も折り返し前にギリギリラインを割っていたということで取り消しに。だが確実に結果を残そうとする2人には好感が持てる働きであった。

 更に82分、ウーデゴールoutヴィエイラinで更なる活性化を図ったアルテタ。ただ劣悪な試合状況(ファール級のコンタクトであってもファールを取られない無法地帯)に上手く入り込めないヴィエイラはセインツの標的に。ロストを繰り返しあまり効果的とは言えない交代となってしまった。

 その後も、ポジトラ時の各主力組のパステンポが軒並み落ちては安直な緩いバックパスに逃げたり、焦りすぎての引っ掛けからロストなど明らかに最近の連戦による疲労が隠し切れない試合終盤。そうしてセインツのゴールを脅かす攻撃が出来たとはいえないまま終戦。非常に残念な幕引きとなった。

全体の雑感

 誤審の連続で試合を壊された事、主力組の露骨な疲れ。この試合はこの2点に尽きるというのが大多数のファンのの総意ではないだろうか。

 まず誤審について。特に、数えきれない程ジェズスが倒されたシーンがあったのにもかかわらず一切ファールを取られない、ましてや抱きかかえる形で止めているのに1枚もイエローが出されなかったのは本当に謎である。これじゃ収まるボールも収まらずポストからの前進が出来ない。ファンの贔屓目抜きにしても、カードは少なく見積もって3枚出ていても何もおかしくないし、PKも通常の試合ならば貰えていただろう。

 そして疲労。前半のうちは大丈夫であったが特に後半70分あたりからそれは露骨に見られた。アルテタの交代策が上手く働かなったのもあるが、勝ち越さなければならない場面なのに走れずロストを繰り返す試合終盤のアーセナルははっきり言って見ていられなかった。ここは誤審云々は一切関係無しである。

次戦に向けて

 公式戦9連勝を続けていた今のアーセナルにとって、勝ち点1ptを最低限持ち帰ったとはいえ、今節の結果は非常にフラストレーションが溜まるものとなっただろう。

 しかし過ぎ去ったことはさっさと切り替えなければならない。次のアウェイPSV戦は早くも木曜の深夜に控えているのである。前節勝ち切った事を生かした大胆なターンオーバーをもって一度主力組にはしっかりと休息を与えてほしいところ。もうこのようなエネルギー切れの試合は見たくないものである。

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