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列車のホームから線路を見つめた日


この日の事は一生忘れぬ。

某駅。ホームに飛び込んでくる、鈍色の列車。

たった数センチ。

前に踏み出せば…全てが終わる。消える。楽になる。

何かに吸い込まれるように…体がふっと、軽くなる不思議な感覚を覚えた。
そこが「天国への扉」だったんだろう。

でも、その瞬間…脳裏によぎったのは家族、友人の事、

そして、子供の笑顔…。


…「まだ、死ねない」!!!!!



脳天を稲妻が貫いたように、正気に返る。
目前をすり抜けていく電車が作り出す、心地の悪い生暖かい風が、この世に生き残った事を教えてくれた。

人目を憚らず、慟哭…。


人の尊厳をなぶり殺しにし、追いこんだ奴ら。

これからゆっくりと、物語の「登場人物」について記していこうと思う。

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