【独学】 1年半で気象予報士試験に合格した勉強法②

こんにちは!
【独学】 1年半で気象予報士試験に合格した勉強法①では、気象予報士試験の概要に始まり、一般知識と専門知識の2科目を1発合格に至ったまでの勉強方法を紹介しました。
この記事では、実技試験を半年の勉強を経て1回目の受験で合格をした勉強方法をご紹介します!

前回までは、2022年7月からの勉強に始まり23年8月の受験までをお伝えしました。今回は23年8月試験後から24年1月の受験までの話となります。


実技試験 勉強方法

実技試験も学科試験と根幹は同じです。期間を定めてアウトプットがメイン、です。
ですが、実技試験の対策はテキスト・過去問以外に日々の実践していたことがあります。そちらも併せて紹介していきます!

【テキスト・過去問】

まずは実技試験がどういうものか、ポイントは何かを抑えるためにテキストを使って勉強開始しました。
らくらく突破 気象予報士かんたん合格テキスト 〈実技編〉(技術評論社)

出典:Amazon

使用したテキストはこちらです。学科試験の時に使用していた「らくらく突破」の実技編です。天気記号から始まり、実技試験で出題される様々な天気図の読み取るポイントなどが載っていて実技試験対策をするにはちょうど良かったです。

とりあえず1周することで実技試験の試験内容を掴みます。天気記号などの暗記パート、そして作図や記述の自分なりのポイントを抑えました。かっこいいこと言ってますが1周しただけで全然できているわけではありません。「記述やると冗長になってしまうな」「作図する時の使用する天気図の見るところが違うな」くらいです。

ただ、あとは実践あるのみです。作図や記述を練習するのにインプットすることはほとんどありません。練習・失敗を繰り返すことしか身につかないと思います。出題される分野はそう多くありません。前線、等圧線、トラフなど聞かれる問題は決まっているので、数をこなしていけば荒削りだったものが徐々にまとまってくるものです。

このテキストには練習問題がありますが、それだけでは物足りないので学科試験の時に使用していたこの問題集も併用していました。
気象予報士試験精選問題集(成山堂書店)

出典:Amazon

この問題集は本当に愛用していましたね。実技の問題も大問で10問ほど入っていたと思います。解説も詳しく記載があるので使いやすかったです。
これも2周しました。1周目はやはりあまりできません。作図も記述も的外れなことを書くことは全然あります。勝負は2周目からです。1周目に理解した知識をちゃんと使いこなせているか確認できます。たまに覚えているものもありましたが、それはそれで答えまでの導きまで覚えていればOKだと思います。
実技は「大問1つ解いて解説読んでテキストやインターネットを使用して理解に落とし込む」まで非常に時間がかかるのであまり問題数は解けませんでした。

ちなみに、天気記号などの暗記ものは隙間時間を活用してます。

そして試験の2ヶ月くらい前から過去問に取り掛かりました。5回分なので大問10問分の問題です(1回に2問あるので)。そこそこ形になっていると思っていましたが、最初に解いた問題なんて40点くらいで泣きそうでした笑、ちなみに実技は7割が合格ラインです。悲しくなりながらも最近の過去問であれば解説をしてくれているサイトがあるのでそれを参考に自分のミスを徹底的に振り返りました。

前述したように実技試験の記述や作図で問われる分野は大体決まっているので問題をこなせばこなすだけそれらの正答率は上がっていきました。

テキストや過去問を使用した勉強は、学科試験の時もそうでしたが珍しいことはやはりしていません。実技は特に解いて解いて解きまくりました。前回解いた問題が違う形で問われても活かせているか、これの積み重ねだと思います。

【日々の実践】

次に私が日々実践していたことをお伝えします。
これは気象予報士試験の受験を決める前から行っていました。これをやっていたため実技試験で使用する様々な天気図は勉強始める前から読み取れていました。なので実技対策を始めてすぐに実践に移れました。インプットの時間短縮ができて非常に大きかったと感じています。

何をしていたか。
それは個人的天気予報です。毎日天気図を読み取り大体の天気動向を予想していました。これは複数人でやることをオススメします。1人だと毎日続けるのが大変です。複数人なら私たちの場合はその日の予想を誰かがやれば他は読むだけのスタイルを取っていたので自分が毎日やることはありませんし、自分では思いつかなかった考えなども吸収できます。

使用していたのは、(※私たちは毎朝行っていました)
・地上天気図(前日21時、当日3時)
・地上予想天気図(当日21時予想)
・実況の850hPa、700hPa、500hPa高層天気図(前日21時)
・FXFE502、FXFE504
・FXFE5782、FXFE5784
・FXJP854
です。ちなみに全て実技試験で使われる天気図です。
まずは、地上天気図から気圧配置を確認し、予想も見ます。次に実況の高層天気図を見て上空の天気も併せて確認します(トラフなど)。この時点で大まかに「自分の地域はこういう天気だったのがこう変化するな」と考えをまとめます。その後にFXFEやFXJPの天気図を用いてこの予想が正しいのか見ていきます。これらは上空の予想図です。天気は上空の動きが地上に反映されていくのでこれらの天気図を見て裏付けしていきます。

以上のようなことを毎日続けていました。最初は大変ですが、続けていればその天気図が示す内容や見るべきポイントは体に染み付いています。

それに、地上天気図には以下の例のように天気記号が多く描かれています。例として①は「海上濃霧警報」を意味するFOG[W]、②は観測地点にはそれぞれ雲量や風向風速が示される観測記号です。ちなみに、雲量7/8・南南東から10kt・積雲(雲量7)・気圧+1.2hPa・上昇後一定を表しています。
これは毎日インプットしているものをアウトプットできるチャンスでもあります。それも毎日、観測記号に関しては観測地点ごとに異なるので1枚の天気図でいくつものアウトプットができるわけです。
また、例えば寒冷渦があれば寒冷渦とはどういうものか、どう天気に影響するのか復習します。その日の予報をするために自然と復習することになるのです。なんのキッカケもなく復習するより頭に入りますし、その時の天気図とも重ねて見ているのでイメージしやすいです。

天気記号例

一石何鳥にもなる個人的天気予報。
1回やるのに30分、復習などしたら1時間くらいです。習慣化するまで大変ですが、習慣にすれば逆に天気図が気になってきます。そうすれば勝ちです。
ぜひ、試してみてください!

実技試験ワンポイントアドバイス

ここからは実際に実技試験を受験して感じた私からのワンポイントアドバイスを紹介します!

時間配分

実技試験は時間との勝負です。大体1問はヘビーな記述や作図があったり、面倒な計算問題があったりと75分で全てこなすのは結構大変です。
そこで、まずは自分の得意・不得意を知ることです。私は穴埋めや記述が得意で、作図が苦手で計算が遅い方でした。
得手・不得手がわかれば時間配分ができます。問1は例年、地上天気図からの穴埋め、ちょっとした記述があるので私はそこで少し時間を稼ぎました。問2以降にある作図に時間を割けるよう得意分野は速攻で終わらせます。

また、少し考えても解答の仕方がわからなかったりする問題があれば飛ばしましょう。そこに時間を割くより記述や作図で部分点を取る方が大きいです。全部終わってから戻るようにしましょう。

最後に、できれば見直しの時間を取ることです。私は5分の見直し時間を目標にしていました。穴埋めを確実にするもよし、作図や記述を見直すもよし、使い方は自由です。私は作図や記述を見直していました。根本を間違えていると部分点すらもらえない可能性があるからです。

以上のように闇雲に解くのではなく、計画性を持って臨みましょう。

点数の稼ぎ方

これは私なりの考えですが、実技は約70%正解すれば良い、満点は取らなくて良いのです。
なので穴埋めは完璧にして、記述と作図は部分点狙いでやっていました。穴埋めは間違えたとしても数問に留めましょう。
部分点狙いというのは、記述であればキーワードを抑えるということです。

例えば、
「シアーラインを挟んだ両側の風の分布の特徴について55字程度で答えよ」
という問題で、
「シアーラインの東側は東南東のやや強い風、西側は北西の相対的に弱い風で、シアーライン付近では風が収束している。」
こちらが模範解答です。
「風向の特徴」や「風速の特徴」ではなく「風の分布の特徴」とあるので両方解答します。片方だとおそらく減点です。
そして分布だけを述べて満足してしまうことが多いのですが、「どういうシアー」なのかも答えるようにします。ここでは「収束」です。
模範解答を例に解説しているので「そんなの当たり前だろ」と思うかもしれませんが、実際に問題を解くと余計なことを書いてしまったり、不足してしまったりします。
そうならないためには、やはり練習するしかないのです。練習を重ねれば、問題の聞き方や字数を見てキーワードがわかってきます。そうなれるように大変ですが練習を重ねましょう!

以上、私が行ってきた実技試験の勉強法について紹介しました!
【独学】 1年半で気象予報士試験に合格した勉強法①も併せて、何か皆さんの勉強に役立てるのであれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!!


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