ロードバイクの購入に悩む中年に捧ぐ
40過ぎに体力維持とダイエット目的にスポーツ自転車を始めようとしたおじさんの経験から、はじめてのロードバイク購入に悩む世の中年たちに勝手なアドバイスを送ります。
(2024/2/2 update)
ここで言いたいことはただ一つ
デザインや色、メーカーがお好みの、ロードバイクをとっとと買って、乗り始めることです。アルミかカーボンか、ディスクブレーキかリムブレーキか、そんなこと気にしない!コンポ(変速機やブレーキ)のグレードも気にしない!あなたが今出せる金額で買えるものでいいんです。アルミロードのエントリーモデルでいいんです。もっといえばクロスバイクだっていいんです。自転車の楽しみは値段相応、なんてことは絶対にありませんから。高い自転車を購入するために資金をためるなんてことをしている間にどれだけサイクリングを楽しめることか。
最初は近場のサイクリングロードを走ってみて、スポーツバイクの進みの軽さとスピード感を味わうだけでも目から鱗ですし、慣れてきたら目的地を決めて数十キロ走ってみると何か自分の行動範囲がグッと広がって楽しくなってきますし、100km単位まで走れるようになると、いままで電車や車で出かけていた場所に自分の力だけで到達できる達成感も味わえます。ヒルクライムで開けた景色を楽しむも良し、ダウンヒルで脳内麻薬ドバドバ出すのも良し。友人とポタリング、サイクリングなんて小中学生以来の楽しみ方も再認識できます。
ランニングと比較して足腰への負担が少ないから有酸素運動として続けやすく、水泳と比較して場所を選ばないからいつでも走り出せる。いいことづくめです!
唯一の欠点は、公道を走る危険性です。安全第一で無事に家族の元に帰るという最大の目的を忘れずに。
自転車YouTuberのまささんの動画。これを見るとロードバイクの愉しみは値段と関係ないということがよーくわかります。ただし、初心者がメルカリでLook車を買うのは絶対にお勧めできませんのでご注意ください。(理由はあとで)
とはいえ、高い自転車になればなるほど、「少ない力で速く進む」ようになります。これも間違いない。なので、金額的には出せるけど、続くかわからないから安いの買っておくか、っていうのは愚策です。むしろ高い自転車を買った方が辞めづらくなりますよね。
初めてのバイクのお勧めは(私見)
エントリーロードに位置づけられるのは、例えばCannondaleならCAAD Optimo(16万~)、TREKならDomane (11万~)、GIANTならCONTEND(13万)
このあたりで十分に走りますし、楽しめます。どれも良いバイクです。フレームの形はハイエンドと同様だったり、ロングライド用に積載量を増やせる工夫をしたりと、各社特徴を出してきてます。このフレームでレースとかイベントに参加している人もいますし、なんら遜色ありませんし、恥ずかしくもありません。逆に「エントリー(笑)」なんて言ってくる人はきっと値段しか見ていない可哀そうな人なので、相手にしなくて大丈夫です。
またクロスバイクも候補に入れてください。特に自分の周りにロードバイク乗りが居なくて、ロードバイク乗りとグループサイクリングに行く可能性がほとんどない人。こういう人はクロスバイクのほうがむしろおすすめです。ロードバイクはまたがるまでのハードルが高い乗り物です。室内保管しているときは尚更です。ハードルを下げて、乗る機会を増やすという意味ではクロスバイクの方が圧倒的に有利。街中のチョイ乗りには最強ですし。個人的な経験では、50kmなら余裕で、100km未満ならなんとか、長距離も行けると思います。ハンドルグリップを付けて複数ポジション取れるようにすると、100km以上も行けますね。
CannondaleならQuick(8万円~)、TREKならFX(7.5万円~)、GIANTならESCAPE R(5.6万円~)
ロードバイクとの違いは姿勢と速度域、航続距離だと思います。たとえば片道20kmくらいの通勤に使う、ならクロスバイク。50km以上の長距離をサイクリングで楽しみたいのならロードバイクがオススメになります。
もし、若干資金に余裕があって、「エントリー」という言葉に抵抗があるのなら、2023年現在、私が思う、金額と性能のバランスが良く将来にわたって後悔なく使い倒せる自転車としてのお勧めは、「アルミのハイエンドのレースバイク」です。
正直私のようなホビーライダーにとって、カーボンフレーム、エアロフレームはあまり意味が無いです。確かに軽量だとか、剛性がとか言いますが、平地を30km/h程度で巡行するだけなら大きな差は出てきません。またこのグレードのフレームはアルミの最高峰ですから、もしレースに出てみたい等の欲が出てきたとしても十分に対応できますし、フレーム以外のパーツを交換していくことでより軽量化もできます。
これにあたるのはCannondaleならCAAD13(26~28万)、TREKならEmondaALR(~30万)、GIANTならCONTEND AR(~30万)
だいたい30万前後ですね。私が今のバイクを購入したのは5年前。当時より10万くらいは上振れしている印象です。ディスクブレーキ対応と、原材料費の高騰の両方だとは思います。正直サラリーマンがポンっと出せる金額じゃないと思う・・・
でもこれは今の私の思う最適解なので、30万出さなきゃダメ、なんてことはこれっぽっちもありません。あくまで余裕があるなら検討してみてもいいかも、というレベルです。少しでも躊躇するなら先にも言ったようにエントリーロードか、クロスバイクを選択すべきです。
これ以上に高価なバイクは、「レース用」と割り切って良いと思っています。
自転車を続けるための秘策
さて、もう一つお勧めしたいのが、「スマートローラー」です。自転車は基本的に車道を走る軽車両です。特に都市部を走っている人は、常に危険と隣り合わせで車道を走ることになります。(私もこの5年間で、2回公道で転んでいます。1回目は無事でしたが、2回目は骨折でした。)また、雨の日、風が強い日、暑すぎる日など、自転車で外を走るのが難しい場合は多々あります。夏場の酷暑が続くと、2,3週間自転車には乗らない期間ができたりします。そうすると再開するのが億劫になって、徐々に乗らなくなるなんてことも。
なので、家の中で自転車に乗る環境を作ってしまえば良いんです。雨風関係ないですし、夏場、冬場はエアコンで快適。事故にあう心配もないし、段差でコケることもない。
スマートローラーは、よくスポーツジムで見かけるエアロバイクの、バイク部分に自分のバイクを付けることができるようにしたトレーニング機器です。ペダルの重さをスマホなどで好きに変更できますし、ZwiftやRouvyといったインドアサイクリング用アプリを使えば、仮想空間の中をサイクリングしたり、世界中の人たちとレースをしたりできます。私は体力づくりのため、1週間に100kmは自転車で走るようにしていますが、平日はほとんどZwiftでのバーチャルです。レース、グループライド、トレーニングなど、その日の気分で選んで飽きないようにしてます。
このスマートローラー、値段は7,8万円~20万円ほど。10~15万が主価格帯です。
実はこの価格、お勧めハイエンドアルミバイクとエントリーモデルのアルミバイクの価格差とほとんど変わらないですよね?そこで改めてお勧めしたいのが、エントリーバイク+スマートローラーの組み合わせを初期投資とする方法です。これによって趣味としてもダイエットとしても続けやすい環境が構築できますので、一石二鳥です。ぜひご検討ください!
初めての自転車はどこで買うか
あなたの周りに、自転車のメカに詳しくて、信頼できる友人がいる場合、その人に相談しながらどんな買い方をしても大丈夫です。
メカに詳しい人がいないかったり、いても信用できない場合は、あなたの家の近所の(できれば自転車で行ける距離の)スポーツ自転車を扱っているショップ(できれば専門店)で買いましょう。さらに実際にショップ店員さんに相談してみて、やたらと高額な自転車を勧めてくるとか、逆に初心者を馬鹿にするようなことがないかとか、チェックしてください。
あとありがちなのは、在庫車をやたらと勧めてくるパターン。たとえ車種が同じでも、サイズやカラーリング、装備の違いなどは多々あります。在庫車を勧めるのは商売としては致し方ありませんが、合わないサイズの自転車に乗り続けるのは不幸ですし、気に入らないカラーリングではモチベーションもダダ下がりしますから、毅然と主張しましょうw
スポーツ自転車は、たとえ在庫車であっても、納車まで時間がかかることがあります。各種部品の取り付けと調整に時間がかかるからです。在庫が無ければ取り寄せまで更に時間がかかります。時間はかかるものと割り切って、ワクワクしながら待ちましょう。
近所の自転車屋さんと顔見知りになっておくと、何かトラブル(異音がするとか)があった時に相談しやすいという利点もありますね。
通販や、オークション、フリマアプリなどは確かに安く買えますが、モノを確認できませんし、確認できたとしてもちゃんと動くのか、今の動きが正しいのか初心者には多分判断できません。最低でも店舗のある中古屋さんに行きましょう。中古屋さんの場合、ある程度の妥協は仕方ありませんが、サイズだけは妥協しないでください。
買ってほしくないのでリンクは貼りませんが、通販では異様に安いロードバイクが売られています。3~6万円くらい。これらはいわゆるLook車と呼ばれる類のもの。一概には言えませんが、安いのには理由がしっかりあって、一番の特徴は重いこと。おそらく12kg以上が殆どだと思います。ついているコンポはクロスバイク系のものが多いです。あといろいろ嵌め殺しになっていてパーツ交換ができなかったりするものもあります。例えば、短距離の通勤に使い倒すとか、ママチャリの代わりにするとか、スポーツ走行を目的としないなら、まあ、買うのも無くはない気がしますが、それでも納品時の状態が正しいのかわからない、調整もできない、のであればやはり避けるのが無難です。ブレーキが効かないとか、変速しないとか、良く聞きますので。スポーツ自転車専門店で見かけないブランドで異様に安い物は気を付けてください。先に紹介したYouTuberまささんの動画でも、スポーツ走行の安全に問題の無い範囲まで修理・調整をしてから乗り出してます。これが出来ないなら手を出すべきではありません。
意外とかさむ自転車以外の出費
自転車屋さんで自転車を買うと、空気入れどうしますか?とかよく聞かれます。そう、スポーツ自転車を始めるには避けて通れない出費が意外とあります。走り出すのに最低限必要と思われるものは、
・ヘルメット (命にかかわりますから絶対に必要です)
・フロントライト、リアライト (こちらは法律的にも必要です。もちろん命を守るためにも)
・ベル (流石に自転車屋さんがサービスで付けてくれてると思う)
・鍵(ワイヤー錠など) (スポーツ自転車は特に盗まれますよ?)
・空気入れ (ママチャリと比べて空気を入れないといけない頻度が高いです。またママチャリ用のポンプでは入れられないケースが多いです。)
ヘルメット、ライト類は絶対に良いものを買いましょう。ここは安全に直結しますのでケチってはいけません。本当に。安物買いの命失いにならないように。ヘルメットは最低限、製品安全性の認証機関からの認証を受けたものを選びましょう。あと安すぎるモノには何か理由があるのでご注意。選ぶ目安としては、大体5000円以上~。フロントライトは最低限400ルーメンのもの。夜間走行の可能性があるなら最低限800ルーメンのものは選ぶべきです。夜間、明るい街中を走る程度なら気づきませんが、郊外で街灯が殆ど無いような場所を走る際には視認性に雲泥の差があります。フロントライトは値段の幅が非常に広いです。下を見るともの凄い安いので良い物の値段が高く感じますが、7000~10000円くらいのものを一つ持っていると安心です。リアライトはフロントライトと違ってそこまでの値段差はありません。2~3000円出せば良いものが買えます。余裕があるなら、ヘルメットの後ろにつける小型のリアライトも買っておくといいでしょう。
鍵は、、、まあお好きに。その際是非考えて欲しいのは、そのカギを走行中どのように運ぶか?という点です。ジャージのポケット、ツールボックスの中、サドルの裏側などなど、入れる場所に応じて大きさや重さを選んでください。盗難対策と相反する気がしますが、大きくて重くてゴツイカギは、自宅専用ならいいですけど、出先に持ち運んで使うことは多分できないと思います。
空気入れは必須と考えてください。ママチャリとは空気の入れ口(バルブ)が異なるため、通常のママチャリ用(英式バルブ用)空気入れは使えません。また、高い空気圧を要求するためママチャリよりも圧倒的に空気が抜けます。イメージ的には、1週間に一回くらいは入れたいところ。そのたびに自転車屋さんまで行くのも面倒ですので買った方が無難です。買うべきは仏式バルブに対応し、タイヤ内の空気圧を表示することができるタイプのフロアポンプ(足で固定して、両手でハンドル持って上下させるやつ)。タイヤの種類によって標準の空気圧が異なり、適正な空気圧で入れていないとパンクを誘発してしまうので、空気圧表示は必須です。これはそんなに高く無くて2~3000円くらいで十分。
最低限必要なもの全部で、2~3万円くらいになります。意外と高く無いですか?
慣れて長距離乗れる様になるとこれに加えて、
・ボトルケージ、ボトル
・ツールボックス、ツール類
・予備のチューブ
・携帯ポンプ
・サイクルジャージ、パンツ、グローブなどのアパレル
この辺りが欲しくなってきます。これらは決して贅沢品ではなくて、トラブル対応に、身体へのダメージ(ケガ)を押さえるために必要な物ばかりです。可能な限り早く入手した方が良いと思います。
ツール、チューブ、携帯ポンプなどは、いらないでしょ?と思うかもしれませんが、スポーツ自転車は出先でのパンクは日常茶飯事です。ベテランになるとこれに加えて修理用のパッチとかタイヤブートと呼ばれるものとか、万全の体制でツーリングに臨みます。(笑)
そしてサイクルパンツ。これは股の部分にパットが付いた自転車乗り専用のパンツです。長距離乗り出すと必ずお尻が痛くなるのですが、これを大幅に緩和することができる必需品です。(痛みを感じなくなるかは相性次第)。おしり部分がもっこりするので通勤に使うのははばかられますが、休日にツーリングに行くならしっかりとおしりを保護してあげたほうがダメージを防げます。もっこりが嫌なら、更にその上からオーバーパンツを履くのもお勧めです。
それでももっこりは無理、という方にはサドルカバーという手もあります。バイク側のサドルがもっこりしますが。
アパレルが含まれるので値段は本当にピンキリですが、このカテゴリで最低1.5万円は見ておくべきでしょう。
そしてついには、
・サイクルコンピュータ(GPSサイコン)
・ビンディングペダル、シューズ
に手を出すことになります。これは正直、嗜好品の部類でしょうねw
サイコンもそんなに高いものじゃなくていいですが、最低限GPS搭載のものを選びましょう。サイコンの値段の差はナビゲーション機能の有無や、液晶のカラー化などです。自分が必要とする用途に応じて選んでください。シューズとペダルは、、、ピンキリですし、種類も多い。お好みで。こちらについては別noteで書いてみようかなと思います。
そしてこれを超えると今度は本体側のパーツに手が伸びていきます。底なしですw
おわりに
この記事は私の独断と偏見で書いています。
金銭感覚はみんな違いますし、自転車に何を求めるかも千差万別なことも重々承知しています。特にもともと運動好きで身体が出来ており、自転車を買う目標がレースに出てみたい、とかなら最初からレースバイクに投資した方が良いと思います。
あくまでご参考ととらえていただければ幸いです。
質問、コメント、お待ちしています。