「ストラト+コンプ」が生み出す極上のギターサウンドが聴ける名盤のご紹介
こんにちは!
GT SOUND LABのTAKUYAです!!
皆さんは「ストラトキャスター+コンプレッサー」の組合せでしか得られない魔法のサウンドが存在することはご存知でしたでしょうか?
それは例えるならば「Marshallアンプ+レスポール」や「VOXアンプ+レンジマスター」と肩を並ぶ黄金の組み合わせです。
世の名曲の中にはこの組み合わせによって得られるサウンドを生かした名盤が多数存在します。
今回そんな「ストラトキャスター+コンプレッサー」を巧みに生かした曲の中から、とりわけギタリストが参考にしたい音作りに特化した名盤をご紹介したいと思います。
そもそもコンプレッサーとは?
一応おさらいしておくと、無線やラジオ放送局からの送信機において、音声信号のダイナミックレンジを予め圧縮するために開発されたのが起源となります。音響用のコンプレッサーとは、大きな入力を小さく抑え、小さな入力を大きくし、おおよそ均一の取れた音声信号に変換することによって様々な処理を容易にするための道具です。
どういうことなのか簡単に説明すると、いくつものS字にうねった川があると仮定します。そのうねりのカーブの具合や川の幅も各所まちまちだとする。そうなると、当然ながら、水流のスピードがその部分部分で変わってくる。これでは、その川を進む船は安定したスピードで航行出来ない。コンプレッサーとはそんな曲がりくねった川幅を出来るだけ真っ直ぐにして安定したスピードで船を航行させているようなものだ。とお考え頂ければその効果とシステムを理解しやすいと思います。
コンプレッサーは音響的に実に重要な仕事をしているにもかかわらず、そのサウンドとしての表現/特色はかなり地味です。
音の信号の流れを良くするだけのデバイスだから、逆に音に変化があってはいけないはずです。
しかし、コンプレッサーを楽器用のデバイスとして使用した場合、魅力的な効果がありました。それは、音声信号を圧縮するためにサスティーンの長さが、通常に比べ飛躍的に長くなるという効果だ。それゆえ世にエフェクターとして登場した時は“サスティナー”と表現されていた。当時の日本の音楽雑誌などでは“無歪みドライバー”と表現されることもありました。
また、単にサスティーンを稼ぐだけでなく独特な粘り気のあるアタック感や弾き心地を生み出すことにより、単純に音を圧縮して伸ばすだけの役割にとどまらずコンプレッサーを掛けることでしか得られない独特なトーンは今なおギタリストのからの支持が熱いペダルでもあります。
「ストラト+コンプ」が聴けるギタリスト必聴の名盤
鈴木茂 - Band Wagoon (1975)
「ストラト+コンプ」を使ったロックの名盤というと、真っ先に思い浮かべるのが、 鈴木 茂が1975年に制作した「BAND WAGON」 。ここで聞くことのできるギター・サウンドは、これぞコンプサウンドといったものです。
バッキングに、スライド・ソロに、作品の随所でコンプが大活用されている。 MXRの "Dyna Comp" を使って作り出した響きは、いまだにコンパクト・コンプを使う上でのお手本になっていると言っても過言ではありません。
高中正義 - Super Selection (1981)
俗に“高中サウンド”と呼ばれるストラトのシングルコイルのリアとセンターのハーフトーンで踏み込んだ時の、何ともいえない"パコーン"という心地よいサウンドが正にそれです。Dyna Compが発表された当時に存在していた他のコンプレッサーでは、この"パコーン"という独特なサウンドは得ることが出来なかった。その後に続々と発表された国産コンプレッサーがこぞってDyna Comp風のアプローチだったのは、そのサウンドを再現しようとしたためかもしれません。
Sugar Babe - Songs (1975)
「ストラト+コンプ」を使った名盤であると同時にシティーポップの名盤でもあるシュガーベイブの「SONGS」。
リードギターを務めた村松邦男のサンバーストカラー(ローズウッド指板)のストラトとコンプを組合せた絶品のサウンドが聴ける
当時ライブでは通称「ワラジ」と呼ばれていたローランドの「AS-1」というコンプを使用していたが、アルバムでは主にUREIのスタジオコンプが使われていたとのこと。
佐橋佳幸 "Frida's Freedom" 1994
桑田佳祐や坂本龍一、佐藤竹善、佐野元春、福山雅治、氷室京介、槇原敬之、山下達郎など大物アーティストのバックバンドを務める日本を代表するスタジオギタリストでもある佐橋佳幸。
必ずと言っていいほどダイナコンプを常時ONにしていると本人が語るほコンプがサウンドの重要な要素を占める彼のサウンドもまたストラト+コンプサウンドの一つの到達地点といえるでしょう。
名盤を生んだコンプレッサー達
MXR Dyna Comp
サスティーンと粘りのある独特なのアタック感が放つ心地よいサウンド。
カッティングでもリードでも使えるロング・セラー・コンプレッサーとして
70年代のウエストコーストやクロスオーバー系のギタリストから広まっていき現在でも多大な支持を集める。
ES-335に代表されるセミアコ系やストラト等に代表されるシングルコイル・ピックアップを搭載したギターとの相性がとても心地よい。
Roland AS-1
70年代に登場した通称「ワラジ」と呼ばれるコンプレッサー。
何とも言えないレトロな音色は当時の雰囲気そのもの。
UREI 1176
1966年にビル・パットナムが生み出したコンプレッサー。真空管コンプ全盛の時代に、FETを用いて最速で20µSというアタック・タイムを実現した名機。通すだけで加わる、気持ちのいい歪み感と、1歩前に出て来て主張してくる音圧感は今でもファンを多い定番中の定番スタジオコンプ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?