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実は超重要機材⁉トップギタリスト達が「ヴォリュームペダル」で音作りする理由

こんにちは!
GT SOUND LABのTAKUYAです!!

「ヴォリュームペダルを使った音作り」と言われても、普通のプレイヤーなら「ヴォリューム・ペダルで音を作るって一体どういうこと?」と感じるのではないでしょうか。
実は私も以前まではヴォリュームペダル=ただ音量を上げ下げするだけの機材と思っていたので、それほど関心を持っていませんでした。
しかし、ローディーとして様々なプロのギタリストの方とご一緒させていただいた際に、そうした方々がヴォリュームペダルを音作りの一部として巧みに活用している姿を目の当たりにしたことによって、私の中でのヴォリュームペダルに対しての価値観は大きく変わりました。

今回はそんなヴォリュームペダルの奥の深さと、それを実際に音作りに取り入れる方法についてご解説したいと思います。

プロギタリストがヴォリューム・ペダルを導入する理由

ヴォリュームペダルは、ギターやベースを弾き始めていきなり購入するような機器ではないかもしれません。
しかし、プロ・ミュージシャンの多くがステージ用機材にヴォリューム・ペダルを導入しています。
その理由のひとつとしては、電気楽器を使う場合に避けて通れない「ノイズ」への対処です。
例えば、シングルコイルPU搭載のギターである程度のオーヴァードライヴ・サウンドを作る場合、ギター・サウンドとは関係ないノイズ(電気ノイズ)が発生します。
これは照明などの誘導ノイズだったり、電源に起因するハム・ノイズだったり、その原因は様々です。
ドラムや他の楽器が一緒に鳴っている時はそれほど気にならないかもしれませんが、MCのタイミングなど静かな場面では「サーッ」とか「ジーッ」というノイズを出さないでほしいという指示が出る場合も多いです。
ヴォリュームペダルはこういう場合に大いに活躍します。
ノイズまで増幅してしまう歪み系ペダルの直後にヴォリュームペダルを配置すれば、その手前までのノイズを遮断することができるからです。

2つめの理由としては「音量と音色、両方の変化を駆使するため」です。
エリック・クラプトンやジミ・ヘンドリックス、ジェフ・ベックといった「トーンの魔術師」たちは、エフェクターが存在しない時代において、ギター側のヴォリュームを巧みに操作することで様々なトーンを生み出し、それによって楽曲に陰陽をつけていました。
単に音量を上下させるのではなく、ギター側のヴォリュームとトーンを組み合わせることで、音の奥行きやドライヴ感を調整していたのです。

ここで重要なのは、ピッキングやタッチといった演奏者のプレイ・ニュアンスとヴォリュームの関係です。
これはサウンドのダイナミクスと音量自体をコントロールすることになります。このようにギターのヴォリュームを絞ることを前提とする場合、アンプやエフェクターの設定はどうすれば良いのかと言いますと、まずはフル・ピッキング時を最大音量と考えて、全体のサウンドを作ります。
その上で、音量を下げたい場合にはピッキングを弱くし、加えてギターのヴォリュームを絞ることで、アンプのレスポンスを操作します。この2つをうまく組み合わせることで、トーンとゲインを操るのです。

ただし、これはかなりクラシックなサウンドメイクの方法論と言えるでしょう。なぜなら、小節区切りで劇的に場面が切り替わるような楽曲(静と動の切り替え)や、ミュージカルのように音楽で場面転換を演出する場合には、このようなサウンドメイクでは音色の切り替えが追いつかないからです。
つまり、ドラマティックな音色変化が必要な場合には向いていない方法と言えます。また、音量変化に関しても「音色を変えずに音量だけをコントロールする」ことが求められるケースも多いでしょう。
このような理由から、ギタリストが足元にヴォリュームペダルを配置するのが当たり前になってきたという側面は見逃せません。

そして現代の「トーンの魔術師」たちは、演奏とギター側ヴォリュームの操作に加えて、足元のヴォリュームペダルも巧みにコントロールして、ペダルボードのセッティングだけでは到底引き出せないサウンドを「メイク」してみせます。例えば、LAのトップセッションギタリストのマイケル・ランドウもその一人です。

2023年来日時のマイケルランドウのペダルボード。

彼はギター側のヴォリューム&トーンもコントロールしつつ、そこに足元のヴォリュームペダル操作を加えることで、無限とも思える種類のトーンとドライヴ・サウンドを引き出します。

現代のプレイヤーは、チューブ・アンプやドライヴ・ペダルの手前に置かれたヴォリュームペダルが、音量だけでなく弾き手の音色を無限に変化させる可能性を秘めているということを、もっと実感すべきでしょう。
自分のスタイルにマッチしたヴォリュームペダルを手に入れることは、皆さんの「音のセンス」を大きく拡張することに繋がります。

続きの記事では、そんな「トーンの魔術師」達が実際に現場で行っているヴォリュームペダルを駆使したサウンドメイクついて解説したいと思います。
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