アンダルシア(コルドバ)
アンダルシア旅も最終日となり、最終目的地のコルドバを目指すことにしました。
コルドバはグラナダよりも北部に位置し、グラナダと同様かつてのイスラム文化の面影を残す街のひとつです。
一昨年訪れた際に、その静かな町並みとローマ橋の美しさに心を奪われ、再訪を熱望していた場所。
この街の魅力は何なのでしょうか。
コルドバはイベリア半島の内陸に位置しており、いわゆる「スペインっぽい」赤茶けた渇いた土地が特徴です。
一見すると質素で味気ないように見えるその街並みですが、スペインの他の街と同様に古くから続く様々な文化の交錯点として栄え、歴史が街の隅々まで根付いています。
ローマの様式を最も端的に表すアーチ橋が街に古くから流れる川の両岸を結びます。コルドバはローマの属州の都市の1つでした。
川は渇いた土地に恵みの水をもたらし、古くから重宝されてきました。
街の主役が誰であろうと同じ姿で街に奉仕してきたのです。
さて、橋を渡りきればコルドバのアイコンたるメスキータがすぐに目に入ります。
ビシゴルド(西ゴート)支配のすぐ後にやってきたイスラム教徒の王朝、後ウマイヤ朝により建設されたイスラム寺院です。
コルドバを首都に据えた後ウマイヤ朝は半島を手中に収めましたが、レコンキスタにより13世紀には再びカトリック勢力の元へと下ることになります。
その際、メスキータも例外なくカトリックの影響をうけ、教会部分が増築されたため現在ではイスラム教のモスクとキリスト教会が同居するとても珍しい空間になっています。
モスク内部にはかの有名な円柱の森が広がり、ひんやりと冷たい空気がモスクを覆います。
その中央には、いわゆる"típico(典型的)"なカトリック礼拝堂があります。
ステンドグラスの反射光が床に鮮やかな絵を描いていました。
やはり歴史が息づいているというか、かつてあった人々の暮らしの微が感じられるのが魅力だと思います。
前回はメスキータ内部には入らなかったので、とてもいい経験になりました。
その後はすぐ近くにあるアルカーサルにも行きました。
こちらはイスラムの建築様式をよく残していますが、その建築はコルドバのレコンキスタ完了後、カトリック王によるものだそうです。
庭園はオレンジやレモンといった柑橘類の木々で満たされ、池と噴水がそれらを彩ります。
アンダルシアの青い空にオレンジの木はよく映えます。
イスラムの色をよく残すコルドバ、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
さて、アンダルシアへの旅行はこれで終わりですが、いくつか思ったことがあります。
一つは、アンダルシアが好きだということ。
人も気候も暖かく、天気も良いのでただテラスでご飯を食べるだけでも人生の幸福度が上がるような気がします。
そして何よりイスラム教国の影響が色濃く残る場所として、歴史的文化的価値が高いです。
ヨーロッパにいながらこういう体験ができるのは貴重だと思います。本当のイスラム体験を求める方は対岸のモロッコへどうぞ。
レベルが違います。聞く限りでは。笑
あれ、思ったこと一つしかなかったです。
スペインといえば、マドリー、バルセロナが有名ですが、いわゆる「スペイン」のイメージの多くがアンダルシアに起源を見ます。
行って損は無いので(得しかないので)みなさんぜひ行きましょう!!