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Red Hot Chili Peppers 2024.5.20 (2/2)
パパになって昔みたいに自由に動けない友達のために買っておいたグッズを渡す。
「東京限定のTシャツ、売り切れて……ませんでしたー!」
などとはしゃぎながら、少年モード突入。
ふたりしてお揃いのTシャツ(日本で2日間のみ販売されたTシャツなんて、あとからものすごいレア物になるのでは?)に着替え、ロッカーに荷物を預けて身軽になる。
ここからが問題だ。
開場開演まではそこそこ時間があるから、ビールでも飲みながらほろ酔い気分で待っていたいけれども、飲みすぎて結局ライブ後に記憶が曖昧になってはもったいない。
素面でライブ観たってなんの曲やったかとか飛んじゃうんだから、塩梅を間違えるわけにはいかない。
とかなんとか考えてるけど、結局HUBのテラス席にいるぼくたちは、ご機嫌な陽気の中ビールを飲み始める。
「写真撮ってもらっていいですか?」近くの席にいた兄ちゃんふたり組に声をかけられた。「お揃いのTシャツなんで、撮ってほしくて……あれ、あなた達も!」
なんのことはない、同士である。おんなじTシャツ✕4。きゃっきゃと盛り上がる。
話の成り行きで18日にも来たのか聞いてみたら、遮断していたセットリスト情報を盛大にネタバレされる。なんてこったい。でも楽しいから全部許せる。
「楽しみましょうね!」兄ちゃんらと別れ、中庭みたいなところで飲み直しつつ、開場を待った。
さすがに遠足すぎ。
さてS席からの眺めというと、ヘッダーの写真を見ていただきたい。なかなか遠い!
2階席の1塁側つまりジョン側だが、肉眼ではメンバーの姿はあんまり良く分からない。
こればっかりは仕方がない。6〜7割はS席で、Sの中でまあまあ当たり外れがあるのだ。
開演予定の19時を数分過ぎ、開場が暗転した。
おいおいまじかよ。
このクラスのライブはなかなか始まらなくて客がやきもきするもんじゃないのか。
まあでも暗転しただけだしな。と思っていたらすぐにSEが鳴り出す。恐るべきテンポでショウが始まろうとしている。
まだ席に収まっていない人が結構いる中アンソニー以外のメンバーが登場した。フリーは逆立ちだ。
まだひとつも音を鳴らしていないのに「終わったら寂しすぎる」と思った。
案の定というべきか、音はあんまり良くなかった。
席の問題なのか? アリーナの中ほどだとどんなふうに聴こえるんだろう。いつか体験したいものである。
ベースの音はでかいが輪郭がはっきりせず、アタック音ばかりが目立ちすぎていた。ギターもドームならではのリバーブがかかり、もこもこしている。
しかし、それでも、今日までぼくを生かしてきたバンドが今そこで音を紡いでいることはわかる。
喉を枯らして叫んだ。
ジャムが落ち着きフリーが開放弦を思い切り鳴らしたとき、「やっぱりネタバレはまじだった!」
Around The Worldのいかれたイントロ。95%興奮、Can't Stopが聴けない悲しみが5%。
アンソニーがぴょんぴょん登場し、100%興奮に塗り替えられた。問題なし。
やっぱり、楽しくて、興奮しすぎて、次にどんな気持ちでどんな曲で、なんて細かく覚えていない。
3曲目The Zephyr Songあたりで全体の音のバランスが多少良くなったことはわかる。
Hard To Concentrate、I Like Dirtと渋い曲が続いて嬉しかった。I Like Dirtのズーチャ! のイントロでそんなに周りは盛り上がっていなかったが、ぼくは爆上がりした。
Parallel Universeのサビをシンガロング、Suck My Kissの重いファンクネスで脳を揺らされ、アンソニーが上裸になったのを見て抱かれてもいいと思い、Californicationが始まる頃「ああもうすぐ終わってしまう」と悲しくなった。
ずっとここにいさせてくれ。
By The Wayのアウトロ長いバージョンだったらいいな、と思っていたがレッチリはどこまでもテンポよく、すっぱり終わってハケた。
フリーがふざけて歌ったりなどあったが、全体で言えばほぼMCもなかった。
ジョンの弾き語りコーナーはもうないのか。
アンコールでメンバーがまだ歩いて定位置に向かっている間にジョンがUnder Thd Bridgeを弾き始める。
テンポよすぎて笑ってしまう。
レッチリで1番最初にギターを練習した曲。とんでもなく美しい。観客はみんなスマホのライトをつけて、ドームが柔らかな光りに包まれる。
17年前は、ライターだったな。
Give It Awayになだれこむ。
すごい曲だ。スッカスカなのに、ギッチギチだ。
美しい哲学。上手く言えないけれど、この曲の精神はいつも胸にとどめておきたい。
歌詞の内容知らない方は調べてください。
アウトロで飛び跳ねていたら、全部終わってしまった。
何が良かった、とか語り合う気力もなく、帰りの電車の中で結構ぼく達は静かだった。
レッチリのTシャツを着ている人がそのへんにまだいる、楽しかったよな、ほんとに。
それから2週間経っても、まだレッチリのことばかり考えている。
ドームは音が良くないから別の会場で観たいとか思わなくもないけれど、もうなんかそんなんどうでもいいくらい(どうでもよくはない、絶対)余韻がすごい。
ライブを観ただけでなく、もっと上の何かに触れた感覚だ。
ライブを観に行く10日前くらいからレッチリ以外の音楽をできるだけ遮断していたのだが、終わってからもなぜかまだそうしている。
レッチリを好きになってよかった。
死ぬまでこの日のことは覚えているだろうな、と思える1日だった。
去年と今年はUnlimited Love Tour、来年はReturn Of The Dream Canteen Tourでどうかひとつ!
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