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「災害ですよ」と係員は言った。
全国版のニュースでも流れていたが、北海道の道東の都市、帯広を記録的な大雪が襲いました。2月3日から4日にかけてのことです。12時間で120cmという大雪。雪に馴染みのない土地で暮らしている方にはイメージできないかもしれませんね。とんでもない量です。
私は以前「北海道はどこでも雪かあると言うわけではない」という表題で、noteへ記事を投稿しました。信じられないかもしれませんが、見出しの写真は2月4日の朝、北海道新冠町の様子です。
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私の住む新冠町は本当に雪が少ない、というか今年に関しては雪が全くない。4日のこの写真を撮影した段階で、すでに帯広の大雪に関してはニュースになっていたし、何なら一応、新冠町にも「大雪注意報」や「警報」は出ていたのです。でも実際こんな感じでした。
この日(4日)所用でというか、道東の「養老牛温泉」という素晴らしい温泉に泊まるための前泊として帯広の駅前のビジネスホテルを予約してありました。5時から美味しい美味しい「平和園」という焼肉屋を予約していたので、間に合うように余裕を持って12時半に新冠を出発しました。
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青の道が一般的。いずれにしても日高山脈を超えなくてはならない。青で174km、峠に雪崩が発生して通行止め。赤は179km「日勝峠」と言う難所。高速は雪で止まっている。じゃあ大回りで襟裳岬経由路。黄金道路といいます。黄金って何故名付いたかというと、波も荒く、風も強く工事が難航しとんでもない金額の金がかかったからつけられた名前です。黄色の道。広尾から帯広までも自動車道がありますが、全線止まっていました。5時に間に合うかな❓と思っていると、「平和園」から電話がありました。「今日、営業しますからお待ちしています。人が少ないので迷惑かけます」とわざわざ連絡をくれました。
襟裳まではほとんど雪なし。広尾からやばくなってきました。
今回の雪の原因を素人ながらに分析すると。
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通常の冬の季節風は北西。だから夕張山地のあたりの山を水分が越えられずに、膨大な雪を岩見沢近辺に降らせる。今回の季節風は赤のような渦を巻いていたため、日高山脈の逆側から高い海水温から発せられる水蒸気が山脈を越えられず、道東側にふきを降らせたと言うことです。この渦は台風と形は同じ。低気圧が急速に発達したものです。
それにしても新冠は無さすぎ。出発後広尾が近づいたろから雪が目立って増えてきました。忠類という所から帯広までの自動車道も止まっていました。ただ、ピークを越えたのか、確かに雪は多いけどそれほどでもないなあなんて思いながら、帯広市内を目指します。途中「平和園さん」から電話がありました。路外転落の車が2台。それから歩道を作るのに除雪してた除雪車が傾いて動けなくなっていました。電柱も折れていました。
帯広に着いて驚きました。道路という道路は雪で「埋まっている」のです。
ここまでいくと人力では手をつけられない。
スタックしている車は数知れず。
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手付かずの車もあります。
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ホテルの駐車場の係員は言いました。「災害です」って。とにかく、屋外の駐車場は全てダメ。中は除雪しても出入りができない。だって道が雪で埋まっているから。
道路自体がなくなっているので、道路の中に放置された自動車もありましたし、路外に出た自動車も複数台見ました。
たくさんのお店がお休みでした。パチンコ屋も休みでした。許可をもらってパチンコ屋の駐車場に無理やり車を入れて何とかなりました。コンビニも一時店を閉めていました。「12時から(深夜ですよ)営業再開します」と貼り紙があった。
新冠にも大雪注意報が出ていたので、次の日写真が送られてきました。
「ホットスポットにいるのですね」「新冠はゼロもゼロ、全くないです」という文と写真を送ってくれました。
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5日は中標津まで行きました。帯広から出て池田に向かいましたが、息を呑むような美しい風景でした。
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途中、大きな事故もありHBCが取材に来ていました。「なした?」と言いながら降りて行こうかと思いましたがやめておきました。スタックする車は数十台。全部は無理だけど、いくつかは一緒に押しましたよ。僕は札幌の真冬に免許を取りました。ホワイトアウトの中での教習も普通でした。だから雪道に対する恐怖感はあまりありません。スタックの経験もありますが、必ず自力でヘルパーなどを使って脱出する自信はあります。残念ながらスタッドレスの脱出性能の弱さと、技術的な問題もだいぶあるように思いました。
「災害だ」と地元の人が言った帯広、どれくらいで元の暮らしや商売ができるようになるのでしょう。
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ちなみに、5日に泊まった養老牛温泉「だいいち」です。食事もうまい。建物も素敵、部屋も素晴らしい。風呂も最高。私は今夜はロフト付きの和室です。朝食もすごいんです。たくさんの野鳥も訪れる宿で有名です。一泊1人22000円ほど。たまの贅沢もいいもんです。