Life Page vol.2「新卒フリーランスデザイナーるかさんの自分らしい生き方」
様々なキャリアを持つ大人へのインタビューを通し、仕事や人生について考える「Life Page」。
今回もRYO-ZAN-PAKインターン生のYui:Pが担当します!
どうやったらより伝わるか、より読みやすくなるか、なかなか難しく、試行錯誤しています・・・!文章って難しい。
第2回は、前回お話を伺ったデザイナーSUMIさんからご紹介いただきました、同じくデザイナーのはせがわ るかさんです!
(vol.1の記事「デザイナーSUMIさんの人生に迫る」はこちらをクリック)
るかさんは現在、グラフィックデザイナーとしての創作活動に留まらず、イベントの企画・運営など、アクティブに活動していらっしゃいますが、
実はなんと、新卒でフリーランスの道を選択しました。
はせがわるか
成安造形大学グラフィックデザインコース卒。
小学校から高校までバスケ漬けの日々を送るも、高校バスケでの挫折経験から多くを学び、デザインの道へ。その後は大学での学びを生かし、新卒でフリーランスになるが準備も何もしていなかったためコケまくる日々が続いた。現在は経営やビジネスの知見を広げ、自身のフリーランスの活動を成長させている。
最近では学生向けにイベントを開き、自身のキャリアについて考えるきっかけを作る活動も行っている。
▽ポートフォリオ
美大を卒業したとはいえ、新卒でフリーランスのデザイナーになる決断をするのは、きっと相当の覚悟が必要なことだと思います。
るかさんはいったい何を考え、どのように人生を選択してきたのか、深くお話をお聴きしていくと、そこには私たちが疎かにしがちな、大切なマインドがありました。
(※取材は緊急事態宣言の発令以前に行われました。)
◇バスケ少女がデザインの道へ
幼少期から抜群の運動神経だったるかさん。小学生で始めたバスケでも、その才能を開花させ、小学校から中学校まではキャプテンを務めました。高校では強いチームに入り、試合に出られず悔しい経験もありましたが、顧問の先生がるかさんの可能性を信じて指導してくれる、本当にいい先生だったこともあり、毎日楽しくバスケに打ち込んでいました。
そんなバスケ一筋で超体育会系だったるかさんが、デザインを志したきっかけというのも意外なものでした。
高校2年でバスケ部の顧問の先生が変わってから、充実していた学生生活が地獄へと一転したのです。
新しい顧問の先生は、権威で威圧した指導が多く、技術の向上に向けて動こうとはしませんでした。
”感情で怒鳴り散らかされ、公開罰ゲームの日々。私はメンタルはだいぶ強い方ですが、ストレスで心身共にボロボロになりました。もう練習に行きたくない。やめたい。友達に話すと涙が溢れるほどしんどかった。”
しかし、先生に自分の意志を伝えることもできず、当時のるかさんはただ耐えることしかできなかったと、悲痛な日々を振り返りました。
このような日々でバスケに楽しさを感じることもできなくなり、その頃からバスケ以外の別のことをしたいという感情が芽生え始めました。
中2でONE PIECEにハマったのを機に、本屋によく足を運ぶようになったるかさんは、「本屋に並ぶ本の帯を作りたい」と思い、グラフィックデザインを専門に学べる大学へ進学することに決めました。
受験に必須のデッサンは0からのスタートでした。とはいえ部活のハードな練習でそれどころではなく、画塾に通い始めたのは部活引退後の高3の春から。それでも、アルバイトをして塾代を自分で調達するほどの強い覚悟を持ち、無事志望校に進学することができました。
バスケからデザイン、180度違うようにも見えるこの世界に進む決断がなぜできたのでしょうか?
それは、「やりたいと思ったから」
このような判断基準で決心できるのにも、実はバスケが関わっているそうです。
”幼少期から積み上げてきたバスケでの成功体験が、自己肯定感を高めてくれたおかげで、自分がやることには自信を持つことができました。”
”また、高校でのバスケの失敗体験から、受け身では何も変わらないことを知り、自分の道は自分で切り開くしかないことを身をもって学びました。”
なるほど、だからこそるかさんは、自分自身からわき上がる素直な気持ちを信じ、行動できるのだと感じました。
◇フリーランスとして働くワケ
就職活動の時期になり、るかさんも動き始めましたが、1ヶ月で就活を辞めました。
会場に向かうためのお金さえ無駄だと感じるほど説明会はつまらないし、就活情報サイトや美大生が使う就活サイトでは、自分が理想としていたような小さい会社には出会えなかったのです。
そんな最中、中学時代のバスケ仲間に誘われ、シンガポールでビジネスを学ぶプログラムに参加しました。そこでるかさんは、たくさんの講師と出会い、フリーランスに対するイメージが変わったといいます。
”やりたいことをやるには、何か特別なものを持っている人でないといけないと思い込んでいましたが、実はそうではなく、当たり前のことを当たり前にできる力が大切なのだと気づいたんです。”
「自由に働きたい」「デザインがしたい」と思っていたるかさんは、そこでの気づきに後押しされ、フリーランスでデザイナーになることを決めました。
とはいえ、新卒からフリーランスになるのは非常にマイナーな選択で、周囲からは不審がられ、また、フリーランスでお金を稼ぐのは大変だろうという厳しい声もたくさん聞いたそうです。
しかし、高校のバスケ部でやりたくないことをやる苦しさを経験したるかさんにとっては、「やりたいことができる」ことは、たとえ思うように稼げない道だとしても、部活で味わった大変さよりもずっと楽なことでした。
また、フリーランスで自由な分、最悪バイトで稼げるから死にはしないという心構えだったとお聞きし、るかさんはもはや無敵だと感じました・・・!!
◇立ちはだかった3つの壁
フリーランスになって最初にぶち当たった壁は、自分を律することの難しさ。自由な分、何かをやらないという選択も自分次第で簡単にできてしまい、やらない自分に病んだといいます。
”自由を求めてフリーランスになったけど、実際自由を手に入れてみると、自由であることより、楽しいことの方が重要だと気づきました。”
それから、るかさんにとって「自由」は目的から前提になり、「楽しいことをする」というのが軸になりました。
2つ目の壁は、バイトと本業の両立の難しさ。
資金集めとはいえ、ただ稼ぐためだけに何も得られないバイトをするのはもったいないと感じたるかさんは、本業に何かしらのプラスになるバイトを探しました。しかし、バイトを転々とし、ここぞというバイト先を見つけるまで、1年もかかりました。現在は子どもに芸術関係のことを教えるバイトに就き、多くの学びを得ているそうです。
3つ目はデザイナーとして働く上での壁。
大学ではデザインを専門に学んできましたが、依頼を受けてから納品までの流れや、金額の設定など、デザインを仕事としてやるためのノウハウは全くありませんでした。そのため、WEBサイトやnote、Twitterなどで調べたり、積極的にイベントに参加し同業者から情報を得たりして、デザインだけではなく経営の知識を学ぶ努力も怠りませんでした。
◇フリーランスだからこそできること
フリーランスだからこそ、仕事は自分で選ぶことができます。るかさんはご自身の信念に基づき、リスペクトできる人としか仕事はせず、紹介したくない商品はやらないといいます。
”会社に入ると、良いと思わないものも作らなければならないこともあります。それは「美味しくないもの」を「美味しい」と伝えるようなつらさがあるんです。でもフリーランスで働く上ではそのような矛盾はありません。”
「作りたいものを作ることができる」それが、るかさんにとって何よりもやりがいになるのです。
その上で、るかさんは「作るだけで終わらせない」ということを大切にしています。
たとえば、チラシのデザインを依頼されたら、作って終わりではなく、どこに配れば良いか等、その先も提案するのです。
”素晴らしいデザインでも効果的に使われず、無意味に終わるものが数多く存在していると感じます。デザインは作るだけでは意味が無く、使われたり、売り上げが上がったりして初めて意味のあるものになります。私はそのような、意味あるデザインを作ることを常に心がけています。”
また、自分が生み出したものだから最後まで見届けたいという想いもあり、「作って終わり」ではなく届けるところまでサポートすることにこだわっているのです。
そのようなるかさんの姿勢をお聞きし、そこには使ってもらえるものにしたいというデザインに対する愛情と、生み出したことに対する強い責任感があるように見えました。
◇これから目指すもの
ロゴや名刺、フライヤーなど、平面の紙媒体を得意とするるかさんですが、それ以上に抜群のアイデア力が強みで、今後はクリエイティブディレクターとしての活動にも注力していくそう。
仲間を作ってチームで動くことを目指しており、イベントやコワーキングスペースで出会った学生と、小さなプロジェクトから協働して取り組んでいくことも考えています。
◇クリエイターを志す学生を助けたい
るかさんは美大芸大生が抱える課題を解決しようと考えています。
美大や芸大に通う学生はできる人たちなのに、8割はやりたいことをやれない状態に陥ってしまうという現実があると語ります。
”就職して待っているのは過酷な労働環境。自分が本当にやりたいことに力を発揮する機会もなく、ストレスを溜め、うつになる人もいます。
そもそも、よくある就活のやり方やルートしか知らず、いいところに出会えないと感じる学生は多くいるのです。”
るかさんも学生時代同じように感じていましたが、この2~3年、フリーランスとして活動し、様々な人との出会いを経て、就活にもいろんなやり方があることを知りました。
そのことを、キャリアに不安を抱える学生に伝えたいと思い、企画したのが「美大芸大飲み会」。
このイベントでは「詰まないクリエイターになる」をみんなで実現していくために開催しており、社会人ゲストを招いてキャリアに関する視野を広げたり、プロのクリエイターと学生が交流して新たな繋がりや機会を得ることができます。
◇最後に
「自分の人生は自分のもの、だから自分で選ぼう。」
バスケ時代の地獄の経験から多くのことを学んで、自分らしい人生を歩む選択ができた、るかさんの言葉には説得力を感じます。
”やりたくないことを文句を言ってまでやる必要はないです。
逆に、やりたいことは失敗しながらでもやればいいし、絶対にできます。
その上で、今、自分が選択できる最善の道を選び続けることが大切です。”
るかさんの判断基準は
「やりたいか、やりたくないか」「好きか、嫌いか」。
非常にシンプルです。
しかし多くの人は、まず最初に「できる、できない」のフィルターにかけ、その結果、自分の心の声を無視してしまっているのではないかと思います。(少なくとも私自身はそういう思考の癖があると感じます)
本当は何が好きで、何を選びたいのか、自分の素直な気持ちに耳を傾け、それを軸に行動してみてはじめて、自分らしい生き方、働き方ができるのではないだろうか ――。
「今」を楽しそうに語る、るかさんの姿を見て、そう思わずにはいられませんでした。
▼投稿者プロフィール
Yui:P(RYO-ZAN-PAKインターン生)
立命館大学4回生。「変化を楽しむ」がモットー。
コワーキングスペースRYO-ZAN-PAK(@RZPK2019)での出会いや経験を成長の原動力にし、未来を模索しています。「Life Page」を通して、様々な人の働き方や生き方に触れ、感じたことを発信していきます。
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