見出し画像

SyngUp!の『太陽』とは?

 月村手毬の親愛度コミュを見ていると『太陽』という気になる表現が登場する。勿論太陽系の中心に存在して毎日東から登って我々を照らし西の沈む太陽そのものではなく、ある人物を喩えてそう呼称している。

 ただ話を聞くに、どうも賀陽燐羽と秦谷美鈴のいう『太陽』が異なっているように思えた。直前に3人の約束について認識がそれぞれで異なり、バラバラじゃないと燐羽が愚痴る一コマがあったが、同じく『太陽』についてもバラバラではないか? また違うことに何か意味があるのではないか?と考えたのが以下の記事である。


■賀陽燐羽の『太陽』

 燐羽の口から出た『太陽』は画像のような文脈で登場している。

月村手毬 親愛度 第17話

 この時の『太陽』が誰を指すか? コミュを読んできていれば当然分かるが『賀陽継』だ。Campus mode!!(以下CM)手毬コミュの2話でも3人が憧れ、真似っこしていたとの話が出ており、中でも燐羽が最も上手かったことから燐羽の発言にも重なる。

月村手毬 Campus mode!! 第2話

 月村手毬、秦谷美鈴、賀陽燐羽が憧れた『太陽』とは『賀陽継』であり、自分はその真似をしているのが燐羽の認識だ。

■秦谷美鈴の『太陽』

 対して美鈴はこうだ。

月村手毬 親愛度 第17話

 問題なのが「戻ってきそうで……本当によかったです」の部分。話の流れで戻ってくる可能性が示されたのは賀陽燐羽の方だ。賀陽継は既に引退しており戻ってくるとするのはどう考えてもおかしい。今のこのSyngUp!の置かれた状況にあって、今更賀陽継が戻ってきたところで何が変わるというのだろう。

 戻ってきそうで~の文脈に従って考えると『太陽』は『賀陽燐羽』ということになる。賀陽燐羽が戻って来て本当に良かったです。美鈴にとっても大切な友人である燐羽の動向を心配しており、生徒会に入ってからも接触を図っていた中、彼女が戻って来てほっとした気分だろう。

 美鈴は「わたしたちの『太陽』」という言い方をしている。『太陽』が『賀陽燐羽』であると考える場合、この「わたしたち」に燐羽は含まれているのか? 答えはNOだろう。
「手毬と美鈴と燐羽の憧れた燐羽が戻って来て、本当に良かったです」はどう考えても不自然で、燐羽は「わたしたち」に含まれないとするのが自然だ。

 この発言を見たとき「美鈴の中でのSyngUp!は手毬と美鈴で組んでいるところに燐羽が入ってきた認識なのか? 3人ではなく2+1人なのか?」と考えた。この発言の前にトップアイドルになろうという約束は美鈴と手毬のものだと認識していたという発言もあり、美鈴の中で手毬と燐羽は同列ではなく、手毬>燐羽の図式になっているのでは? とも考えた。現時点で美鈴の発言の真意を裏付けるものがないので、あくまで可能性の1つではあるものの、謎が多い美鈴の一面として覚えておきたい。

■月村手毬の『太陽』

 手毬の口から『太陽』という言葉が出てきたことは無い。17話の喫茶店でのやり取りは勿論、他のコミュでも『賀陽継』や『賀陽燐羽』を指して『太陽』と表現したことも無い。
 しかし親愛度16話、CMの2,3話、及びCM月村手毬のPアイテムを見ることで導き出すことが出来るが、手毬にとっての今の太陽は燐羽で、恐らく美鈴も含まれる。

 まず親愛度16話にて、手毬の憧れは賀陽継と賀陽燐羽の両方であることが分かる。どっちも特別だと燐羽の意地の悪い問いかけに対して心の底から反論した一幕。彼女らの存在が手毬の中で非常に大きいのは疑うまでもない。

月村手毬 親愛度 第16話

 CM2話コミュでは実際に空を見上げ、太陽に向かって啖呵を切るシーンがある。NIA出場へ向けてCampus mode!!を用意したPに対し、手毬は異常なほど高い完成度のパフォーマンスを見せた。SyngUp!の三人で練習しており、特に一番上手かった燐羽に教えられたからと寂しさを覗かせながらも誇らしげに語る手毬が印象的なコミュだ。

月村手毬 Campus mode!! 第2話

 手毬はこのコミュにて「あの頃、一番ヘタクソだった私が。リーダーに教わった歌で。証明してやりたいんです。立派に独り立ちしたぞーーって」と発言している。SyngUp!のリーダーは燐羽であり、NIA編では終始燐羽を意識していることが分かる。また同時に「今度こそ、堂々と急かしてやりたいんです」とも発言している。怠け者で本気を出してくれと初編や各種サポカでも言っているのは美鈴だ
「あなたたちを、追い抜いてやったぞ」「早く本気出せヘタクソ~ッ!」と太陽に向かって叫んでいることから、2人が手毬にとっての太陽であることを暗喩していると言えるだろう。

月村手毬 Campus mode!! 第2話

 更にCM3話では優勝ライブに「美鈴も、燐羽も、きっと観てる」とあり、極めつけはPアイテム名が『太陽まで届ける歌声』だ。燐羽だけではなく、美鈴にも独り立ちできたことを歌で伝えようとしている。以上の事から手毬にとっての太陽は美鈴と燐羽だと言える。

月村手毬 Campus mode!! 第3話
Campus mode!! 月村手毬 Pアイテム


■余談

 Luna say maybeのMVには『初めて背中を見たときに』の部分に太陽光線と思わしきシーンがある。

初星学園 「Luna say maybe」Official Music Video (HATSUBOSHI GAKUEN - Luna say maybe)

 この直後の『覚悟決めた』で作り物の翼が生えるシーンがあることから手毬が燐羽や美鈴の背中を見て力量差を感じ覚悟を決めたシーンでは無いかと推測している。賀陽継の説も考えられるが、ステージ上のアイドルの背中を見たときにというのは状況や表現として不自然な気もするので二人の可能性が高いのではないか。

■バラバラな『太陽』から見えてくるもの

 三者三様の『太陽』をもっているが、これがSyngUp!のメンバーにとってどういう意味があるのだろうか。前提として太陽という表現そのものには深い意味は無いと推測する。単純に物語の主軸となる手毬の苗字に月があり、対する燐羽には陽があることから月と太陽という表現を比喩として用いるのはごく自然だ。どちらかというと太陽という文言そのものより、誰が誰を太陽としているかが重要に思える。

 手毬は非常に分かりやすい。太陽としている燐羽と美鈴は大切なユニットメンバーで、自分を支えてくれる暖かい存在で、自分よりずっと高い位置にいる存在だ。手毬にとっての目標であり仲間でありライバルである。初編から続く物語がNIA編で一旦の区切りを迎えたのは、やはりその燐羽と美鈴に勝利してアイドルとして一歩成長できたからに他ならない。

 燐羽もこれまた分かりやすい。太陽とされる賀陽継は恐らく姉だと推測され、その真似事をしてあげると語る燐羽。CM2話で手毬の口から語られたようにかつてのSyngUp!でやっていたことだ。燐羽の考える自分自身のユニット内での役割でそれであると同時に、呪いというか、手毬と美鈴が望んでいない方向に思いつめて固まってしまっているようにも思える手毬は燐羽を賀陽継の代替品として見ているわけでは無く、燐羽が燐羽であるが故に声をかけたのは親愛度20話を見れば分かる。余りにも大きく近すぎた存在故に目がくらんだ燐羽の抱える問題としてその太陽はあるのかもしれない。

月村手毬 親愛度 第20話

 難しいのは美鈴だ。現状美鈴はリリース初期から登場している物の、謎が多いアイドルで判断材料も少ない。考えられるのは2パターンだろうか。
 1つ目。NIA編でも手毬コミュでは別行動しており、反対に会長コミュでは生徒会と別行動して燐羽の問題に当たっていたとのこと。太陽としているのが燐羽であることから素直に考えれば美鈴もまた憧れであり目標である燐羽を救いたい、また仲直りしたいと行動していたと考えるのが自然だ。手毬と同じく燐羽のようなアイドルになりたいとしているのが1つ目の可能性。
 2つ目。美鈴にとっての太陽は大したものじゃない可能性。直前の約束の話で「ふたりの約束」というフレーズが出てきている。このふたりというのは「わたしたちの太陽」のわたしたちと同義、美鈴と手毬を指していることは明らかだ。どうも美鈴の中では燐羽よりも手毬が重要な存在で、美鈴の考える夢には手毬の居場所しかなく、明確に差をつけているように思える。ここで大事なのは燐羽が嫌い・憎いのではなく、比べ物にならないほど手毬の存在が凄まじく大きいだけなことだ。咲季にとっての佑芽、清夏にとってのリーリヤのように、無くてはならない、生きる意味と言っても過言ではない存在に居るのではないかと思う。今更書くほどでもないが、それくらい美鈴の行動は「手毬の為」が多い。
 更に2025年2月5日に公開された秦谷美鈴の紹介PVにて、美鈴のソロ曲「ツキノカメ」が少しだけ流れているが、この中に

「いつかあの月のようにそっと誰か照らせるかな」

【学マス】秦谷 美鈴 紹介PV【アイドルマスター】

とある。秦谷美鈴の周辺で月とは誰を指すのか? 月村手毬一択だソロ楽曲がLuna say maybeであり、太陽(燐羽)に対する月の存在となれば月村手毬しかいない。これが手毬以外を指すのはかなり不自然だろう。
(似たようなものとして紫雲清夏の2曲目「カクシタワタシ」には「本当は羨ましくて憧れた無垢な白い花」という歌詞があるが、これを葛城リーリヤ以外を指すと考える人はいないはず)
 美鈴にとって『太陽』は大切だが、それ以上に大切なのが『月』というのが2つ目の可能性だ。
楽曲やMVは2月6日公開予定なので、情報が出次第なにか追記できるかも知れない。


若干言葉遊びな感じがしているが、個人的に気になった部分だったので書いた。
以上です。

いいなと思ったら応援しよう!