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NIAで垣間見えた秦谷美鈴のこと【NIA編ネタバレ有り】

 学園アイドルマスターに登場する秦谷美鈴というアイドルはとにかくミステリアスで本音や素顔を出さない。確認できる範囲の情報を継ぎ合わせても「これだ」というものは導き出すあーでもないこーでもないという推測をする日々だった。自分でも過去にこんなnoteを書いている。

 さて2024年12月26日に新プロデュースモードである「N.I.A編」が実装された。月村手毬の親愛度第10.5話でSyngUp!のメンバーである賀陽燐羽が初星学園を退学、961プロ傘下の極月学園に移籍するという衝撃的な話が飛び出していたことから、月村手毬と賀陽燐羽の話が展開することは明らかで、同じくメンバーである秦谷美鈴についての情報もある程度公開されることが期待された。

 全アイドルのNIA編をクリアして拾える限りの情報を拾ってみたので今一度まとめて秦谷美鈴について考えてみたい。


■秦谷美鈴の実力

 手毬コミュでは美鈴もNIAに参加していました。初星学園の現在の生徒会は会長がプロデューサーとして1年生を担当しており、美鈴が対象になっているかは不明ですが、生徒会がプロモーションを始めているという言及がありました。この時点で既に手毬と美鈴が対決する伏線が敷かれていたわけですね。

月村手毬 親愛度 第12話

 月村手毬親愛度第17話では、SyngUp!の三人が再度集まり、三人でした『約束』について確認した後、それぞれの今後の行動について話していました。
 その中で、燐羽が『極月学園にFINALEの枠を用意する』『初星潰し』を行うと宣言すると、美鈴が驚きの一言を口にしました。

「いまのランキング1位はわたしです」

月村手毬 親愛度 第17話

 月村手毬及びコミュで登場している花海咲季、藤田ことね、倉本千奈、篠澤広、白草四音、藍井撫子、そしてブランクのある賀陽燐羽を抑え、いつの間にかNo1アイドルになっていたのです。

NIAのシステムは単純なバトルではなくファン投票で決まるものなのでアイドルとしての能力が一番高いというわけではないことに留意。
また十王星南は手毬コミュでは不参加(P業に専念)、白草月花が登場していないため、二人と比べるとどうかは不明です。

 秦谷美鈴の実力については過去にいくつかの描写があり、
・月村手毬、秦谷美鈴、及び月村手毬のプロデューサーが揃って美鈴の方が実力は上と発言
・中等部No1アイドルユニット『SyngUp!』のメンバー
 (学園アイドルマスター GOLD RUSHでは手毬、燐羽についで三番手評価)

学園アイドルマスター GOLD RUSH 第2話

・会長の『眼』で見て見込みのある1年生である

生徒会のアイドルたち 第3話

・副会長の評価で夏の『H.I.F』に間に合う1年生
 (他に候補は花海咲季、月村手毬。『H.I.F』は例年2,3年生が活躍する)

生徒会のアイドルたち 第5話
十王星南 親愛度 第19話

とありましたが、ここに来て更に凄まじいポテンシャルの持ち主であることが明かされました。

 また上記発言を受けての賀陽燐羽の発言が下の通りです。一応は鍛え直すことで勝てると見込んでいるようですが、かつてSyngUp!の一番の実力者で、十王星南にも匹敵する実力者である賀陽燐羽であっても一朝一夕では勝てないとされるのは相当です。

 手毬が強く不満に持ち、会長が嘆くほど授業もレッスンもサボりの常習犯であるにも関わらずこれだけの活躍を見せるのは何故なのか? 花海姉妹のように才能のなせる技か、あるいは手毬のように見えないところで必死に努力しているのか、現時点では分かりませんが、今後が気になる要素の一つでもあります。

月村手毬 親愛度 第17話

■『約束』

 以前の記事でも書いた通り、秦谷美鈴の
・初星学園を選んだ理由
・SyngUp!再結成にこだわる理由
・アイドルへのモチベーション

が不明な状態でした。NIA編が実装されるまで自ら行動する際に月村手毬を動機として動くことが多かったから、彼女と一緒にいるためではないかと考察していましたが、NIA編で明かされた内容から考えるに当たらずといえども遠からずと言ったところでしょうか。

●初星学園を選んだ理由

 手毬・燐羽両名とも「私たちが憧れていた」という言葉を口にしていることから、美鈴も同じく『賀陽継』に憧れていたのだと思われます。以前の記事で『賀陽継』=『一番星』の可能性が高く、手毬が初星学園を選んだ理由はそこにあると考えたのですが、美鈴も同じだと思われます。

月村手毬 Campus Mode!! 第2話
月村手毬 親愛度 第17話

 またリリース前のAppStoreでのインタビュー動画にて手毬が『アイドルに憧れたきっかけは?』と聞かれた際に「友達とライブ鑑賞したのがきっかけです」とありました。友達とは幼馴染である美鈴であると考えられ、同じく賀陽継のステージを見て憧れていたと思われます。

【初星学園アイドル科 意気込み動画】 2. 月村 手毬

 但しあくまで確実なのは手毬と燐羽の憧れは賀陽継という点で、美鈴本人がどうだったかの言及はありません。二人共「私たちの憧れた~」と言っていますが美鈴が含まれているか分かりません。憧れのアイドルは別にいたり、手毬が心配だから一緒に入学したという可能性もゼロではありません。

SyngUp!再結成にこだわる理由
 
当初自分は「手毬との関係が失われることが嫌だから」だと考えていました。これに対し否定材料こそ無いのですがもう一つ有力な情報が出てきました。

 まず大前提として、美鈴は燐羽に対しても大切な友達・仲間であると認識しており、また手毬同様燐羽に憧れている節があります。他に燐羽を太陽として形容するのは燐羽を強くリスペクトしている手毬しかおらず、同様の表現をしている美鈴もその可能性があります。

月村手毬 親愛度 第7話
月村手毬 親愛度 第17話

 次に賀陽燐羽は約束を破ることが大嫌いです。破ることも破られることも両方のようです。SyngUp!の三人でした約束について、それぞれで認識にズレが有り、結果的に燐羽が約束を破ったという形で押し切られ納得し、いずれ初星学園に戻って来る布石になっています。

月村手毬 親愛度 第17話

 そして美鈴が認識していたSyngUp!の『約束』とは『3人でH.I.Fに出場し優勝すること』でした。SyngUp!の再結成に拘る理由の一つとして、『3人との約束を守るため』が含まれるのではないでしょうか。
大好きな三人と一緒に居たい、幼馴染で特別な想いを持つ手毬と一緒に居たい、憧れた燐羽とまた歌いたい、約束を守りたい……全てが叶うのがSyngUp!の再結成。だから普段は怠惰な美鈴があの手この手で再結成を狙ったのではないでしょうか。

月村手毬 親愛度 第17話

 アイドルへのモチベーションに関しては後述します。


■「やっと……こっちを見てくれた。」

 個人的にNIA編で特に印象に残ったシーンです。手毬にすら丁寧語で接する美鈴のあらゆる発言の中で唯一砕けた口調で、最も本心に近い発言だと思われます。記事のトップ画像にも採用しています。
この言葉で秦谷美鈴が何を考えていたのかある程度察することが出来た気がします。

 以前にも『1年2組のアイドルたち』で、自分と絶交中なのに1年1組のアイドルと仲良くしていたり、『何やってるんだろう、』でことねに弁当を作ってもらっていることに対して嫉妬している場面はありました。どちらかと言うと美鈴から手毬への感情が強くでているシーンが全体的に多い印象です。

1年2組のアイドルたち 5話
何やってるんだろう、 手毬の友達事情

 題にある発言は月村手毬親愛度第17話、前述の燐羽による初星潰しの流れで登場します。燐羽は流石に美鈴を相手にするのは骨が折れると言ったことで、『FINALE』では月村手毬と秦谷美鈴の直接対決が実現します。

月村手毬 親愛度 第17話
月村手毬 親愛度 第17話

 月村手毬が「負けないから」と対抗心を剥き出しにしたのに対して、
 秦谷美鈴は「やっと……こっちを見てくれた」と返します。

 手毬と美鈴の関係はリリース前から相互に『大切な幼馴染』と紹介されていました。仲直りする親愛度以外の世界線ではすれ違い、お互いに意識はしているもののギクシャクしたままのなんともいえない関係になっており、二人が仲直りしたのは月村手毬親愛度コミュのみでした。NIA編その親愛度コミュと地続きなので、てっきり全て解決して元通りになっていたのかと思っていたのですが、美鈴視点ではそうではなかったようです。

 NIA編の月村手毬コミュで繰り返し語られているように、手毬の憧れは賀陽継や燐羽であり、SyngUp!の結成経緯も含めて常に視線は燐羽に向けていました

月村手毬 親愛度 第20話

 反面美鈴とはどうだったかというと、『一緒にトップアイドルになろう』という『ふたりの約束』を「えっ、そうだったの?」と忘れていたくらいには意識していなかったようです。(※認識違いの可能性あり)
このあと美鈴は「何年も前の記憶なんて、そんなものですよ」と流して入るものの、過去に手毬が高等部の校舎を指さしていたことまで覚えているため、本当に約束していたと思われます。

月村手毬 親愛度 第17話

 実際初星コミュではその約束と思わしき場面があります。この時燐羽が居なかったので、入学したてか、あるいはそれ以前に二人だけで約束したかもしれません。

初星コミュ 1章 第13話

 さて、授業やレッスンの平気でサボり、会長公認の問題児である美鈴がNIAに出場し、1位にまで到達しています。普段の美鈴であれば、のんびりお昼寝していたり手毬のサポートに回っていそうですが、そうではありませんでした。
 美鈴がNIAに出場して1位を取っているのは自分としたはずの約束さえ忘れるほど燐羽の方ばかり見ていた『月村手毬に自分を見てもらう・意識してもらうため』だとみて間違いないでしょう。生徒会活動も1組と3組に行く口実を作り3人の仲直りを実現するためで、再結成ないし仲直りした暁には、燐羽だけでなく自分を見て欲しいという想いがあったのは確実です。
 そういった気持の全てが詰まったのが「やっと……こっちを見てくれた」という発言です。

 よって、秦谷美鈴が初星学園に在籍し、アイドル活動を続ける理由は以下3点です。

  • SyngUp!の3人の約束を叶える

  • 月村手毬とのふたりの約束を叶える

  • 月村手毬に自分を見て欲しい、意識して欲しい

 5月の実装された際の答え合わせを楽しみにしています。


 自分の感想なのですが、NIA編を見て手毬と燐羽に負けず劣らず『美鈴も相当不器用でいじらしい女の子』だと思いました。大好きな親友に振り向いてもらうため、とにかく遠回りで無駄に苦労のすることをしています。端から見たら異様とも取れるほど手毬への執着が感じ取れます。だからこそ手毬と燐羽と同様、SyngUp!の解散があったときは美鈴も同様に相当なショックを受けていたことでしょう。仲直りに向けて動いて入るものの、誰かに相談できる内容でもなく常に不安を抱えていたことでしょう。
そんな中、3人がまた集まって昔のように会話をして、ずっとずっと自分を見てほしかった子がようやく自分に目を向けてくれて、思わず本心が漏れ出た。これを愛らしいと言わずなんと言いましょうか。
 美鈴実装時には美鈴視点でのお話が読めると思いますし、今月末更新が予定されている初星コミュでもその一端が拝めるかもしれません。今から楽しみです。

●余談1

 これが意図してなのかたまたまなのか不明ですが、月村手毬と秦谷美鈴はサポートカードでセットになっている枚数がそこそこあるのですが、二人が視線を合わせているカードは1枚もありません。美鈴の「やっと……こっちを見てくれた。」がどれだけ本人に取って大きいことなのか、こういった部分からも見いだせるかもしれません。

●余談2

 ところで各アイドルの親愛度コミュは別々の世界線になっています。月村手毬親愛度の世界線では前述の通りNIAに参加しておりいつの間にか1位になっていますが、十王星南の場合はどうも美鈴は参加していないようでした。
佑芽や千奈からも「それどころじゃない」「あんなに慌てているところ、はじめて見た」と言われ、会長主導のことねを含んだNIA対策の強化合宿にも不参加でした。(※実力的に十分だから必要ない可能性もある)
月村手毬親愛度の場合は親愛度10.5の通り、手毬と美鈴の両者が燐羽の件を知っており、手毬が解決に向けて動いていたのですが、会長側の場合は手毬の動向が不明な為、美鈴が動かざるを得ない状況にあったのだと思われます。

十王星南 親愛度 第14話
十王星南 プロデュースコミュ もっともっと先へ!

 しかし燐羽の説得は手毬でなくではダメと思われる節もあり、美鈴が動いてもやれることには限度がありそうです。また上記のように手毬に自分を見て貰うことが出来なくなるため、どんどん負のスパイラルに陥るような気がします。あくまで現状の情報ではそう判断するしか無いだけで、今後の展開次第では解決策が見つかるのかもしれませんが。

月村手毬 親愛度 第10.5話


■気になるポイント

●サボりの目的

 秦谷美鈴は学園も会長も手を焼くサボり魔で問題児なのは周知の事実ですが、何故サボるのかは不明でした。生来の面倒くさがり屋なのか、巷ではナルコレプシー等の病気の影響で長時間活動できないのではないかという説すらありました。

 ただ今回のセリフを踏まえ、手毬に構ってもらいたい・意識してもらいたいという可能性が出てきました。何故かと言うとサボりや居眠りを止めるのが手毬の『役目』だったからです。

また、あんなに無理をして 私の『役目』
さみだれ 目が、覚めるように

 また「また、あんなに無理をして」「さみだれ」ともに珍しく美鈴が自主的にレッスンに向かうシーンがありますが、どちらも手毬が関わっています。前者は無茶をする手毬を心配して自主レッスンと称して接触しに向かい、後者では夢の中で手毬に怒られたことでレッスンに向かう決意をします。
 加えてサボりや全力を出さない理由について仄めかしている場面もあります。月村手毬親愛度第19話では手毬に負け、いい加減入って追いかけてきなよと言われたのに対し、それは出来ませんと拒否する場面があります。特にその中で出た「感情に任せて走ってしまえば……余計に追いつけませんから。」という言葉。過去に似たような経験があるのか、あるいは実際に燐羽や美鈴に追いつこうと無茶している手毬を反面教師にしていたのか不明ですが、核心めいていると感じました。

月村手毬 親愛度 第19話


●ライバル関係

 NIAでの直接対決は月村手毬の勝利で幕を下ろします。いつもは手毬が美鈴を追いかける側でしたが、今度は立場が逆転し、夏の『H.I.F』では美鈴が挑むと宣戦布告をしますが、このやり取りに気になるポイントがありました。

月村手毬 親愛度 第19話
月村手毬 親愛度 第19話
月村手毬 親愛度 第19話

 相互にライバル宣言するシーンなのですが、手毬が美鈴のライバル宣言を受けて驚き、涙を流します。ただどうもこのやり取りだけでは涙を流すほどのことなのか理解できませんでした。
 直前のやり取りから考えると、美鈴がやる気になってくれたことが嬉しい、が一番可能性として高い気がします。SyngUp!解散のきっかけの1つに全力を出さない美鈴に不満を持っている、というものがあったことから、手毬がずっと願っていたことで説得力があります。
 他にあるとしたら、美鈴を追い抜いたことを実感したからでしょうか。美鈴・燐羽という凄い存在に挟まれ、常にサポートされながら追いつこうと思っても全く追いつけなかった日々を考えるとこれまたありえなくは無さそうです。ずっと追いかけていた背中に追いついた、追い越せた、今までの努力は無駄じゃなかった……というように。
 あるいは未だに明示されていないだけで二人にとって『ライバル』とは、二人の間でしか通じないキーワードなのでしょうか。これに関してはいつ実装になるか分からないHIF編まで待つことになりそうですが、一旦メモ程度に書き留めておきます。


以上です。思考整理を兼ねているのでだいぶ乱雑になりました。


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