転ばないセーフティー【転ぶ練習は逆に危険】

 初めてのスキーボードこうざで【転ばないセーフティー】についてお伝えしました。
こちらについて「いやいや、転ぶ練習は必要だろ!?」と思われる方も多いかと思われますので、その補足解説です。

 転ばないセーフティーの核心は、転ぶ練習をする前にブレーキの練習をしましょう!と言うことです。とっても当たり前の事に感じられますが、実はそうでは無いのです。

 ゲレンデでしばしば、暴走した方に「転べぇぇぇぇ!」と叫んでる光景、みかけません?あれ、危ないんですよ。最近少なくなっている気もしますが、初心者にわざわざ転び方を教えている光景もまだ見かけます。

 ですがこれ、暴走してから転べ!と言われて正しく転べる初心者って居るでしょうか?居ませんね。

 転んで暴走を止めるというのは、30年くらい前のストレート形状のスキーの時代によく用いられていた方法です。実際私も初心者の頃に習いましたし、そういう風景もたくさん見てきました。
 しかし、今主流の板の形状であるカービング形状の板では余計に怪我をする方法です。カービング形状というのは板のセンター付近がくびれている形状のスキーは全てそれです。

 カービング形状の最大のメリットは傾くだけで曲がれること。なのでスキーがとても簡単になりましたが、デメリットは脚を捻ってしまいやすいことで、右に傾くと右に、左に傾くと左に切れ込むように板が勝手に曲がっていきます。すると膝を捻りやすく、カービング形状の時代になってスキーでの怪我は膝の怪我が最も多くなってしまいました。

 そして初心者が転ぶ行動をすると、意図しない曲がりが発生して足を捻ったり、余計に暴走したりします。これがとても危険で、スキーパトロール時代に転ぼうとして捻った!という怪我はとても多く対応しています。

 じゃ、どうするか?先にブレーキを習得しましょうということです。いつでも止まれるという実感があれば、安心して滑ることができます。滑って怖いのは「止まれないんじゃないか?」ということで、逆に言えば止まれるなら安心ということです。
 そしてこれにはメリットもあって、止まれる技術が先にあれば、少なからず転ぶ時は減速できています。怪我を酷くする原因はスピードと技術不足なので、それだけでも怪我の程度を軽くすることが期待できます。

 それに、止まれそうなくらい遅いスピードでなら、転んでも暴走したり滑落する可能性も減ります。

 私のレッスンの場合、1mmでも進んだら止まる。というレッスンを行います。1mm進んで止まれれば次は2mm、3mmと伸ばしていくだけ、徐々にそうして滑っている時間を伸ばして、自分が止まれる速度を体感させるのが狙いです。転ぼうとしないので結果的に後傾になりにくく、暴走もしにくい、転んでも比較的安全、というのがこの方針の狙いです。

 さらにスキーボードならではですが、スキーボードはゆっくり滑るのがとても得意です。試すとわかりますが、スキーでゆっくり滑るのってこれが結構難しいんですよ、特にターンが。スノーボードなら尚更で、スキーボードはあらゆるスノーギアの中で特にゆっくり滑れる特別なスキーです。なのでこのような方針のレッスンが可能で、ゆっくりの速度からだんだんと許容スピードを上げていって、気がつけばいろんな斜面で滑れるようになります。

 ちなみに転ぶ技術ですが、ある程度滑れるようになって習得するとメリットがあります。スキーボードでは固定式もありますから、この技術が結構大事になります。この部分は誤解なくお願いします。

 転ぶことを安全と考えず、転ばないようにスキルアップしていくのが転ばないセーフティーです。楽しいスキーライフをおくる上で最も大事なのは「楽しかった!」で終わること。そのためにも怪我をしない考え方として私は「転ばないセーフティー」をお勧めしていこうと思います。

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