雪ってどれくらい降ればゲレンデになるの?【ゲレンデになるまで】
今回の大雪はだいぶ被害が出ている様子ですね。平野部の雪は困りものですが、今年はゲレンデに雪がないのでこうして雪が降ると
「ゲレンデ開くじゃん!」
と思う方も多いでしょう。
ゲレンデの雪って天然雪や人工降雪などありますが、最終的に圧雪車と呼ばれる大型重機で丁寧に整地してゲレンデになります。
みたことがある方もいるかと思いますが
上記引用させていただきますが、こういう赤い大きな機械を皆さんもみたことがあるでしょう。これが圧雪車です。
この大型重機の前の黒い「ブレード」で大まかに整地しながら進み、後ろのミルで均一な状態に整地します。すると皆さんが憧れるシマシマのゲレンデが生まれます。
ピシッとピステンのかかったゲレンデを滑るのはとても気持ちいいですね!あれは新雪と同じくらい気持ちの良いものです。
さて、この圧雪車は自身の重さで雪を圧縮します。だから圧雪と言うのですが、これにより滑っても簡単に掘れず地が出ないゲレンデになるのです。圧雪しないと滑れば簡単に埋まり、地がでて滑りにくいゲレンデになってしまいます。この圧雪していないゲレンデを「オフピステ」と呼んだりしますが、つまりピステンのかかってない整地されていないゲレンデをそう呼びます。
いつも滑りやすいゲレンデが味わえるのは、ピステンのお陰なのです。
で、この圧雪でどれくらい雪が必要かと言うと、ピステンは雪を半分から1/3に圧縮します。なので、30cm降ってもゲレンデになると10cm。ゲレンデとして最低必要な雪の厚さは平均30cmと言われるので、1メートルくらい雪が降らないとゲレンデにならないのです。
スキー場はオープン前に降雪があるたびに徐々に圧雪して雪の地を作り、少しずつ厚みを増やしてゲレンデとしてオープンします。こうした繰り返しで圧雪した一番下の部分は氷に近い状態になり、多少雨が降ったり温度が高くなってもゲレンデとして維持できますが、この圧雪された地がないとあっさり解けて地面が出てしまいます。
今年はこれが問題になっています。どこのゲレンデもギリギリの状態でオープンを強いられたので、本来維持したい圧雪された地がないのです。つくろうにも雨で解かされ、急に大雪が降っても地がないので簡単にゲレンデになりません。雪の地さえあればとても簡単になるのに・・・。
また、無理をしてゲレンデにするとピステン作業で前のブレードや後ろのミルによって土や石を巻き上げてしまいます。これが大問題で、一度でてしまった土や石は、雪そのものを入れ替えなければシーズン中ずっと残ります。上に雪が降って隠れても、徐々に浮いてきてしまうのでもうどうしようもありません。
これが板が傷つく原因にもなります。今年は本当に滑走面トラブルが多く修理不能な傷を作ってしまった方もいらっしゃいますが、今年は我慢するほかないかもしれません。
さて、今回のブログの内容でゲレンデって実は簡単にできるものじゃないとわかってもらえれば幸いです。今年のような年はめったにないことと思いますが、その傍でゲレンデになるよう努力されているスノーメイクやゲレンデ関係者のみなさまには頭がさがるばかりです。