スキーやスキーボードのプレチューンナップは一般の方でもできるの?
GRや一部のメーカーの板を除き、多くの板は工場で出来上がったままの状態で販売されています。このままでも使用する事はできますが、板本来の性能を発揮させ、長く楽しむ為にはプレチューンナップと言う使う前の仕上げは欠かせません。
そのプレチューンナップはお店にもよりますが、依頼するとだいたい5000円から15000円の工賃がかかります。たまにもっと安い料金のプレチューンナップもありますがそれはワックスを塗るだけなので、しないよりマシですがせっかく依頼するなら一通りのチューンができるメニューで依頼したほうが幸せになれます。
プレチューンで行う作業としては
1 滑走面のクリーニング、仕上げ、(面出し)
2 エッジチェック、研磨、ダリング、(ビベリング)
3 ワックス塗布
これらの作業になります。このうち2のエッジに関する部分は板の性能と快適さに直結するのでぜひ行いたい所ですが、様々な理由でお店でのプレチューンとしては別メニューとされ、バリ取り程度に簡略的にしたり省かれることもあります。
エッジに関しては一度乗ってみて調整した方が良い場合もありますからね。板の特性や特徴を知らずにエッジを弄るのはあまり勧められる事ではないので、プレチューンでもエッジ処理についてはよく相談が必要です。
1についてはクリーニングはもちろん、毛羽取りなどの作業です。板によっては製造後何ヶ月も経過して滑走面の表面が劣化している場合も多いので、面出しの有無は後のワックスの利きや保ちに大きく影響します。
必要あればフラット修正もします。
プロの現場ではこのような機械でフラット修正しますが、一応無くても出来る作業です。時間と根気が必要ですが…。
滑走面が仕上がれば2の工程、エッジチェックです。エッジのバリやサビの原因を取り除き、必要あればビベルというエッジに角度を付ける作業と、ダリングという必要のないエッジを落とす作業をします。
これが難しい。エッジチェックくらいならば一般でも出来る作業ですが、ビベル、ダリングは知識と技術と経験が必要なので簡単ではありません。しかし適切に出来ていればとても楽しめる板になる作業なので、プレチューンとは別の機会ででも一度はやっておきたい作業ですね。
最近だとこのエッジ処理も機械で自動的に出来るようになってきました。が、残念ながらスキーボードは短すぎたり幅が広いので出来ない場合が多いです。一度やってもらって勉強したいんですがね~。
最後はワックス塗布です。昔ながらのアイロンを使っての方法が一般的ですが、お店だとサーモやワックスフューチャーと言った特別な作業が依頼できます。具体的にはよりワックスを浸透し易い状態でワックスを塗る事で性能と保ちを向上させるものですが、お金に余裕あれば依頼しても損しません。
これらの作業をひとまとめにしてプレチューンとなります。何となく出来そうな気もしますね。
ここで、プレチューンでつかう道具を並べてみたのでお見せします!
凄い数でしょ?これらすべて使う訳ではありませんが、これくらい用意がないとプレチューンとして満足な加工ができません。もしこれらを自前で用意するとなると…ボーナスに手を着けなければならないでしょうね。総合的な作業なのでどうしても道具はたくさん必要になります。
あ、サンディングマシーンまで必要ならば車買うくらいの覚悟が必要です。
こうしてみるとプレチューンは依頼した方が懸命です。道具を少しずつ買い足していって自分でも…と言うくらいになると思いますし、そうやって積んできた経験がないと難しい作業でもあります。
スキーボードの場合、ダリングだったりフラット修正だったりで変に長板と同じ加工をすると乗りにくくなってしまうことも多いので、スキーボードを良く知るチューナーに依頼する事をお勧めしていますが、事実、スキーボードの特性を理解してプレチューンができるお店はとても少ないです。GRではこの部分の負担を少しでも解決したい意味もあって全てプレチューン済みで販売していますから、買ってそのまま使えますし、ベースとなるチューンはできていますから、購入後のメンテナンスも非常に楽に簡単になります。
もしプレチューンを自分で行う場合、先ずはワックスクリーニングから少しずつ手を出してみて下さい。普段のメンテナンスでも有用ですし、クリーニングからなら道具もブラシとアイロンとワックスと台とスクレーパーくらいなので、始めてみたいかたはぜひそこから!