クロスステップ

 思い返しても私がその技をいつ知ったのか、覚えていません。雑誌だったか、ビデオだったか。。。

 私はスピードスケートを子供の頃にやっていたのもあって、割とすぐにクロスステップが習得できました。スピードスケートのコーナーワークの足運びはとても似ていますからね。

 ただはっきり覚えているのが2005年のGR発足後に行われた初めてのGRのオフ会、その時は「技術検討会」なんて仰々しく呼んで4名で滑りました。

 その会場となったゲレンデは山梨のサンメドウズ清里。私の元職場で、その日は仕事のシフトの都合で朝パトの勤務して、その後に私は仕事を上がってイベントを行う予定になっていました。
 いつも通り朝パトを終え、ゲレンデが営業を始めると私は細かい仕事を同僚としていました。すると先輩がパト室に戻ってきてこう言うのです。
「なんかすげぇの居るけど、あれ、お前の友達?」
 話を聞くと、私の滑りよりも断然目を引く短い板のスキーヤーが居るとのこと。そうして覗きに行くと、明らかにヤバいのがいる。

 あ、あの人だわ。

 それが後のGRの副管理人、もぅさんとの出会いでした。

 もぅさんといえば代名詞はクロスステップとザマスペ。私のたどたどしいクロスステップなどとは比較にならないくらいの見せ場のあるコントロールされたクロスステップははっきり言って「異常」でした。人間がなぜあんな動きができる?どうやったらあんなに見栄えが??クロスステップした後にワンフット状態のままスピンって何よ???
 その後のイベントでもぅさんに色々と教わり、GRという活動がこの時に始まったような気がします。その後も定期的にGRのイベントを行うたびにもぅさんと仲間たちと技術検討を行い、まっすぐしか滑ることができないと思われていたザマスペでターンしたりコントロールしたり、立ち上がって逆の足でザマスペしてみたりともぅさんによってグラトリがディープに進化していきました。

 多分、フェイキークロスをはじめにやったのももぅさんじゃないでしょうか?仲間たちと「こうやったらできるんじゃね?」なんて話の中から完成されたのがそんな技でした。

 色々検討していく中で、フェイキーには種類があることもわかりました。なぜって、私の行っていたクロスステップともぅさんのとでは何かが違ったのです。後に私が行っていた方は遠心力を利用する「カービングクロス」で、もぅさんの方はコントロールされた「スキッディングクロス(関西クロス)」とわかりました。ここに北陸のスペシャリストのどちらにも分類されない「ストレートラインクロス」があって、クロスステップは三種類になることが見出されました。

 こんなことをしていると変態というものは居るもので、クロスの動きを逆にしたクロスステップリバースなんてものを開発した猛者が生まれました。そしてさらにそれをフェイキーで行うなんて狂気のトリックも生まれ、現在ではクロスステップにスキップを混ぜてやろう!なんて新たな技も生まれていますね。

 GRという側面からクロスステップ一つとってもなんだか歴史があります。そんな歴史はまだ途中、この後にみなさんのアイデアでクロスステップがどのように進化していくか、とても楽しみです!

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